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高柳 公一

TAKAYANAGI KOHICHI

代表取締役 CEO
シニアパートナー

PROFILE

一橋大学商学部卒業。米国ジョージワシントン大学経営大学院修了。
プライスウォーターハウスコンサルタント社に入社し、国内外の大手企業に対して、人材開発、業務改善、IT戦略立案等のコンサルティングプロジェクトに関与。
その後、トーマツコンサルティング株式会社にて、多くの組織・人事に関するコンサルティングを行った後、当社、取締役シニアパートナーを経て現職。人事分析、人事制度設計、他幅広い分野の人事コンサルティングに多数関与。

人事の進化に貢献したい
代表取締役シニアパートナー

企業経営をする上での資源として、ヒト、モノ、カネ、情報が挙げられますが、モノ、カネ、情報は、ヒトが上手に扱ってこそ、活かされるものであり、企業経営は、結局は、ヒトをどう活かしていくかに、かかっています。

RPA、クラウド、AI等、様々な先進テクノロジーが、企業戦略や企業経営に大きな影響を与えている時代ですが、その一方で、国内外の多くの企業において、ヒト(人的資本)を成長の主要な源泉である事を改めて認識し、人的資本の価値向上にむけて、今まで以上に、真剣な取り組みを始めています。今後、こうした動きはさらに高まり続けていくでしょう。

私たち、トランストラクチャは、創業以来、一貫して、企業人事の構造的・定量的アプローチに取り組んできました。定性的に議論され、あいまいな情報の中で、手探りで意思決定をするのではなく、事実情報や定量的な情報により人事を見える化する事、目指すべきゴールを見据えながら、そこで働く社員の方々の想いや実情を踏まえた、現実的なソリューションを見出す事等 経営層の方々に伴走しながら、幅広いサービスラインナップで、人事を進化させ、人材価値の向上と豊かな社会の実現に貢献していきます。

メディア・講演等

media

  • トランストラクチャの
    「人事アナリシスレポートR」
    週刊東洋経済 (6424号)
    /東洋経済新報社 (2012.10)

執筆コラム

books

明治政府と武士の決意 | その他

明治政府と武士の決意

 AI等、テクノロジーの進化をはじめ、社会の大きな変化に応じ、従来の職業の価値が低下していく可能性について、関心が寄せられている。“将来、なくなる職業ランキング”といった記事さえも、数多く、散見されるようになった。また、数年前から、大手テレビ局の男性アナウンサーの退職が続いている事がニュースにもなっていたが、花形と言われる職業であった、男性アナウンサーであっても、将来は安泰でなく、新たな価値提供の場を求めていかねばならない状況が今、ここで進行している。    外部環境の変化により、今まで、人気ランキングの上位に占めていた職業の価値が低下し、場合によっては、必要性さえもなくなってしまうと言われている事態は、今に始まった事ではなく、過去の時代においても、少なからずあった。その典型的なものは、明治維新後の“武士の廃業”がある。明治になって、封建制度の崩壊と共に、武士の俸禄はどんどん削減されていった。 さらには、“数年分の俸禄を支払うので、武士をやめなさい”という、今でいう早期退職制度のようなものさえ導入され、そうした状況の中で、武士たちは、明治政府に抵抗を示しながら、止むを得ず、新しいキャリアを模索していった。    そうした武士たちの、主たる“転職先”は、官僚や軍人への転身だった。明治政府は、多数の旧武士を官僚や軍隊として受け入れたが、基本的に、能力の高い人を雇うという方針を持っていた。というか、能力の高い人材、実力がある人材しか、雇えなかった。明治政府は、人材も金もない中で、欧米列強と向き合いながら、早急に統治機能高めるためには、古い体制の継続を声高に主張するような人材や、家柄がよかろうとも、仕事のできない人材までを抱えていく意図も余裕もなかった。身分・家柄を問わず実力のある人材を優先的に登用していくしかなかった。    一方、官僚や軍人として、登用されなかった武士たちは、新たな世界へと転身した。その一つは、教育者だった。武士は、読み書きや武道など、多くの知識や技能を持っていたため、教師や道場の指導者になった。今まで身に着けてきた知識やスキルが活用できる他の職種を選んだケースだ。これは、社会が変化する前から、自身で高い教養やスキルを保有していて、それを活かしたキャリアチェンジを行ったケースと言える。明治以上に、目の前で活用されるテクノロジーや知識が、すぐに陳腐化する現代においては、日頃から、専門的領域より、自然科学のような、より広範でベーシックな教養や知識、技術を高めておくことは、より重要な事なのかもしれない。    また、明治時代になると、日本は急速に近代化、工業化が進み、新しい経済機会を求めて、商工業における事業を始める者もいた。今風に言えば、新たに生まれた産業やベンチャー企業で、大きな可能性を求めて、起業をするケースだ。今まで生きてきた中でのなじみのある世界で、生きていくより、いっそ、この機に、新しい世界に飛び込んで、大暴れしてやろう!意気込み、優れた起業家や事業化として、その後の日本社会に貢献した元武士たちも、少なからずいたことだろう。    以上、明治維新における武士の対応は、①新しい時代に即した従来と同様の職種でのバージョンアップ(官僚や軍人への転身)、②自身の保有する能力・スキルの提供者(教育者)、③新時代に生まれた産業、職業へのチャレンジ(新規事業家)という道を選んでいった。明治維新をきっかけとして、武士たちは、本当に目指すべき自身の生き方やキャリアを見つめなおし、新たな道に進んで行ったことで、結果として、強制的ともいえる日本の労働力のシャッフルが行われ、結果、人材の最適配置が進んだ事は、その後、明治日本の躍進の原動力の一つであったことは間違いないであろう。    また、明治政府が、過去のしがらみや温情ではなく、高い能力を持つ人材を官僚や武士として採用することで、その後の欧米列強からの侵略を防げたことを思うに、企業が、これからの時代に求める能力やスキルを明確に再定義し、実力主義の登用を今まで以上に促進することができるか否かが、これからの日本社会の行く末を決めることになるだろう。日経平均株価が、高値を更新し、失われた30年から脱却し、ようやく新しいステージが見え始めた日本経済が、このまま成長軌道に乗っていけるのか、企業にとっても、人材にとっても、このチャレンジは避けられないものだ。  

