「モチベーションサーベイ 」の記事一覧(2 ページ目)|コラム|株式会社トランストラクチャ

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エンゲージメント向上 ~会社と従業員が離婚しないために~ | モチベーションサーベイ

エンゲージメント向上 ~会社と従業員が離婚しないために~

 「エンゲージメントの向上」に注目している企業が多いようです。エンゲージメントが向上すると企業経営にプラスの影響をもたらすと言われ、関心が寄せられています。  そもそも「エンゲージメント」とは何か。「エンゲージリング」という言葉には馴染みがありますが、これはいわゆる婚約指輪です。この場合、結婚の約束の意味で用いられています。それでは企業活動においてはどうでしょうか。会社と従業員の関係で言えば、会社は、この人はどういう人なのかを知り、一緒に仕事したいと思えるかを考えます。従業員は、就職活動の際には企業研究をし、自分が生き生きと働くことができるかどうかを検討します。それらがマッチングした時に入社が決まり、会社と従業員は結ばれ、苦楽をともにすることになります。入社は「結婚」と言ってもいいかもしれません。  ただ、残念なことに、離婚ということもあります。有名人が離婚した際の報道で「価値観の違いが原因だった」と報道されることがよくあります。結婚生活がうまくいくか、いかないかは夫婦が歩み寄り、互いの価値観を理解し、同じ方向を向いて一緒に人生を進んでいけるか否かという点が重要なのです。  これが企業と従業員の関係でも当てはまります。従業員が会社のビジョンに共感し、それに向かって組織と従業員が一体となってお互いに成長し、貢献しあえる関係、まさにこれがエンゲージメントの根幹と言えます。  組織から一方的に貢献、成長を求め、そのための機会を与えるだけでなく、従業員からも貢献したい、成長したいという意欲を見せる、つまり双方向の関係を見つめる必要があるのです。この関係性がうまく機能するときに、従業員は意欲的に生き生きと仕事に邁進し、仲間や会社に深く思い入れを持つようになるのです。  エンゲージメントが向上すると「従業員が辞めない」「生産性向上」「自らが積極的に働く」結果、業績が向上すると言われています。採用関連でも、エンゲージメントの高い組織では、たとえその会社を退職しても、退職者が転職クチコミサイトにネガティブな投稿することは、エンゲージメントが低い組織に比べて少なくなると予想されます。また、注目されているリファラル採用も、従業員が会社に対して貢献意欲があれば「この人は会社にとって力になる」と思うような人材を推薦してくれるでしょう。    このようにエンゲージメント向上は企業にとって、とても重要な観点です。注目されているのも大いに頷けます。しかし、エンゲージメント向上だけに着目していればいいわけではありません。 弊社のH Rデータ解説「労働者の就労に対する意識(年齢階層別)~時代で変わる「働く目的」、やはりお金が一番?~」 https://www.transtructure.com/hrdata/20210316/ にもあるように、労働者の大半が「お金を得るため(=金銭的報酬)」に働いているのが現実です。「給与はいらないので働かせてください!」なんて言う人はおそらく存在しないでしょう。いくら働きがいを感じ、働くことが楽しい状態であっても、給与を切り離すことはできません。エンゲージメント向上と同時に、適正な給与や福利厚生、職場環境等、組織から与えるものについても綿密に検討し、従業員を幸せにする手立てを考えることで、企業と従業員は結びつきを強め、互いの成長が図れるのではないでしょうか。

