高柳 公一 |1 |執筆者|㈱トランストラクチャ

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高柳 公一

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「ポスト真実(post-truth)」時代における“切り札”としての人事 | 人事コンサルティング

「ポスト真実(post-truth)」時代における“切り札”としての人事

トランプ大統領の発言をめぐる一連の真偽論争に象徴されるように、最近は「事実」そのものよりも“刺さる言葉”が先に拡散し、SNSでは切り取られた動画や断片的な体験談が瞬時に印象を決める。 生成AIの普及は、もっともらしい文章や画像を大量に生み出し、真偽を確かめる前に感情が先に走る場面も増えた。我々は今、いわゆる「ポスト真実(post-truth)」という時代の中にいる。   事実は消えないが、事実に基づいた意思決定の前提となる“信頼”あるいは“共通の理解”がぐらついてしまっている。拡散されたフェイクを後から訂正しても、人々の印象はなかなか更新されない。一次情報を出しても「都合のよい説明」と疑われる。 こうした状況は企業経営にも及ぶ。社外にとどまらず、経営と社員、社員間といった組織内でも『信頼を獲得するためのコスト』が増大している。   この“ポスト真実”の時代に、企業経営としてどう対処していくべきか。まずは、自社の“制度(ルール)”をしっかりと固めていかなければならない。 社会や組織の繁栄を左右するのは制度である。法の支配が弱く、人々を搾取する社会は、成長や“より良い変化”を生みにくく、ルールが守られる社会においては、投資・蓄積・革新が進みやすい。 2024年ノーベル経済学賞を受賞したダロン・アセモグル、サイモン・ジョンソン、ジェームズ・ロビンソンは、このように、国の繁栄にとって社会制度の重要性を長年の研究で示し続けてきた。   法の支配が不十分で、搾取を許容する社会は、成長や良い変化を生み出さないことと同様に、ポスト真実の環境下では、社員が安心して挑戦できる制度の整備が不可欠である。例えば、人事制度は、人と組織が安心して協力し、挑戦するための“土台”ともいえる。「法の支配」を形づくる経営インフラとしての人事制度を整備することは、組織内の信頼コストを下げる最も現実的な手段になる。   同時に重要なのは、制度運用の在り方である。経営方針と人事制度の設計方針にギャップが生じてくると、運用での裁量に依存するようになる。逆に、人事制度の運用方針がぐらついていると、せっかく設計した制度も形骸化し、「結局、上司次第だ」という“不信”が組織内に蔓延していく。   “ポスト真実”の時代だからこそ、「人事制度は建前で実態は別」という不信が拡散し、組織は内向きの消耗へ向かってしまうリスクには敏感になるべきだろう。   さらにもう一つ、ポスト真実(post-truth)時代に特に重要になるのが、人材サーベイ・アセスメントの活用だ。評判や印象が先行しやすい環境では、「あの人は優秀」「向いていない」といった物語が人の評価や配置を左右しがちである。だからこそ、我々は主観に依存せず、何を能力と呼ぶかの定義、どう測り比較するかの測定、成果や成長と結びつくかの妥当性、人が変わっても同じ判断になる再現性――といった人材の“測定力”を磨き続けたい。制度が立派でも測定が弱ければ、運用は社員の語る“物語”に飲み込まれてしまう。   ポスト真実(post-truth)時代において、日本企業が組織の“信用のインフラ”として人事力を高めることの意義は大きい。優秀人材の採用・定着、社員の挑戦機会の創出、意思決定の迅速化など、広範な領域に効果が及ぶ可能性がある。信頼コストが高まりやすい環境下では、制度の整備と運用の一貫性、そして人事を測る力の向上が、組織の競争力を左右する重要な変数となる。  