組織の健全な血液循環を | その他

組織の健全な血液循環を

 年末年始の休暇の間に、昨年起こった様々な出来事を振り返ってみた。一番、印象深かかったのは、複数の権威ある企業や組織において、長い間、黙認されていた、過去から続く大きな問題が表面化したという事だ。中古車販売会社しかり、政党派閥しかり、人気劇団しかり・・。それぞれ、詳細な真偽はわからぬが、長年の実績が積み上げられて、権威ある組織ほど、周囲が忖度をしてしまうのか、物事が大きくなる前に気づき、自浄する機能が働かなかった。  周囲が忖度して、その問題を肯定、ないしはスルーしてしまう。トップはそれを良しとして、見て見ぬふりして、現状を正当化する。むしろ、都合の悪い事には、目をつむるばかりか、積極的に、蓋をしてしまう事で、ますまず気づかれにくくなり、組織の中にある問題はさらに深刻化していく・・。昨年だけでもあれだけ、多くの組織で表面化したのだから、こうした事態は、特定の業種・業界に問わず、どこの組織でも、起こりうる事だと考えておいたほうがよい。  最近になって、過去から続くこうした行いが、表面化し、問題として認識されるようになってきた背景の一つには、インターネット社会が進行する中で、問題と思われる事実が、一個人から拡散しうるようになったという事があると言われている。いまや、誰でもXやYouTubeで様々な情報を、不特定多数に向けて発信できる時代であり、だれでも、社会に対して、それをリークし、問題提起させることができる。  そういう意味では、組織内部で大きな問題が堆積し、深刻化する前に、迅速にそれがオープンになり、早々に手が打てるような気がするかもしれないが…事はそう単純ではない。発信する側も、発信した際の影響を考えてしまい、慎重になってしまう傾向はあるだろう。 組織の中に、何かあれば、それをオープンにしてもよいという雰囲気がない、と、なかなか、逡巡して、意見や情報を発信することに踏み切れない。そういう組織の中の空気が、問題が表面化することに、無言のブレーキをかけてきた事も否めない。  多くの企業でも、組織内の問題について、報告する通報窓口などを設置しているが、実際にそれが機能するのは、限られた場合であり、多くの問題が、水面下でくすぶっていることも少なくない。形式的には、通報窓口があるので、どうぞ、なんでも報告してくださいと、しているが、実際には、組織の各所でパワハラが行われていても、そうした通報がなされるのは、かなり限定的であるのが、多くの企業の実態とも言える。  結局のところ、そうした情報は受け身で待つのではなく、組織として、積極的に取りに行かねばならないという事だ。再起には、そうした認識に立つ経営者が増えてきているのか、率先して、見えていない、聞こえてこない組織の問題を取りに行こうという声が大きくなっていて、エンゲージメントサーベイや多面評価(360度診断)の実施について、トップ自ら、相談に来られる企業も少なくない。  サーベイの実施の際に、我々のような外部組織を使う事で、言いにくい事もストレートに 情報が上がってくることを期待する企業も多い。日本人的な文化なのだろうか、社内のサーベイだと、なかなか、情報の出どころを特定されて、堂々と話せない社員も少なくないのかも知れない。  国内外で、人的資本経営の重要性が強く叫ばれる中で、組織の健全な状態を維持・向上していく事は不可欠であり、通報され次第、対応するというような受動的な対応では手遅れで、自ら、組織の内部で起こっている事や状況を積極的に把握し、問題があれば、即、その芽を摘み取り、いつでも、組織の状態を健全なレベルにキープしていこうとする風通しのよい組織目指す経営者が徐々に増えてきていることは間違いない。  トップダウンの指令だけで、各部門が機能させていると、現場に問題があったり、疲弊したりしていても、気づかない。ヒトの動脈と静脈の関係のように、経営層から各社員へ、社員から経営層へ、双方向でコミュニケーションさせる仕組みを持つことが、組織の健全化、活性化にむけて不可欠な時代だ。