働き者と改革の不一致 | モチベーションサーベイ

働き者と改革の不一致

 「何でそんなに働くの?」と知人(男性)に聞いてみた。 「いやぁ、仕方ないよね」と彼は言う。しかしその表情は誇らしげにも見えた。  彼は企業に勤める会社員で、新入社員の頃からとにかく仕事にほとんどの時間を費やしており、中堅になった今でもその姿勢は変わらない。特に悲壮感が漂っているわけではなく、むしろ、仕事に人生を費やしている自分に誇りを持ち、楽しそうにさえ見える。まさに「働き者」だ。  働き方改革という言葉が浸透して久しいが、彼にとっては改革なんて何のそのといった風情だ。彼の会社も、働き方改革に関する何らかの施策は講じているはずである。「それなのになぜ?」と思うほど働いている彼をきっかけに考えると、そこには施策と労働者個人の噛み合わなさがあるのである。  そもそも働き方改革は、人口減少に伴う労働力不足を解消するために始まった。  先の働き者の知人の話で大きく関連するのは、長時間労働の是正であろう。 筆者の知る企業で取り組まれているこの課題の改善施策としては、ノー残業デーの導入、業務の精査からパート・アルバイトの方に可能な限り広い業務を担ってもらう、年次有給休暇の計画的付与、作業管理の徹底などがある。他にも、徹底した例だと決まった時間になるとパソコンが強制シャットダウンされるといったものもある。  こういった施策によって、長時間労働が改善されたという実例も世の中には多く存在する。しかし、全てが全てうまくいっているわけではない。それは個人の「働き方の価値観」と嚙み合っていないからだと筆者は考える。  日本の戦後高度成長期からバブル時代まで、働けば働いた分だけ見返りがあった時代に「男はとにかく仕事に全てを捧げる」という考え方が存在し、(対になるのはもちろん「女性は家庭を守る」である)そういった働き方をする男性会社員から「モーレツ社員」だとか「企業戦士」などの呼称が生まれた。そして、そういった社員を企業も求めた。 現在男性だけでなく女性も活躍し、プライベートと仕事のバランスを取った働き方が求められるようになった。働き方の価値観は非常に多様になっている。  施策と労働者個人の噛み合わなさとは、働き方改革のための施策の意図と、個人の「働き方の価値観」が一致しない事に起因する。いくら企業で改革のために新しく施策を断行したとしても、その意図と社員の価値観が一致していないと元々想定した通りに変化はしない。  社員はひとりひとり異なる考え、バックボーンを持っている。働き方に関しても同様である。みんながみんな「プライベートと仕事をしっかり両立したい」と考えているわけではないだろう。中には「自分はとにかく仕事に生き、仕事に死にたい」という思いを抱いている人もいる。そういった「とにかく仕事」という価値観や「プライベートを充実させたい」という価値観など、多様な考え方が尊重されるような組織・制度作りを加速させる必要がある。