第1回: 経営者が人事マネジメントを考える上で把握すべき5つのトレンド―― | 人事と経営

第1回: 経営者が人事マネジメントを考える上で把握すべき5つのトレンド――

近年、企業経営を取り巻く環境は、単なる変化ではなく「環境そのものが構造的に変わる時代」に入っている。AIの進化、データ資本主義の加速、労働力制約社会の到来、予測困難なVUCA環境、そして真実や信頼の基盤が揺らぐポスト真実社会――これらの潮流は、それぞれが独立したテーマではなく、相互に影響し合いながら、企業の競争構造と組織のあり方を大きく書き換えつつある。 こうした環境変化の中心にあるのは、結局のところ「人と組織」である。 どの技術を活用し、どの戦略を選択し、どの方向へ進むのかを最終的に決め、実行していくのは“人”であり、その人が集まり機能する“組織”である。だからこそいま、人事は「制度を整える管理部門」ではなく、「企業の価値創出と未来を形づくる中核機能」として、その役割を再定義されつつある。 本シリーズでは、 ① 生成AI・自律型AIの進化 ② データ資本主義の加速 ③ 労働力制約社会の到来 ④ 不確実性(VUCA)の時代 ⑤ ポスト真実社会 という5つの視点から、人事がどのような責任を担い、どのように進化していくべきかを考察していきたい。いま、人事の役割はこれまで以上に重く、そして本質的な意味を帯び始めている。 ① 生成AI・自律型AIの進化 AIの進化は人間の知的生産の在り方や、仕事の定義自体を大きく変え始めている。生成AIは情報整理やアウトプット作成の効率性を飛躍的に高め、自律型AIは目的を理解し、自ら判断し、業務を遂行する存在へと進化しつつある。しかしこれは単なる効率化の話に留まらない。仕事の中身が変わり、求められる能力が変わり、組織の役割分担が変わるということである。 ここで我々は、“どの仕事をAIに任せ、どの仕事を人が担い、結果として、人はどのような価値を生み出すべきか”という人材戦略の再設計を迫られている。AIを単なる効率化ツールと捉えるのではなく、「人がどのような価値を発揮する存在になるのか」を再定義する、“人的資本の高度化”として扱うことが求められている。 ② データ資本主義の加速 世界は「データ資本主義」の時代へと移行した。企業価値の源泉は、どれだけのビッグデータを持つかではなく、どのようにデータを解釈し、意味づけ、知的価値へと転換できるか、すなわち意思決定と人材マネジメントに活用できるかへと移っている。人的資本情報の可視化、スキルや経験・キャリアの統合、エンゲージメントや組織状態の定量把握――人材に関するデータを戦略的価値として扱える企業だけが、人材を「コスト」ではなく「資本」として本当に活用できる。 データを“持つだけの人事”か、“価値化できる人事”か。その差が企業競争力を分ける。 ③ 労働力制約社会の到来 日本社会では、人口減少と高齢化により、「必要な時に必要な人材を確保できる」という前提が崩れた。人材は“潤沢なリソース”ではなく、“極めて貴重な戦略資源”となった。ここで人事に求められるのは、採用競争に勝つことだけではない。既存人材の能力を最大化し、成長機会を提供し、リスキリングと再配置によって組織と個人の最適化を図ることである。「人が足りないからできない」ではなく、「限られた人材でどう最大の価値を生むか」という問いに、真正面から取り組めるかどうかが、経営の成否を分ける。 ④ 不確実性(VUCA)の時代 現代は「VUCA」と呼ばれる不確実性の時代であり、変化は予測不能で、事前に正解を見通すことはますます困難になっている。こうした環境では、精緻な計画よりも、変化に適応し続ける力、学習し続けられる組織能力が重要となる。その中心にあるのは制度でも戦略でもなく“人”である。挑戦できる風土、失敗から学べる文化、スピードある意思決定を支える心理的安全性――これらはすべて「組織・人材マネジメントの設計」によって生み出される。 VUCA時代の競争力は、人事の力量そのものだと言ってよい。 ⑤ ポスト真実時代 情報が溢れ、事実より感情や物語が影響力を持ち、社会の信頼構造が揺らぐ時代において、企業は“何をするか”以上に、“どのような姿勢で社会と向き合うか”を問われる。社員に対してどの価値観を提示し、どのような一貫性を保ち、働く意味をどのように示すのか。企業の信頼、ブランド、存在意義は、人事の領域で決まる部分が極めて大きい。採用、育成、評価、コミュニケーション――そのすべてが企業文化を形成し、文化は社会の信頼と結びつく。 これら五つの潮流は、いずれも人事を「サポート機能」から「経営の中枢」へと押し上げる力を持っている。AIの進化は“人の価値”を問い直し、データ資本主義は“人的資本の見える化”を促し、労働力制約は“人材の戦略的活用”を強制し、VUCAは“学習する組織”を求め、ポスト真実は“企業文化と価値観”の重要性を浮き彫りにした。 いま求められているのは、人事を単なる管理部門と捉える発想ではなく、「経営戦略=人材戦略」という当たり前の前提に立ち返ることである。 人と組織をどう設計し、どう活かすか――それこそが、これからの企業の競争力を決める最大の要因であり、人事はその中心的責任を担う存在へと進化していく必要がある。今、まさに“人事の時代”が本格的に始まっている。次回以降では、それぞれのトレンドに対し、人事がどのように応えていくべきかについて、さらに具体的に考察していきたい。

「人材戦略ワークショップ」 | 人事制度

「人材戦略ワークショップ」

人材戦略や人材ポートフォリオの策定と人事施策への反映が求められるなか、その策定をどのように進めるべきか悩んでいる人事担当者は少なくありません。 人材戦略を実効性のあるものにするためには経営戦略と連動させることはもちろん、現場のニーズを的確に捉え、何をどうすればその戦略を実現できるかのイメージを経営と現場が共有できるようにしなければなりません。 当セミナーでは、経営層や現場リーダー層を巻き込み、現場の実態と目指す姿を明確にしながら人材戦略の策定を進める具体策をご紹介します。

