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Willingly Follow

執筆者: 吉岡 宏敏 人材育成

 リーダーシップスキルといえば、例えば、「広い視野もって先を展望でき、新たにビジョニングでき、自分の言葉でその意味を語れて、人々を動機づけられる能力(=変革リーダー)」、あるいは、「人々の思いを傾聴し、主体性を喚起でき、実行を支援しつつ、チームを活性化しベクトルを揃えられる能力(=サーバントリーダー)」など様々に言われる。

 そうしたスキルを磨くトレーニングは想定できるものの、結局のところリーダーとして一番大事ものは「人間力」であって、こればかりはなかなか育成できない(=リーダーシップ資質論)という声も根強い。確かに、現実の組織のなかで、明らかにリーダーシップのある人物の共通項としての人間力はわかりやすい。さて、そのような「人間力」は育成できないものなのか。

そもそも、優れたリーダーたる人間力って何なのだろう。胆力、懐の深さ、人として魅力的、光輪めく眩しさ、溢れるエネルギー、不屈の闘志、有能なれど無邪気、揺るがぬ正義感、信念、不断の情熱と意志、、、、そんな風に人間力要件を上げていったらとてもリーダーなんかになれそうもない。もっとハードルを下げて言えば「この人になら付いて行こう」と思うかどうか、ということではないか。

 そうしたリーダーシップにおける人間力をうまく言語化しているのは、有名なクーゼス&ポズナーのリーダーシップ定義だ。いわく、「うしろを振り返ると喜んでついてくるフォロワーがいるか」。大事なのは、そのフォロワーは仕方なくついていくのではなく、「喜んでついていく(=Willingly Follow)」、という点。権威や強制や諦観によらず、自ら進んで主体的にリーダーに従うということだ。

 クーゼスとポズナーは数千人のエグゼクティブに「ついていきたいリーダー」の要件を聞き、20項目にまとめた。それをチェックリストとして、5大陸10万人超の人々が7項目を選んだ長期間かつ広範囲な調査結果がよく知られている。その結果、30年間にわたって以下の4項目が常に上位4位だった。
 
・正直である
・先見の明がある
・仕事ができる
・やる気にさせる

 うち、「正直」はほぼ常に第一位だった。これはなかなか腑に落ちる結果である。これらをじっと眺めれば、「何より正直で表裏なく言葉通りに行動し、仕事に対して情熱をもち、人を導く知識とスキルをもち、どこに向かうのかを知っている」といったリーダー像が浮かび、要は、「信頼できるかどうか」がカギなのだとわかる。

 あまりにも当たり前だが、信頼できないリーダーには誰もついていきたくないし、リーダーが信頼されていなければどんなメッセージも信頼されないのだ。この事情は、社長であれ身近な上司であれ、誰しもがしばしば体感する原理である。

 信頼される行動とはなにか。これなら、この4項目からも推察できるし、他山の石的な観点もふくめ経験の中でいろいろと要素分解できるだろう。それを自覚し行動の癖付けを徹底することによって、人間力のベースと思しき信頼性の向上は可能なはずである。

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プロフィール

吉岡 宏敏 (よしおか ひろとし)

シニアパートナー

東京教育大学理学部応用物理学科卒業。ベンチャー企業経営、ウィルソンラーニング・ワールドワイド株式会社コーポレイト・コミュニケーション事業部長等を経験後、株式会社ライトマネジメントジャパンに入社。人材フローマネジメントとキャリアマネジメントの観点から、日本企業の組織人材開発施策の企画・実行支援に数多く携わる。ライトマネジメントジャパン代表取締役社長を経て、現職。

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