コロナ後の職場はどう変わる? 対面会議の活用案 | モチベーションサーベイ

コロナ後の職場はどう変わる? 対面会議の活用案

 コロナ渦の収束がいまだ見えぬ中ではあるが、コロナ後の働き方について人事の皆様に伺うことがある。もともとリモートワークが不可能な事業形態の会社は別として、「リモートワークと出社の組み合わせ」のハイブリッド型を志向されているというご返事が多い。原則的に職場復帰を志向しているGoogle社のような企業はむしろ少数派のようだ。  ハイブリッドの働き方を前提とすると、コミュニケーションの方法も、Web会議と対面会議の組み合わせになっていく。その時、何を対面でやり、何をWebでやるかというのは判断が悩ましい。  最後は参加者それぞれの好む方法で、というのが正解だとは思うが、それでは整理がつかないので、対面会議の位置づけを、コストと効果の観点から考えてみよう。  まず、対面コミュニケーションは今や高コストな手段と捉えられるようになった。交通費に時間、体力を使うし、頭髪から服装、匂いまで全身の「身だしなみ」に気を遣う。そうなると、対面会議はコストがかかるのだから、ここぞという場面で行おうという心理が働く。  では何が「ここぞ」という場面になるのか。効果の観点から、「対面」にできて、「Web」ではむずかしいことは何だろうか。  相互に意見を出し合う目的の発散型の会議は対面に一定の優位性があるようだ。オンライン教育の専門家から以前伺った話では、ブレインストーミングなどのクリエイティブなセッションは対面の方が向いているという。  また、情報量の豊かさという点では対面はWebより優位にある。人間は、相手の声のみならず口の動きや顔の表情も含めた複雑な情報を認知している (※)ため、お互いに多くの情報を交換したい場合は対面にした方が良い。  このような特徴を踏まえ、以下のような条件に当てはまるときは対面会議を優先してはどうだろう。   ・互いの関係性がまだそこまで近くないこと   ・テーマに関する意見が定まっておらず、さまざまな情報を交換したい場合  たとえば、初めてのお客様との商談や新しく一緒になった部下とのミーティング。これらは、コストをかけても対面で実施すべき「ここぞ」という場面ではないだろうか。 そして長年のお付き合いのある大切なお客様との定例的なミーティングは、参加の負荷が最小限に抑えられるWebミーティングが合理的ではないだろうか。  筆者は営業として日々いろいろなお客様のお話をお伺いしているが、この1年半、Webでしかお会いできていないお客様も多い。そのようなお客様には、上記の条件に従って、コロナが明けたらぜひ訪問させていただき、さまざまな情報を交換させていただきたいと願っている。 ※田中 章浩,「顔と声による情動の多感覚コミュニケーション」,Cognitive Studies, 18(3), 416-427. (Sep. 2011)

「なくならないパワハラ」 | モチベーションサーベイ

「なくならないパワハラ」

 『2017年10月大手自動車メーカーの車両設計などを担当していた男性社員(当時28歳)が自殺した。上司から「ばか」「死んだ方がいい」などと暴言を浴びせられていたという。 遺族は2019年3月に労災を申請し、認定された。2021年4月に遺族と和解した。』 2021年6月8日付けの日本経済新聞の朝刊の記事の一部だ。  このような事例は今に始まったことではないが、ハラスメントが大きな話題として取り上げられたのは2016年の大手広告代理店での新人女性の過労自殺問題ではないだろうか。この事件は、最終的に社長の辞任にまで至った。近年では、検索エンジン企業やファーストフードチェーンストアなどの米国の大企業でもハラスメントを理由に経営幹部が解任される事例が相次いでいる。国内に目を向けても、いくつかの著名企業でハラスメントが残念な結果を招いている。  厚生労働省によれば、「いじめ・嫌がらせ」の相談件数は、2019年度は約8万8千件。10年で2倍に増加している。なぜ、ハラスメントに関する相談が増加し続けているのか、また中小企業に至っては、なぜ認知度すら低いままなのか。  背景のひとつは、法制化によって相談の垣根が下がったことだろうが、そのほかに、以下のことが考えられる。 ・上司の権限が強く、被害者自身が主張をためらい、取り下げてしまうケースが多いこと。 ・ハラスメントをする側は、上司やハイパフォーマーであるケースが多く、会社におけるポジションも高いので、会社側も処分できないこと。 ・中小企業の場合、社長が自らパワハラを行っている。こうなると、結局は泣き寝入りするか、退職するしかないこと。 ・現在のパワハラ防止法に罰則規制がないこと。やはり、企業や加害者に対しても罰則やペナルティーを科さないと根本的な減少には至らないだろう。  さて、冒頭の大手自動車メーカーが再発防止策の一つとして行ったことで、着目すべきことがある。約1万人の基幹・幹部職に対して、「360度評価」を実施したことである。  今回の事例の場合、被害者の男性が直属の上司から暴言を受けていたことを他の若手社員は知っていた。しかし、幹部は認識していなかった。これにより経営トップへの報告が遅れたのだ。社長は、2019年11月の報道で、初めてこの事件がパワハラと関係していたと知ったという。そこで、360度評価を実施し、水面下に隠れてしまいがちなマネジメントの弱みを、経営がしっかり把握しようとしたのだ。  このように、「360度評価」を継続的に実施することは、ハラスメント事件の発生の一つのアラームにはなり得る。上司からの一方的な人事評価や行動観察では見えなかったことが、周囲(360度)の目から見ることで、明らかになることがある。これが、当事者の気づきにつながる。その事実を今後のマネジメントとしての行動改善に生かすことが最終的に求められる。さらには単なる分析に留まらず、今後の社員の意識改革を促す施策を実施し継続することに意味がある。360度評価は応用の仕方で大きな効果をもたらすのだ。  パワハラは重大な経営問題といっても過言ではない。社員の健康や安全を守れない企業に優秀な人材は集まらないし、発展もない。人を壊してしまう会社に、人はついて来ない。経営者は、パワハラは大きな経営リスクであることの認識を新たにすべきだと思う。パワハラ撲滅のポイントは何かと聞かれたら、トップ自らが厳しい姿勢を示し、あらゆる工夫と対策を打ち続けていくことであると言いたい。