AIの使い方にコダワル | 人事コンサルティング

AIの使い方にコダワル

 正月休みに昨年の社会の動きを振り返ってみて、改めて、AI進化が凄まじいスピードで進んでいる事をつくづく感じている。この勢いに乗って、我々は、気づかぬうちに、とんでもないところまでいってしまうのではないかと心配になる。昨年、ノーベル経済学賞を受賞したMITのダロン・アセモグル教授は言う。  「人間がそれまで担っていた仕事にAIが取って代わる『労働代替型』の技術進歩ではなく、AIが労働生産性を高める方向で進歩していく『労働補完型』を目指し、人間の主体性(Agency)を奪ってはならない。」  AIは、様々な情報をインプットすれば、その条件の中でとりあえず、“最適な”ソリューションを提供してくれる大変頼もしい友人のようであるが、その回答を我々が鵜呑みにして、自ら考えることや選択することをひとたび止めてしまえば、おそらく映画『マトリックス』やジョージ・オーウェルの『1984年』のように、自らの意思で選択する力を奪われた世界に埋没していくだろう。我々は仕事における主体性を放棄してはいけないのだ。  「他社は?」コンサルティングを行っている日常でよく交わされる言葉だ。外部の状況を可能な限り十分に把握したうえで、自社にとっての最適解を導き出すことはとても重要だ。キャリアパス、給与水準、人事評価、人材育成の制度等、人事上の様々な仕組みを設計する際には、内外の情報や過去の知見を構造的に整理し、クライアント企業の意思決定を客観的にサポートするのがコンサルタントの役目でもある。クライアント企業の意思決定がその企業の属性から見て常識的な範囲のものであるのか把握したい時や、社内の過激で偏った意見を排除する際にも外部情報を有効に活用すべきだと思う。しかし当然ながら、自社と同様な他社の仕組みをそのまま取り入れればうまくいくものでもない。  「自社は?」むしろ、自社を知ることのほうが重要かもしれない。同じ業種や組織規模であっても、その企業の目指しているゴールやその企業を構成する人々のキャラクター、さらには創業以来培われてきた社風はそれぞれ固有のものであり、むしろそうした様々な内部情報を正確に認識し、収集した外部情報とともに机の上に並べ、何を重視すべきか考え、想定しうる選択肢を絞り、吟味し、意思決定を行うことが肝要だ。  未来は不確実なものである。将来、想定していた前提とは異なる現実が生じることも少なくない。その結果、よかれと思って作った仕組みは現実と適合しなくなり、見直しを求められる。それは当然のことであり、一度作ったら、将来にわたってメンテナンスをせずに使える仕組みなどはなく、移り行く現実に合わせて、チューンナップを繰り返し、最適化を図っていくものだ。  我々の人事コンサルティング業界も、アセモグル教授の言葉を借りて言えば、労働生産性を高める方向で進歩していく『労働補完型』のAIの活用は強力に追求していくべきである一方、収集した外部の情報や組織内部の状況を構造化し、言語化してクライアントと共に主体的に考え抜いて最適なシナリオやソリューションを生み出すことは、決してAIに任せてはならないものだ。  これは人事コンサル業界に限った話ではなく、どんな業界でも当てはまる。人間にとって「主体性」こそ、本質であり、「主体性」のない組織や、人間が「主体性」を持たない社会の中で生きることに、我々は何の価値も感じられないだろう。  一見、悩むことなく楽に見えるかもしれない「マトリックス」や「ビッグブラザー」に従う社会ではなく、日々移り行く現実と常に向き合い、我々自らが考え、意思決定をする健全な社会であり続けられるかどうかは、我々自身が、AI発展に対して、いかに主体性に向き合っていくかどうかにかかっている。AIの有用性に存分に享受しつつも、我々は、絶えずそれを自身に問いかけていかねばならない。

人材戦略は全社ワンチームで! | その他

人材戦略は全社ワンチームで!

