歴史から学ぶ、人事の未来 ―生成AI時代に生き残る人事とは― 第2回|人事が立てるべき問いと担うべき役割 |コラム|株式会社トランストラクチャ(東京都)

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歴史から学ぶ、人事の未来 ―生成AI時代に生き残る人事とは
― 第2回|人事が立てるべき問いと担うべき役割

第1回では、武士が新たな道を模索した歴史を手がかりに、人事が直面する変化について考えました。生成AIの普及は、これまで人事を埋め尽くしてきた調整やルーティン作業を軽減しつつあります。そこで人事に広がっているのは、単なる効率化ではなく、役割の再定義による新しい舞台です。本稿では、この舞台に立った人事が立てるべき問いに関して、実践的な視点でお示ししていきます。 ________________________________________

経営に資する問いを考える

「生成AIがオペレーションの大部分を担いつつある今、人事は何をすべきか」
まずはこの問いを、人事は視座を上げ、経営的な視点から考えることから始めます。
この視点から、求められる人事の重要な役割のひとつとして「人事的アプローチにより企業の競争優位を創り出す」ということが考えられるのではないでしょうか。
競争優位創出の前提として、人材戦略そのものは、経営戦略の一部として設計されるべきものであるため、経営者の責務です。
そこで人事は、経営者が立てた人材戦略を「ストーリーとして紡ぎ、競争優位に寄与する」ことが、担うべき役割と考えることが出来ます。
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戦略と施策を紡ぐストーリー「人材ポートフォリオロードマップ」

人材戦略をストーリーとして紡ぐためには、人材をどのように定義し、どう動かすかという問いを立てる必要があります。
一般的に「人材ポートフォリオ」は、ある時点における人員構成を示すスナップショットとして示されていますが、それだけでは人材戦略に資するストーリーは見えてきません。
人事が経営に資するために必要なのは、時間軸を取り込み設計される「人材ポートフォリオロードマップ」の考え方です。
ここで人事が立てる問いの例としては、
「短期・中期・長期の時間軸で、人材をどう循環させ、事業を支えるのか」
「競争優位性の観点より、どの能力を内部育成で強化し、どの能力を外部調達で確保するべきか」などです。
この人材ポートフォリオロードマップは時間軸を伴い「採用・育成・配置・評価・報酬・代謝・文化醸成」を一体で設計する体系です。これらを統合して、人材ポートフォリオは経営戦略・人材戦略とストーリーとしてつながり、競争優位を支える基盤となるでしょう。
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指標で問いを検証する

問いを立てた後には、その正しさを検証するための道具が必要です。
活用すべき指標は数多く存在しますが、一例として以下の指標と算式例があります。
1. 人的資本ROI:{収益-(コスト-人件費)} ÷ 人件費-1(投資効率)
2. 賃金生産性:付加価値 ÷ 総額人件費(人件費総額あたり効率)
3. 労働生産性:付加価値 ÷ 従業員数(人数あたり効率)
4. 単価生産性:付加価値 ÷ 人件費単価(給与水準あたり効率)
これらは相互に関連し、企業が人材をどう活用し、どの程度の成果を得ているかを定量的に示します。
例えば、以下のような問いをイメージすると良いでしょう。
「各生産性の推移から、これまでの効率化施策はどのように効いているのか」
「賃上げは、賃金生産性の向上に中期的な視点でどのように影響しているのか」など
ただし、指標は答えそのものではありません。問いを検証する道具としての位置づけであり、妥当性判断は人事が担います。そして示唆と提言をもって経営の意思決定につなげる役割へ動くことで、オペレーションを主とする人事からの脱却が見えてきます。
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おわりに

生成AIが人事にもたらしたのは、単なる効率化ではなく、人事の存在意義に対する根源的な問いとも考えられます。
問いを立て、ストーリーを描き、実行・検証し、経営へ提言する。
言うは易いですが、代替可能なオペレーション業務から解き放たれるよう自ら働きかけ、問いの循環にこだわる苦労を乗り越えていただくことを願っています。その先に、人事が真の意味で「経営の重要領域」となり、企業の持続的成長を支える原動力として、一層活躍する未来が訪れることを信じています。
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※本稿は2回シリーズの第2回です。

「歴史から学ぶ、人事の未来 ―生成AI時代に生き残る人事とは―」コラム2回シリーズ

01.  第1回|維新により侍が立たされた岐路と、人事の現在地 
02.  第2回|人事が立てるべき問いと担うべき役割 →今回

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