働く事の過去と未来 | モチベーションサーベイ

働く事の過去と未来

 古代ギリシャでは、労働は“卑しい”ものだった。肉体的労働ばかりか、医師や会計士などの知的労働も、奴隷が行うべきものであり、市民は、労働による苦役がない環境で、自由に思考し、生きることが望ましいとされた。「アダムとイヴが禁断の果実を食べた罰として、神が人間に苦役たる労働を課した」というキリスト教的観念と共に、ヨーロッパに「労働はできればすべきでない」という考え方が広がっていた。  その後、中世に入り、教皇や聖職者の堕落により、ローマ・カトリック教会への不信が広がる中で始まったルターやカルバンらによる宗教改革の過程で、人々の労働への価値観に大きな変化が起きた。彼らは、腐敗した教会や司祭を通じて神と向き合う事を止め、神から与えられた仕事を天職として、一生懸命励み、成功することでこそ、神の救済を得られる、と考えるようになった。  神の救済を求めて、まじめに働き、その結果として得られた利益を、神へのより大きな奉仕のため、生産の拡大へと充てて行ったため、次第に資本が蓄積され、それが近代資本主義へと発展して行ったと言うのが、20世紀初頭の社会学者のマックスウェーバーの主張である。宗教的な無欲思想に基づく勤労精神が、現代の資本主義的社会構造を築く源泉だったという事だが、その過程で、生産性や効率性を重視する合理的思想が強調されていく一方で、いつしか、神への奉仕という、本来の宗教的倫理感は色褪せ、結果として、利益の追及を優先的に考える現代的資本主義へと変化していった。  人々の崇高な倫理感が欠けたまま、暴走を始めた資本主義が、地球環境を破壊し、人々の貧富の差の拡大をもたらし、社会自体を傷つけている事に、我々もようやく気付き始めている。SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」等の新たなルールを事業経営にも持ち込み、社会全体の利益を考える企業が増えて来たり、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス=企業統治)の3つの観点から企業の将来性や持続性などを分析・評価した上で、投資先(企業等)を選別する、ESG投資が若い世代を中心に注目を集めているのもその表れと言ってよいだろう。企業も人々も、単なる財務的利益を追求する従来型資本主義の軌道修正を今、はかろうとしているのだ。  こうした変化は、企業と労働者との関係も大きな影響を与えることになるはずだ。多くの企業で、近年のAIやテクノロジーの発達による従来業務の機械化・自動化に伴い、企業も人も将来、「どんな仕事を行うべきか」を模索し始めているが、こうした資本主義のトランスフォーメーションというもう一つの社会変化が、同時に進行する中では、「人がなぜ働くのか」、という根源的な問いにも同時に向き合った対応も求められているという事だ。いやはや、人事にとっては本当にチャレンジングな時代がやってきた。