 これからの時代、企業の成長エンジンは、お金やモノではなくヒトである。ヒトを資本と捉え、ヒトに投資し、ヒトが価値を創出することで、企業が成長し得るというのが人的資本経営だ。ヒトをコストとして捉え、生産性を高めるため、できるだけ人件費を削減するという発想から転換しないと、企業は成長どころか生き残りさえ難しいという時代になった。  そのため、各企業はこぞって、人材の育成・成長を強化する方針、優秀な人材を獲得するための施策、従業員のキャリア開発支援、社員モチベーションの向上、ワークライフバランスの重視、等々、人材に関する方針や施策を経営計画で掲げている。  中期経営計画や上場企業の統合レポートを見ても、あきらかに人事や人材に関する方針のウエイトが高まってきている。  こうした方針や施策を推進していくには、それぞれの企業のビジョンや経営戦略と連動させていくことが重要なのだが、正直なところ、経営戦略と連動したかたちで、どのような人材(WHO)を獲得していくのか、どのように(HOW)人材を育成していくのか、明確で具体的な施策に展開されている企業は、必ずしも多くない。  必要なヒトを確保し、育て、社員のエンゲージメントを高めていくといった基本的な方向性は定まっているものの、具体的にどの社員を、どのように育てて、どんな成長を目指すのかについて、社内で共通の認識が確立され、かつ、具体的な施策に展開されているだろうか。また、現有人材の実情や現場感と大きく乖離した理想的な人材像を描き、現場の社員からするとリアルさを感じられない計画になっていないだろうか。  もちろん、過去から長らく、人材の価値向上に着目し、経営戦略と連動し、現実感のある人材戦略を展開している企業もあるのだが、その割合は限られている。  人事部門もこうした状況を十分理解し、これからより解像度の高い人事・人材戦略を描いていこうとしているが、思った通りには順調に進んでいない。どんな施策づくりでもそうだが、総論賛成、各論反対といった状況に直面しているところも少なくない。人事部門が、より具体的な施策を策定しようとする段階では、各部門での微妙な利害や思惑が異なり、基本的な方針としては賛成だが、個々の施策では反対となって、なかなか前に進まないというケースも散見される。  こうした状況を打開する上での、一つの効果的な施策が、現場のリーダー層を巻き込んだ、ワークショップスタイルの施策展開だ。人事部門が施策の策定において、経営との対話に終始するのではなく、現場のリーダー層とともに現状の認識合わせや人事方針を具体化していく方法である。この方法であれば、現場の事業部門にオーナーシップ感が生じ、部門間での相互理解が高まり、さらには、リアルな現場の実態や実力に基づいた施策展開が可能になってくる。  後継人材の育成、人材ポートフォリオの作成、組織文化の醸成など、人事の施策にはそれなりに時間がかかる。一刻もはやく着手しないと、新しいテクノロジーが次々と生まれ、大きく変化する経営環境についていけなくなってしまう。いまや、人事周辺の特定メンバーだけで、人材戦略を策定することには、限界がある。全社的リソースを巻き込んで人材戦略を策定し、ドライブをかけていく必要がある。 ■■無料Webセミナー情報■■ 「人材戦略ワークショップ」~経営陣・現場リーダーを巻き込み人的資本経営を実現する方法~ 日時 2024年8月29日(木) 10:00〜11:00 受付9:45〜 スピーカー 高柳 公一

明治政府と武士の決意 | その他

明治政府と武士の決意

 AI等、テクノロジーの進化をはじめ、社会の大きな変化に応じ、従来の職業の価値が低下していく可能性について、関心が寄せられている。“将来、なくなる職業ランキング”といった記事さえも、数多く、散見されるようになった。また、数年前から、大手テレビ局の男性アナウンサーの退職が続いている事がニュースにもなっていたが、花形と言われる職業であった、男性アナウンサーであっても、将来は安泰でなく、新たな価値提供の場を求めていかねばならない状況が今、ここで進行している。    外部環境の変化により、今まで、人気ランキングの上位に占めていた職業の価値が低下し、場合によっては、必要性さえもなくなってしまうと言われている事態は、今に始まった事ではなく、過去の時代においても、少なからずあった。その典型的なものは、明治維新後の“武士の廃業”がある。明治になって、封建制度の崩壊と共に、武士の俸禄はどんどん削減されていった。 さらには、“数年分の俸禄を支払うので、武士をやめなさい”という、今でいう早期退職制度のようなものさえ導入され、そうした状況の中で、武士たちは、明治政府に抵抗を示しながら、止むを得ず、新しいキャリアを模索していった。    そうした武士たちの、主たる“転職先”は、官僚や軍人への転身だった。明治政府は、多数の旧武士を官僚や軍隊として受け入れたが、基本的に、能力の高い人を雇うという方針を持っていた。というか、能力の高い人材、実力がある人材しか、雇えなかった。明治政府は、人材も金もない中で、欧米列強と向き合いながら、早急に統治機能高めるためには、古い体制の継続を声高に主張するような人材や、家柄がよかろうとも、仕事のできない人材までを抱えていく意図も余裕もなかった。身分・家柄を問わず実力のある人材を優先的に登用していくしかなかった。    一方、官僚や軍人として、登用されなかった武士たちは、新たな世界へと転身した。その一つは、教育者だった。武士は、読み書きや武道など、多くの知識や技能を持っていたため、教師や道場の指導者になった。今まで身に着けてきた知識やスキルが活用できる他の職種を選んだケースだ。これは、社会が変化する前から、自身で高い教養やスキルを保有していて、それを活かしたキャリアチェンジを行ったケースと言える。明治以上に、目の前で活用されるテクノロジーや知識が、すぐに陳腐化する現代においては、日頃から、専門的領域より、自然科学のような、より広範でベーシックな教養や知識、技術を高めておくことは、より重要な事なのかもしれない。    また、明治時代になると、日本は急速に近代化、工業化が進み、新しい経済機会を求めて、商工業における事業を始める者もいた。今風に言えば、新たに生まれた産業やベンチャー企業で、大きな可能性を求めて、起業をするケースだ。今まで生きてきた中でのなじみのある世界で、生きていくより、いっそ、この機に、新しい世界に飛び込んで、大暴れしてやろう!意気込み、優れた起業家や事業化として、その後の日本社会に貢献した元武士たちも、少なからずいたことだろう。    以上、明治維新における武士の対応は、①新しい時代に即した従来と同様の職種でのバージョンアップ(官僚や軍人への転身)、②自身の保有する能力・スキルの提供者(教育者)、③新時代に生まれた産業、職業へのチャレンジ(新規事業家)という道を選んでいった。明治維新をきっかけとして、武士たちは、本当に目指すべき自身の生き方やキャリアを見つめなおし、新たな道に進んで行ったことで、結果として、強制的ともいえる日本の労働力のシャッフルが行われ、結果、人材の最適配置が進んだ事は、その後、明治日本の躍進の原動力の一つであったことは間違いないであろう。    また、明治政府が、過去のしがらみや温情ではなく、高い能力を持つ人材を官僚や武士として採用することで、その後の欧米列強からの侵略を防げたことを思うに、企業が、これからの時代に求める能力やスキルを明確に再定義し、実力主義の登用を今まで以上に促進することができるか否かが、これからの日本社会の行く末を決めることになるだろう。日経平均株価が、高値を更新し、失われた30年から脱却し、ようやく新しいステージが見え始めた日本経済が、このまま成長軌道に乗っていけるのか、企業にとっても、人材にとっても、このチャレンジは避けられないものだ。  

