ベンチャー企業の人事制度設計
業界・業種 | 情報通信業 |
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社員規模 | 250名 |
実施期間 | 約8カ月(現状分析・人事制度設計・新制度導入支援) |
課題・提案
人事制度設計の依頼があった際の採用計画は現在の社員数の3倍と、急成長中の同社。企業規模の急拡大に耐えうる、組織的な人事管理を行うためのプラットフォームとなる人事制度、かつフレキシブルな運用が可能な人事制度を必要とされていた。
また採用競争力の観点から、マーケット(外部労働市場)水準を意識した給与水準の設計、バリューを重視した評価制度が必要不可欠とのご認識だった。
この状況を踏まえて、同社の人事の状況を分析・把握し、今後の経営・事業計画の実現に向けた人事制度の設計及びその導入・定着に向けたご支援を行った。
支援や結果
1.実現したい人事制度の具現化
定量分析(当社人事アナリシスレポート)・ドキュメント分析(現制度資料・規定類)・インタビュー分析(経営陣)の調査から抽出された人事・組織上の問題・課題を正確に把握した上で、ミッション、ビジョン、バリューを重視しつつ、今後のビジネス展開で求められる人事制度の方向性をプロジェクトメンバー間で協議を行った。その後、新人事制度のコンセプトを定めた。
2.等級制度
ミッション(役割)の大きさにより人材を区分した等級体系とし、人材の定義やキャリアパス、昇降格要件を明確化し開示することで社員が成長を実感できる仕組みを構築した。
- 等級定義(人材区分)の明確化
- 実力ある人材が戦略上重要なミッションを担う等級体系
- マネジメント、プロフェッショナルの複線化キャリアパス
- 抜擢人事を推奨する昇格要件の設計
3.給与制度
階層(等級)、職種ごとの給与水準を設定。給与水準は業界大手企業をベンチーマークとした給与水準とした上で、業績に対して総額人件費の枠組みを定め、昇格、昇給、賞与をコントロール可能な制度を設計。
- 階層別・職種別の給与水準設定
- 昇格、昇給、賞与を総額人件費内で収める人件費コントロール機能
- 給与移行シミュレーション及び採用計画に基づく将来人件費シミュレーション
4.評価制度
成果評価、バリュー評価を総合的に評価する仕組みとし、高い目標にチャレンジすることを推奨するOKRを主とする評価制度を設計。
- バリューベースにした役割遂行を評価項目として設計
- 期中の昇格認める評価運用ルールの策定
上記に基づき新制度を設計し、その後社員説明会資料作成、評価者研修、規定類改定、個人別移行シミュレーション、将来予測シミュレーション等を経て、プロジェクトキックオフから約8カ月後に新人事制度を導入。