メディアとしての社員 | モチベーションサーベイ

メディアとしての社員

 企業統合や経営/事業変革に伴い、ミッションとビジョンを改めて策定することは最重要施策といってよい。付加価値として何を生産し、社会に対してどのような貢献をなすことでコーポレイトサステナビリティを実現するか。そのエッセンシャルな意思表明がミッション、ビジョンであり、企業活動のブランディングの核となるものだからである。    ブランディングの核とは、対外的には、事業活動を通じて形成される企業イメージの統一軸であり、対内的には、事業活動を担う社員が主体的に行動する際に常に参照すべき軸(=基準/規範)だということだ。事業活動とは一人一人の社員の仕事の集積だから、とくに大事なことは後者。ゆえに、新しいミッション、ビジョンは制定後に、いかに全社に浸透させ、企業活動に反映させていくかがまず最初に問われ、インターナルコミュニケーション戦略の巧拙と徹底度がその成否をわけることになる。  ミッション、ビジョンの背景や意義/意味を理解させるべく、さまざま機会を設けての広報(=ビデオメッセージや階層別勉強会等)、経営陣による車座セッション展開、行動基準やバリュー評価項目へのブレークダウンなどがなされるものの、ともすると、理解は進むけれどもどこか「会社の方針だから」といったやらされ感を払拭できずに、主体的行動が生成するという意味での「浸透」には至らなかったりする。  行動喚起のポイントは、一人一人にとっての「自分ゴト化」である。新たなミッション、ビジョンが、自分にとってどういう意味をもつのか。自分の将来とミッション、ビジョンが示す会社の将来を関係づける――つまり、自分の夢、仕事を通じて実現したいこと、キャリアビジョンといった個人的な想いとの重なりのなかで、会社のミッション、ビジョンを肚落ちさせる。社会性と抽象性の高いステートメントというものは、自分にとっての意味づけができて初めて、具体的な行動実践への意志を持てるのだ。たとえば自己言及とグループダイナミクスを組み込んだプロモーションにより、そうした内省/言語化ができれば、あとは、実践に向けてのスキルをインプットしてあげればよい。  さきに、ブランディングの核は、対外的なイメージ統一軸と対内的な主体的行動の参照軸の二つと言った。インターナルコミュニケーション戦略の要諦となる「自分ゴト化」は、もちろんこの後者に資する施策ではあるが、実は、前者の企業イメージ形成にも直結する。社員一人一人の一挙手一投足から、顧客はその会社ブランドを感じとる。つまり、一人一人の社員が、顧客のイメージ形成の際のタッチポイントになってしまうからだ。  全ての個々の社員は、ブランドに即した行動の実践者であると同時に、顧客や市場や社会に向けて自社のブランドを伝えるメディアなのである。一人一人の社員が、社会に対するブランディング・コミュニケーションのメディアであるからこそ、自分ゴト化することにより生まれる「ブランディングへの信念」が、見えないけれども感じ取れるメッセージとして伝わることで、リアリティをもったブランドイメージが接する顧客や社外の人々のなかに形成される。  メディア戦略とは、広告媒体をはじめとしたさまざまなPR/コーポレートコミュニケーション媒体活用を「社外向けのメディアミックス」としてではなく、「社員というメディアを補完し増幅するもの」として、組み上げなければならないのだ。つまり、社会に対するブランドプロミスの発信のターゲットは、つねに、まず第一に社員なのである。