組織の健全な血液循環を | その他

組織の健全な血液循環を

 年末年始の休暇の間に、昨年起こった様々な出来事を振り返ってみた。一番、印象深かかったのは、複数の権威ある企業や組織において、長い間、黙認されていた、過去から続く大きな問題が表面化したという事だ。中古車販売会社しかり、政党派閥しかり、人気劇団しかり・・。それぞれ、詳細な真偽はわからぬが、長年の実績が積み上げられて、権威ある組織ほど、周囲が忖度をしてしまうのか、物事が大きくなる前に気づき、自浄する機能が働かなかった。  周囲が忖度して、その問題を肯定、ないしはスルーしてしまう。トップはそれを良しとして、見て見ぬふりして、現状を正当化する。むしろ、都合の悪い事には、目をつむるばかりか、積極的に、蓋をしてしまう事で、ますまず気づかれにくくなり、組織の中にある問題はさらに深刻化していく・・。昨年だけでもあれだけ、多くの組織で表面化したのだから、こうした事態は、特定の業種・業界に問わず、どこの組織でも、起こりうる事だと考えておいたほうがよい。  最近になって、過去から続くこうした行いが、表面化し、問題として認識されるようになってきた背景の一つには、インターネット社会が進行する中で、問題と思われる事実が、一個人から拡散しうるようになったという事があると言われている。いまや、誰でもXやYouTubeで様々な情報を、不特定多数に向けて発信できる時代であり、だれでも、社会に対して、それをリークし、問題提起させることができる。  そういう意味では、組織内部で大きな問題が堆積し、深刻化する前に、迅速にそれがオープンになり、早々に手が打てるような気がするかもしれないが…事はそう単純ではない。発信する側も、発信した際の影響を考えてしまい、慎重になってしまう傾向はあるだろう。 組織の中に、何かあれば、それをオープンにしてもよいという雰囲気がない、と、なかなか、逡巡して、意見や情報を発信することに踏み切れない。そういう組織の中の空気が、問題が表面化することに、無言のブレーキをかけてきた事も否めない。  多くの企業でも、組織内の問題について、報告する通報窓口などを設置しているが、実際にそれが機能するのは、限られた場合であり、多くの問題が、水面下でくすぶっていることも少なくない。形式的には、通報窓口があるので、どうぞ、なんでも報告してくださいと、しているが、実際には、組織の各所でパワハラが行われていても、そうした通報がなされるのは、かなり限定的であるのが、多くの企業の実態とも言える。  結局のところ、そうした情報は受け身で待つのではなく、組織として、積極的に取りに行かねばならないという事だ。再起には、そうした認識に立つ経営者が増えてきているのか、率先して、見えていない、聞こえてこない組織の問題を取りに行こうという声が大きくなっていて、エンゲージメントサーベイや多面評価(360度診断)の実施について、トップ自ら、相談に来られる企業も少なくない。  サーベイの実施の際に、我々のような外部組織を使う事で、言いにくい事もストレートに 情報が上がってくることを期待する企業も多い。日本人的な文化なのだろうか、社内のサーベイだと、なかなか、情報の出どころを特定されて、堂々と話せない社員も少なくないのかも知れない。  国内外で、人的資本経営の重要性が強く叫ばれる中で、組織の健全な状態を維持・向上していく事は不可欠であり、通報され次第、対応するというような受動的な対応では手遅れで、自ら、組織の内部で起こっている事や状況を積極的に把握し、問題があれば、即、その芽を摘み取り、いつでも、組織の状態を健全なレベルにキープしていこうとする風通しのよい組織目指す経営者が徐々に増えてきていることは間違いない。  トップダウンの指令だけで、各部門が機能させていると、現場に問題があったり、疲弊したりしていても、気づかない。ヒトの動脈と静脈の関係のように、経営層から各社員へ、社員から経営層へ、双方向でコミュニケーションさせる仕組みを持つことが、組織の健全化、活性化にむけて不可欠な時代だ。

