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column

50年後、定年はなくなります

 わたしたちは何歳まで働かなければならないのでしょうか。老後をそれなりに過ごすための金銭的な事情もあるでしょう。ずっと好きな仕事を続けたい、引き継ぐ人がいないから、などなど、置かれている立場などにもよって、働く目的は様々だと思います。また中高年の方にとっては、来るべくしてきた親の介護、突然の病気など、働きたくても働けなくなることもあるでしょう。若い方にとってはそんな先のことは考えたことないし、考えられないという方もたくさんいることでしょう。そんな未来をおぼろげながら理解し、不安に感じながら働いている方がたくさんいることでしょう。

 昨年、高年齢者雇用安定法改正に伴い、70歳までの雇用延長が努力義務となりました。そして人生100年時代とのことです。人生を謳歌するという意味でいえば、寿命より大事なのは健康寿命です。厚生労働省によると健康寿命は女性で75歳、男性で72歳です。そして2001年から2019年で約3歳延びており、健康志向、安定した社会環境など、様々な影響を受けていると思いますが、しばらくはこの寿命も延びていくでしょう。そう考えると70歳までの雇用延長は、みんな70歳はまだ元気だから働いてください、ということなのでしょう。

 そういった背景も受けて、定年後の再雇用制度の改定を予定している企業が増えています。多様な社員側の働く事情と、企業側の働いてほしいという需給のバランスを保つ、企業独自のシステムを構築していく必要性が高まってきています。ただその際に思うのは、数年先の程度の短期的な目線では、本質的な解決はできないということです。だれも未来がどうなっているかなどはわからない、そんな未来に自分はいないと思うと無責任になりがちで、パッチワーク的な課題の解決になりがちです。若い世代にまで視野を広げ、将来目指す組織のあり様などをイマジネーションするなど、継続的に取り組んでいく姿勢が今まで以上に求められているように感じます。

 社員の健康や家族の状況など、企業の取り巻く組織の状況は変化し続けるでしょう。そして70歳まで働くつもりもなかった世代と、75歳以上働く可能性が高い若い世代の双方の健康寿命や時間、金銭的な価値観は変化し、そのギャップの意味も変化していくことでしょう。この変化し続ける複雑で難解な状況を踏まえながら、需要と供給のバランスを絶妙に保つために、人事のファンクションの継続的な強化はやはり避けられません。そして強化していくうえで、真っ先にしなければないことは、やはり目先の定年再雇用制度の見直しだけではありません。社員にとって企業の中で働くことの目的や意義は何かということに、向き合い続ける企業の覚悟が求められているのかもしれません。

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