Web会議は疲れる⁉ | モチベーションサーベイ

Web会議は疲れる⁉

 最近のコロナ禍で、オンライン会議といわれるWeb会議が非常に増えました。このWeb会議だと、会社に行かなくても自宅からだし、移動時間がなくなって良かった、出席する負担も軽いはずだし、時間を効率的に管理できると考えていたが、1日に2回、3回実施するとリアルで会議や商談をするより、はるかに疲れるなぁと思うようになったのです。連続でこなそうものなら、疲労がピークに達する場合もあるほどです。  なぜWeb会議は、リアルの会議に比べてこれほど体力や精神力を必要とするのでしょうか。web会議の場合は、参加者全員とコミュニケーションをとる必要があり、相手の言っていることや考えていること、表情をすべて理解しなければいけないという意識が働くわけです。そのため、いつも能動的なスタンスで、画面に向かいます。さらに映る背景を気にしながらカメラにいいポジションでという意識から、同じ姿勢で固まったままになりがちです。  通常の会議であれば、何人か出席していたとしても、自分が発言している時は他の参加者は、その他大勢となるので、参加者の顔は見えるが、個々の表情にまでそんなに意識を向けなくても良いのです。つまり会議全体の「雰囲気」さえ把握していれば問題ないのです。  ところがweb会議では、遮断された「雰囲気」をできる限り摂取しようと画面を通して伝わってくる情報に目や耳を集中させることが必要になります。「全参加者分の個別ワイプ画面」と対峙することになる状況が続き、たくさんの顔と向き合うと、一人ひとりの表情や動作が非常に気になるという事態が発生します。いろんな顔に目を向けることになるし、さらに、共有された資料も見ながら常に集中し続けているし、情報が多すぎて整理できない。この高度な集中力を要求されることが、web会議後のなんとも言えない「疲労感」につながっているのではないかと考えるのです。  今後、Web会議に疲れていると自覚しているのであれば、ツールの使い方の工夫が必要です。たとえば、出席者の確認をしたら、あとはカメラ映像をOFFにしてしまうとか、時間を思い切って短く設定するとか。テレカン(teleconference)のように複数人で電話会議をすることは前から実施しており、映像を使わないことがあります。音声だけでも十分にコミュニケーションはできるはずです。映像というツールが使えるからついつい表情も見たくなり、映像は常にONにという暗黙のルールや圧力を感じるときもありますが、実務的な打ち合わせなどでは、顔よりも資料に目線を集中させた方がはるかに効率的なこともあるのです。  今後もweb会議はますます発展していくことが予想されます。すでに会議だけでなく、集合型の研修をWeb型研修に切り替えるケースも増えてきているし、web会議にしかない良さ、冒頭にあげたような「効率」の面では圧倒的に便利です。その一方で、対面での会議でも、これからweb会議がどんどん合理的なツールになれば、「非合理的な」コミュニケーションの手段として残って欲しいなと思います。  リモートワークに体が慣れてないうちは、いろいろ大変なことも多いです。会社でなく家にいるからといって、決して楽ではないわけです。充実したリモートライフを送るためにも、気づいたことがあればいろいろと工夫していきたい。それぞれの良さを踏まえたうえで、場面に応じた使い分けが大事ですから。