理想と現実の見極め | 人事制度設計

理想と現実の見極め

 近年の人事制度設計の大きなトレンドの一つに、役割や組織への貢献度に応じた処遇を行う役割型制度への移行がある。部長や課長など、組織階層のポストの格付けに合わせて、一定の階差をつけた給与水準を設定する事などが役割型の人事制度に沿った制度構造である。  いままで、課長を担っていた人材が、部長に任用されることになれば、その役割の重さに応じて、等級が格上げされ、処遇もそれに応じて上がるという事や、逆に、高い役割を担わなければ、それに応じた処遇に留まるという事は、どんな役割を担っていても、年功的に処遇が上がっていくような仕組みにくらべて、人件費コントロールの観点からも望ましく、こうした役割型人事制度のコンセプトは、合理的なものであり、多くの企業で受け入れられ、導入されてきた。  そういう意味で、うまく機能するはずと考えて導入された役割型人事制度ではあるが、実際に導入していく中で、いくつかの不都合な現実に直面することがある。  その一つに、一度、任用した役職者をポストから外せないという事である。より重い役割のポストに任用し、処遇も上げる事は、さほど難しくないが、ひとたび、任に就いている部課長をその任から解き、非管理職のプレーヤーとしての処遇に下げるポストオフ人事を抵抗なく行える企業は、日本企業の中では、かなり少数に留まるだろう。実際、役割型制度を導入したものの、高い役割発揮を期待される若手の管理職候補を、既に任用している部課長をポストオフして、入れ替えることができないで苦慮している場面をあちこちで見かける。  日本で役割型制度を導入している企業の多くで、ポストオフが容易にできない背景には、与えられた役割の変化により、今まで支持を出していた上席者を、一転、部下として指示を受ける立場に切り替えることを容易に受け入れられない“文化”がある。年長者や先輩を敬う文化、あるいは、“かわいそう”の文化は、我々の心の中に、根強く染み込んでいるという事だ。日本人は、みな、心情的にドライになれない国民なのだ。  そういう事情を勘案して、役職定年制度を導入している企業は相当数、存在する。役職定年制度は、本来、年齢軸で、ポストオフの判断をする制度なので、ポストの役割に見合った人材をそのポストに任用し、役割に応じた貢献を担えるかどうかで、処遇を判断する役割型人事制度とは思想的には、合致しないが、役割を担えなくなった人材をポストオフするには、年齢という方便を使い、“合理的な制度”と“根強く浸透する文化”との折り合いをつけようとしていると言ってもよいだろう。  この一つの事象から見えてくるのは、グローバル化の中で、人材が流動化し、優秀な人材の維持、獲得のために、企業は、ジョブ型的な雇用や、役割や貢献度に応じた処遇制度への転換を図ろうとしつつも、長年、浸みついた日本固有の文化や国民性が、その理屈通りの運用を阻んでいるという構図である。  世の中の流れは、逆流することはないので、日本において、人材の流動化や役割に見合った処遇への移行は進んでいくだろうが、その流れに応じた我々の意識の変革や心情の切り替えには、一定の時間が必要な事を認識する必要があるだろう。経営戦略に応じて人事制度の見直しは当然、進めていかねばならないが、その際に、そこで働く我々の意識変革のスピードに配慮していくことが、新しい制度を浸透、定着にむけて大変、重要な事項であることを忘れてはならない。