理想と現実の見極め | 人事制度設計

理想と現実の見極め

 近年の人事制度設計の大きなトレンドの一つに、役割や組織への貢献度に応じた処遇を行う役割型制度への移行がある。部長や課長など、組織階層のポストの格付けに合わせて、一定の階差をつけた給与水準を設定する事などが役割型の人事制度に沿った制度構造である。  いままで、課長を担っていた人材が、部長に任用されることになれば、その役割の重さに応じて、等級が格上げされ、処遇もそれに応じて上がるという事や、逆に、高い役割を担わなければ、それに応じた処遇に留まるという事は、どんな役割を担っていても、年功的に処遇が上がっていくような仕組みにくらべて、人件費コントロールの観点からも望ましく、こうした役割型人事制度のコンセプトは、合理的なものであり、多くの企業で受け入れられ、導入されてきた。  そういう意味で、うまく機能するはずと考えて導入された役割型人事制度ではあるが、実際に導入していく中で、いくつかの不都合な現実に直面することがある。  その一つに、一度、任用した役職者をポストから外せないという事である。より重い役割のポストに任用し、処遇も上げる事は、さほど難しくないが、ひとたび、任に就いている部課長をその任から解き、非管理職のプレーヤーとしての処遇に下げるポストオフ人事を抵抗なく行える企業は、日本企業の中では、かなり少数に留まるだろう。実際、役割型制度を導入したものの、高い役割発揮を期待される若手の管理職候補を、既に任用している部課長をポストオフして、入れ替えることができないで苦慮している場面をあちこちで見かける。  日本で役割型制度を導入している企業の多くで、ポストオフが容易にできない背景には、与えられた役割の変化により、今まで支持を出していた上席者を、一転、部下として指示を受ける立場に切り替えることを容易に受け入れられない“文化”がある。年長者や先輩を敬う文化、あるいは、“かわいそう”の文化は、我々の心の中に、根強く染み込んでいるという事だ。日本人は、みな、心情的にドライになれない国民なのだ。  そういう事情を勘案して、役職定年制度を導入している企業は相当数、存在する。役職定年制度は、本来、年齢軸で、ポストオフの判断をする制度なので、ポストの役割に見合った人材をそのポストに任用し、役割に応じた貢献を担えるかどうかで、処遇を判断する役割型人事制度とは思想的には、合致しないが、役割を担えなくなった人材をポストオフするには、年齢という方便を使い、“合理的な制度”と“根強く浸透する文化”との折り合いをつけようとしていると言ってもよいだろう。  この一つの事象から見えてくるのは、グローバル化の中で、人材が流動化し、優秀な人材の維持、獲得のために、企業は、ジョブ型的な雇用や、役割や貢献度に応じた処遇制度への転換を図ろうとしつつも、長年、浸みついた日本固有の文化や国民性が、その理屈通りの運用を阻んでいるという構図である。  世の中の流れは、逆流することはないので、日本において、人材の流動化や役割に見合った処遇への移行は進んでいくだろうが、その流れに応じた我々の意識の変革や心情の切り替えには、一定の時間が必要な事を認識する必要があるだろう。経営戦略に応じて人事制度の見直しは当然、進めていかねばならないが、その際に、そこで働く我々の意識変革のスピードに配慮していくことが、新しい制度を浸透、定着にむけて大変、重要な事項であることを忘れてはならない。