「モンスター社員」の増殖 | モチベーションサーベイ

「モンスター社員」の増殖

最近、「モンスター社員」と言う言葉をよく耳にする。厳密言うと「モンスター社員」にも色んなタイプがあるようだが、一般に、処遇や福利厚生に対し過度な要求をしたり、会社の制度やルールに対して否定的・非協力的な主張をして、自身の要望が受け入れられないと、「労基署に行く」等と言って人事を脅したり、実際にそうする「やっかいな社員」の事を指すようだ。 入社時点に想定していた内容と異なる業務を求められると、話が違うと、拒否したり、上司や人事から気に入らない注意を受けると翌日から無断で休む、さらには、インターネットのSNSや掲示板上に、そうした状況を誇張・曲解した上で、会社や上司・同僚を誹謗中傷する投稿をする等・・。こうした「モンスター社員」は、従来の「やる気のない社員」や「さぼり社員」とは異なり、よりたちが悪いと言える。会社にとっては深刻な存在で、対応を間違えれば、一人のモンスター社員が、会社全体の価値を下げてしまうリスクさえあるかも知れない。 モンスター社員が「増殖」している背景には、採用難が続く中で、会社の採用基準が甘くなりがちな事や、働き方改革が進む中で、残業時間の抑制や休暇の取得など、労働者の権利をきちんと確保していこうとする社会的要請が高まる中、「会社」より「社員」の権利をより尊重する空気が我が国の社会全体に漂っていることも影響しているだろう。 また、SNS上に発信されたコメントにひとたび火が付くと、その内容の正否を確認される間もなく、それが世界中に瞬時に拡散してしまうというネット社会特有の現象もまた、事態をより悩ましくしている。 最近、かつて目覚ましい企業再生を果たし、賞賛されてきた著名な企業経営者が、一たび、逮捕されると(まだ有罪と確定したわけではないのに、)手のひらを返したように、否定的なコメント一色になる我が国のマスコミや識者の論調に、正直、驚いているところだが、我が国のそうした「推定有罪的」国民性?もまた、会社が毅然としたアクションを取りにくくしていて、結果として、「モンスター社員」をのさばらせてしまっているようにも思う。 会社のいわゆるブラック企業的行動を排除させるために、「社員」の権利をより尊重する方向で、「会社」と「社員」の関係をリバランスする取り組みはよいのだが、それが行き過ぎて、社員の権利を守ることに囚われすぎてしまうと、会社の中に、多数のモンスター社員の増殖を許してしまうような事にならないか。ルールに基づく「モンスター社員」への毅然とした対応と共に、社会全体としての「会社」と「社員」のパワーバランスが適切かどうかを検証していく姿勢が、我々、ひとりひとりに求められている。

社員の幸福感の高め方 | モチベーションサーベイ

社員の幸福感の高め方

 幸福感の高い人はどのような人だろうか?一般的には配偶者のいる人や非喫煙者、心身が健康である人はそうでない人と比べると幸福感が高いと言われています。また、興味深い調査として、幼少時にシルバニアファミリーで遊んでいた女性とそうでない女性を比べたものがあります。この調査では、大人(20~25歳)になった時点での幸福度は、シルバニアファミリーで遊んでいた女性のほうが高いという結果が出ています。  しかし、当コラムを読んでくださっている皆さんが興味をもたれるのは、「幸福感」という概念は、ビジネスの中でどのように活かすことができるのか?特に、「生産性」や「業績」といった代表的な成果指標に対してどの程度の影響を与えるものなのかといったことではないでしょうか。  欧米の研究を見ると、幸福感の高い社員は、生産性が高く、売り上げも多く、リーダーとしても優れ、高い業績を上げる。また、病欠も離職も少なく、仕事のストレスに負けることもないという報告があります。幸福な気持ちで業務に取り組むと、時間の使い方が効率的になり、仕事の質を下げることなく生産スピードを向上させることができるそうです。その結果、幸せな気持ちで物事に取り組んだ人は、そうでない人と比べて生産性が12%向上するという調査結果も発表されています。ちなみに、不幸は生産性を10%低下させるそうです。  では、企業にとって良いことづくめの幸福感は、何から影響を受けているのだろうか。幸福感の高めかたが分からないと施策を講じられませんが、この領域の研究は国内外を通してまだ始まったばかりです。  国内における先駆け的な研究は、2012年に内田・城戸が人材育成学会にて発表した『ポジティブ組織行動論の試み-仕事での「幸福感」と組織内要因-』であると言えます。内田らはこの中で、約300名のビジネスパーソンから集めた定量データを分析し、幸福感を高める5つの組織内要因を明らかにしています。この5つは、「マイビジョンへの挑戦」、「自己効力感」、「地位と給与の満足」、「仕事の社会的評価」、「努力と評価の関連」と名付けられた因子であり、これらが幸福感に対して統計的に有意であることを示しています。  自分の実現したいビジョンをもち、得意分野を活かしながら挑戦的に仕事ができていること。自由裁量の度合いが高く、自分の能力を活用しながら自信をもって仕事を進められていること。現在の地位や役割と、得られる給与等の報酬に満足していること。自分の仕事が社会的にも組織内においても評価されていること。そして、自分の努力が上司などから人事的に評価されること。つまり努力と評価のつながりが認識できることが「幸福感」を高めるのです。  2回のコラムで取り上げた「幸福感」は、組織内で伝播する特性をもっています。自分が職場で幸せであると思えるほど、共に仕事をする仲間だけでなく顧客に対しても、より多くのポジティブ感情を伝えるようになります。そして、最終的には、職場全体がポジティブな状態へと変わってゆき、大きなビジネス成果を生み出すのです。ポジティブ感情のドミノ効果と呼ばれるこの現象は、組織に対して大きな変化を起こすための小さな一歩の必要性を示唆しています。  職場の幸福度について興味をもたれた方、詳しく知りたい方はお気軽にご連絡ください。 以上