スマホレジ的DX | モチベーションサーベイ

スマホレジ的DX

 1年ほど前に、オフィス前にあるコンビニでセルフレジのシステムが導入された。 以来、そのコンビニでは、棚から商品を取って、バーコードを自分のスマホのアプリで読み込み、そのまま精算し、レジに並ぶことなく、誰とも会話する事なく店を出ている。ファミリーレストラン等でも、テーブルに設置されているタブレット端末の画面メニューを見ながら、注文をするようなシステムが導入されているが、コンビニのセルフレジは、商品を取って、代金の精算するまで、店舗のスタッフとは、まったくコンタクトせず取引が完了するので、その先を行っている。店側は、人件費削減になるし、顧客側もレジの列に並ばなくてよいし、まさに、デジタルトランスフォーメーションの代表的な例だ。  デジタルトランスフォーメーションでは、一般に、プロセスの自動化やデータ分析、クラウド移行、IOT導入など、デジタル技術の活用が前提になるが、それと組み合わせて、業務や取引プロセスを変更することで、ビジネスモデルの進化がなされる。先ほどのスマホレジの場合も、商品の代金決裁の機能の主体者を提供者からユーザーに移管させた訳である。  当社で提供している社員意識調査においても同様の効用を感じる例がある。 社員意識調査の質問項目別のポイント集計は、サーベイ対象者全員と共に、年齢別、男女別、部門別、役職別、等級別、職種別といった属性ごとのポイント集計を行っている。そうする事で、例えば、ある質問項目に対する全社員の満足度は、比較的高い結果がでているが、年齢別でみると30代、40代の社員に比べて、20代の社員が極めて低いという事がわかる。  では20代の社員だけなぜ満足度が低いのかを検討する中で、今度は、20代の特定の部門に所属している社員が他の部門と比べて低いことがわかれば、20代のなかで、特定の部門に所属している社員にターゲットを絞って固有の理由を考えればよいことになる。  こうして、年齢別X性別、年齢別X部門別、年齢別X等級別、等、様々な属性を掛け合わせて見る事で、ピンポイントの状況が把握できるので、結果として、その理由も推察しやすくなるし、対策も打ちやすくなる。当社の提供する社員意識調査では、当社で、全社のポイント集計と共に属性別のポイント集計、および、結果に対して想定される原因や想定されるソリューションを一通り提示するが、それに加えて、2つの属性の掛け合わせの集計に関しては、簡易的なダッシュボードツールも提供して、クライアントが、20代の男性、40代の課長など設定された属性の中から、ツール上で自由に選択し、その集計結果が把握できるようにしている。  こうした属性X属性の集計は、必ずしも、すべての組み合わせでやることは有効ではないし、まずは、単独の属性別での集計結果の中で、着目すべき結果に対して、原因を考察し、特定の属性X属性というクロス集計を見てみようという流れになるので、サーベイの提供者である我々が、あらかじめ一定の仮説のもとでクロス集計を行うよりも、ユーザーとしてのクライアント企業の方で、提供したダッシュボードツールを自由に使いながら、考察する方がより効果的で本質的な問題把握が可能になると考えている。  こうした機能の主体者を移管させる事が有効となる可能性は、企業内の人事部と社員の間でも十分ありうる事だろう。人事評価の過去の履歴や分布情報なども、人事が抱え込んで、分析をしようとしても、なかなかやりきれないのであれば、一定以上の管理職にデータを提供し、人事評価を行う前に、過去データを分析することで、より評価品質が向上したり、評価対象者に対する効果的な育成ポイントが見えてきたりするかもしれない。

内部公平性という呪縛 | 人事制度

内部公平性という呪縛

 人的資本経営の重要性の認識が高まる中で、人事制度の見直しに着手する企業が増えている。人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、企業価値向上につなげる経営のあり方だ。具体的には、企業理念・経営戦略を実現するための人材価値や人材像が言語化され、事業戦略・経営計画と合致した視点や時間軸で目指すべき人材ポートフォリオが明確にされ、その姿を目指して、要員計画・人件費計画や、採用、配置、育成などの各人事機能別方針・施策が統合的に展開されるアプローチと言えるだろう。 経営理念や経営戦略と連動した明快な人事戦略の下で、人事マネジメントを行っていく事であり、当然、人事制度もその方針に合致したものとなる。  この人的資本経営という概念を大きく否定する人はあまりいないが、実際の人事制度の設計プロセスにおいて、スムーズに事が決められていくかと言えば、実際はそうならない。「多様な働き方へ対応するために地域限定の総合職を導入するか?」「優秀なITエンジニアを中途採用で採用可能にするために、他の部門よりIT部門の給与水準を上げるか?」こうした問いに対する判断の論点は、外部競争力を優先させて、世代間や部門間の公平性を犠牲にすることを許容するかどうかにかかってくるが、同一企業の経営層や人事部内でも意見は様々で、共通の人事ポリシーや判断軸を持ち合わせている企業は多くない。  管理職役職定年の是非、定年延長やシニア世代の処遇の在り方等、多様な人材の柔軟な働き方を許容していくトレンドが進む中で、こうした従前からの人事制度上の検討事項が、改めて着目され、見直しを迫られている状況だが、制度見直しをすれば、既存社員の特定の誰かにしわ寄せがきて、不利益や不満が発生する事を恐れ、容易に意思決定に至らない。本来、こうした見直しの判断の拠り所も、企業の人事戦略で謳われた方針であるはずだが、社内の内部公平性を重視する日本的マネジメントの足枷は、思いのほか強く、様々な人材セグメントが持つ既得権益を否定するまでには至らず、議論が長引く事が少なくない。  結局のところ、人材や働き方の多様性を受け入れていく中で、それぞれの立場で、既得権益を持つ既存社員も含めて、一律的な公平性を追求していけば、当然ながら、どこかで袋小路にぶつかる。どこかでゲームのルールを変えていかざるを得ない。  内部公平性は、人事制度設計において、外部との競争力の強化と共に主要な視点であり、社内の多様な人材を公平に扱うという考えは尊重すべきものだが、それぞれの人材セグメント上で発生した既得権益を温存しがちな、従来からの日本的社内公平性の概念からの転換が必要だ。  例えば、リスキリングやキャリア形成支援等、各人材セグメントに即した最適なキャリア成長の支援を、公平に提供していく事を前面に出していく等、人的資本経営時代にふさわしい新しい公平性の在り方を社内外に提示し、粘り強く、内部公正性という意味合いの転換の必要性に理解を求めていく事が、それぞれの企業文化や経営戦略に即した人的資本経営を具現化していくうえで、カギとなっていくだろう。

