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無事之名馬

執筆者: 南城 三四郎 その他

 もはや耳にタコではあるが、日本は少子高齢化の進行により、労働力人口の急激な減少がしており、今後、国内のあらゆる企業において、労働力の不足が大きな人事課題になることは確実である。不足する労働力を確保していくためには、外国人労働力、女性、定年延長・再雇用などで労働力を維持していくことが必要となるが、この定年延長という取り組みに関して、新たな問題として考えられるのが、健康の問題である。

 企業は、従業員の健康を維持することに投資し、従業員は、今まで以上に健康を維持するための運動習慣、食生活の改善に取り組むことが求められるようになる。60歳を過ぎても、できるだけ健康な状態で過ごすことによって、医療・介護にかかる費用を押さえていくことが、国民全体の負担の軽減につながり、社会保障の持続可能性を高めることにもなる。個人にとっても国家にとっても望ましいのである。

  健康の維持推進というと、まず、”疾病”にならないための衛生水準を確保するということ、感染症対策や食品衛生などである。この点に関しては、清潔な住環境、徹底された食品の衛生管理など、日本は国際的にみて高いレベルを維持しているといえるだろう。

 しかしながら、これから訪れる強烈な高年齢社会を実現していくためには、これに加えて、私たち自身も、運動習慣や食生活の改善に積極的に取り組み、生活習慣病の発症や重症化を予防していかなければならない。

 近年、企業としても従業員の健康に関する取り組みを支援する動きが活発になってきた。健康経営の事例としてよく上げられる、ジョンソン・エンド・ジョンソンの取り組みであるが、グループ250社、約11万4000人に健康教育プログラムを提供し、その投資に対するリターンを試算ところ、投資1ドルに対して3ドル分のリターンがあったとされている。従業員の健康に対する取り組みを支援することが、企業としての価値を高め、業績の向上にもつながるということである。

 現在の国内企業の主な取り組み内容としては、禁煙推進、成人病の高リスク者へのカウンセリング、ノー残業デー、健康教育などが多いが、今後はさらに強化されていかなければならない。業務に必要とされる知識やスキル、を習得し続けなければならないことはもとより、その技能を長期間にわたって、いかんなく発揮し続けるだけの肉体・精神の頑健さを維持していかなければならない。「無事之名馬」がこれからの日本人が目指すべき姿なのである。

 ちなみに、「無事之名馬」という言葉は、競走馬の世界において、多少能力が見劣りしていようと、常に健康であってくれることが馬主にとって望ましい、ということを表す言葉であるが、大前提として、競走馬とすべく生産されたすべてが競走馬になれるわけではなく、選び抜かれた真に強い馬のみがレースに出走し続けることができる世界である、ということを理解しておかなければならない。

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プロフィール

南城 三四郎 (なんじょう さんしろう)

シニアマネージャー

大学卒業後、建設系専修学校にて、都市計画、情報処理関連学科の教員として、講義、学生指導を行う。その後、IT企業にてサーバー、ネットワークの保守・運用業務のほか、スマートフォンアプリ、Webサービスの企画、開発を担当するとともに、人材育成担当マネージャーとして社員教育に従事した後、現職。

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