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新入社員に「新しさ」を求めるな

執筆者: 大久保 尚代 その他

過去の成功体験に囚われない新しい発想を社内にもたらしてくれる人材が欲しい・・・どの企業でも思いは同じだろう。中には、そのような熱い思いを秘めた眼差しを、キラキラと目を輝かせた新卒の新入社員に向ける会社もある。

筆者はかつて、日本を代表する大企業数社の人事部の方から「現状を変えるために新入社員に期待したい」と伺ったことがある。変えたいものは、かつては革新的といわれたが保守化した企業風土だったり、新商品を出すもののかつての勢いを失った定番商品のリニューアルプランだったりと、さまざまだが、今の社内にない「新しさ」を新入社員に求めるという点は共通と言えるだろう。

しかし、このような期待は、新入社員自身にとっても、会社にとっても、害でしかないのではないかと私は考える。

理由は三つある。一つは、新入社員をダメにするからだ。新しいアイデアを出すことは確かに重要で、出す能力に長けていることに越したことはない。しかし、アイデアを事業に具現化するまでは「千三つ」「多産多死」と言われるような淘汰の道のりだ。アイデア出しくらいでちやほやしてしまったら新入社員に大きな勘違いをさせかねない。

二つめは、新入社員の配属先が疲弊するからだ。確かに新入社員は、既存社員にない発想を持っているかもしれない。しかし、新しさはそれ自体ではなかなか理解されないものだ。その説明に、多くのマーケターや開発者は心血を注いでいるのだ。よほど突出した新入社員でないかぎり、人事部に鼓舞されていろいろな提案を出したとしても、その対応に周囲は苦慮することになるのではないだろうか。

三つめは、そして一番声を大にして言いたいのは、責任転嫁を感じるからだ。本当に新しい発想を絞り出すべきは既存社員、特に会社の上層部である。なぜ、新しい発想が出てこないのか? その要因を自分の責任として考えるのが先ではないか。役員が新しいアイデアを後押ししない、失敗すると個人の評価が悪くなるなど、組織の風土や制度が元凶になっている可能性はないのか。

新しい発想が欲しいならば、アイデアを生み育てる社内(特に上層部)の環境を整えた上で、新人・既存社員を問わず提案をどんどん出させればよい。既存社員・組織を変えることを諦め「新しい人に期待する」などという情けない発想は捨て去ろうではないか。

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プロフィール

大久保 尚代 (おおくぼ ひさよ)

マネージャー

ニューヨーク大学大学院メディア・エコロジー・プログラム修了(MA)
大学卒業後、出版社にて書籍の企画編集に携わる。フルブライト・プログラムで米国に留学、帰国後社会人向け教育研修会社に入社。企業の変革リーダーの育成や組織の活性化支援、マーケティング業務に従事。当社においては営業およびセールスプロモーションを担当している。

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