リスキリングへの第一歩 | 人材開発

リスキリングへの第一歩

 VUCAの時代と言われ、将来の予測が難しい世の中とは言っても、デジタルトランスフォーメーション(DX)が、社会の発展や企業の成長のエンジンとなっていく事は、かなり確かな事だろう。新しい情報技術を活用し、現在のビジネスモデルを発展的に解体し、より優れたものに再構築できれば、社会や企業が創出する価値が大きく増大することは疑う余地はない。だからこそ、世界中の国や企業が、こぞってデジタル社会に適合した事業改革に取り組んでいるが、その取り組みの最大の障壁が、それを推進する「人材」であり、いかに現有人材をDXに適合する高付加価値人材へと「リスキリング」するかが、企業の人事施策の優先的な課題となっている。  2020年のダボス会議では、2030年までに世界の10億人により良い教育、スキル、仕事を提供するというイニシアチブが発表され、諸外国の政府や企業も、デジタル化社会にむけ、具体的なリスキリング施策を進めている。シンガポールでは、2015年からスキルズフューチャー運動と言う政府のスキル獲得の制度が始まり、25歳以上の全ての国民に最大1500シンガポールドル(約15万円)の資金枠を与え、2万4千以上の様々な講座で使えるようにした。また、アマゾン社では、倉庫作業者(非技術職)人材を技術職に移行させる「アマゾン・テクニカル・アカデミー」などを行い、2025年までに米アマゾンの社員10万人(一人当たり投資額約75万円)をリスキリングすると発表した。  日本企業でも、リスキリング施策を進めている話は聞くが、限られた大手企業にとどまっているのが実情だ。大半の企業で、思うようにリスキリングが進んでいない背景にはいくつかの理由がある。日本企業において今まで、社員のスキルアップの中心的な機会は、OJTと言われて来たが、従来のビジネスモデルを変革させるためのスキルを、そもそもOJTで獲得しようとする事は難しい。従来の職場から離れて、それなりの投資を伴うリスキリング施策をおこなう必要があるが、そうした施策の実行に踏み込めていない。  また、IT人材がSI企業などに集中するという我が国の労働市場の特徴的構造も大きい。日本では、多くのITスキルを持つ人材が、外注先のITベンダーに多く存在し、社内にITスキルを持つ人材が圧倒的に少ないことから、自社の事業をよくわかりつつ、どのようなデジタルスキルを融合させる事が有効であるかを、検討する社内の人的リソースが足りないため、リスキリングを始めるにもその勘所がつかめないでいる。  また、社員個人にとっても、デジタル社会に向けて、自らをスキルアップしようにも、どのようなスキルを習得すれば、どのような職種・仕事に就けるのかがわからず、何に取り組めばよいか、わからないという状況もある。リスキリングを推進するためには、こうしたそれぞれの課題に対して、取り組んでいかねばならないが、まず、優先的に行うべきは、何よりも経営層がリスキリングの重要性を高く認識する事だろう。自動車産業をはじめ、あと10年先には、既存のビジネスモデルでの事業の多くが、競争力を失ってしまう事を現実と捉え、将来の継続的な企業成長のためには、リスキリングによる自社の人的資本のレベルアップ自体が、優位性の大きな源泉となる事を何よりも理解する事が重要だ。  最初から、正解を求めることは難しいが、デジタル化社会の中で、経営戦略実現のためにどんな業務領域で、誰に対して、どんなリスキリングが必要なのか、経営層が自ら検討し、短期的な利益を犠牲にしてでも、トライアンドエラーを直ぐにでも始めて行かなければならないタイミングにある。