ストレスワクチン | モチベーションサーベイ

ストレスワクチン

多くの組織で問題になっているメンタルヘルスの予防的施策として、ストレスワクチンという処方がある。 メンタル不調を結果するような状況に至る前に、ワクチンを打ってストレスの抗体を作り、個々人のストレス耐性を高めておく手法だ。「ワクチンを打つ」とは、Off-JTのワークショップとフォロープロセスのことで、まずは組織診断によりその会社固有のストレス因子を検出し、それを使ってストレスフルな状況の予行演習を体験する。主に、入社間もない社員に対し行われる予防施策である。 企業内ストレスにさらされる状況はある程度決まっている。一般的には、入社直後や配属直後、異動後や転勤後、管理職への昇格したときがそうであり、加えて各社の業務や組織の特性と風土や慣習によって、ストレス状況の類型化ができる。部門による人間関係の特性や組織の意思決定のクセが、その会社固有のストレス因子かもしれない。それを“抗原”として、想定される状況下で、自分がどのように対処すべきかを先行して考えることで、ストレスを受け止める力を身につけさせるということである。 言うまでもなく、生産性を追及する組織である限りストレスは必須だから、組織のストレスをなくしていくのではなく、個人のストレス耐性が課題になる。「メンタル失調になりそうな候補者を検出できないか」という採用担当の方々からの要請も少なくないように、“個々人の資質問題”に偏りがちなアプローチに対して、ストレスの抗原−抗体反応の仮説は魅力的ではないか。 この仮説が正しければ、EAPや産業保険医体制の整備、あるいは管理職へのメンタルヘルス研修などで、不調者の予兆を個別的に早期発見、早期対応するくらいしかメンタルヘルス対策がないなかで、組織的な予防施策として展開できるからである。 「必ず直面するストレス状況を、事前にイメージさせ、受け止められるようにする」とは、その時どうすればよいかをシミュレーションさせることだけが大事なのではない。何より、その状況の背景の意味を考えさせ、理解させること。個人の業務や役割の意味とその背景にある会社のミッション、そうした業務が自分にとって、自分の将来にとってどのような意義を持つのかを、深く考えさせることこそが重要だ。つまり、将来のストレス状況にポジティブな意味づけを予め前提させる。ストレスとモチベーションが表裏の関係あること自体を体感させるのが、こうした施策の最大のポイントだろう。 さらに、ストレスワクチンの効用はもうひとつある。組織の暗黙知が明示化することである。抗原を検出するための事前のストレス診断により、暗黙のルールや集団行動のクセのインパクトがわかる。例えば、ある部門はきわめて家族的な人間関係に特性があるかもしれない。新入社員がこうしたことを事前に知ることで、効率的に仕事に集中できるはずだ。 かつて、辞めてほしくない社員に対して、アメリカの会社は“ゴールデン・ハンドカフ(金銭による手錠)”をかけるが、日本の会社は“エモーショナル・ハンドカフ”をかけると言われたことがある。日本企業の雇用関係は、長期雇用の黙契がなくなり、成果と報酬の契約的関係になりつつあるとはいえ、暗黙のルールや人間関係の圧力は存在する。ストレスワクチンは、それに対するプラグマティックな挑戦でもあるのではないか。