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column

低すぎる価値

 企業の人事制度の設計をしていると、しばしば“管理職の価値”が低すぎると感じることがある。本部長、部長、課長などの管理職社員は、企業の方針や計画達成の欠かすことのできない重要な人材である。自分に与えられた人やお金などの資源を有効に活用して、競合会社と戦い、社内の各部署と調整し、方針目標を達成するというとてつもなく難しい仕事だ。特に最近は経営環境の変化が激しい。そうなると管理職の仕事はさらに難しさを増す。環境が変化すると、組織の価値、業務モデル、人の配置、指導方法など常に見直しが必要だ。マネジメントは同じことの繰り返しではなく変化を要求されることになる。近年の管理職の仕事は非常に難易度が高いのだ。

 また管理職は組織の中では孤独である。目標達成のために部下をコントロールしなくてはならない。経営目標の重要な一端を担っているため、経営的な視点、スタンスで仕事に臨まなくてはならない。部下を指揮命令する“使う側”である。部下も会社の方針や目標をよく理解して、積極的に協業してくれるのであれば苦労はないが、日々様々な場面で“使う側”と“使われる側”とのギャップに悩まされ、そして自分の組織の中では決してその苦労を共有できない。

 さらに管理職はリスキーである。方針目標達成を重視すればするほど、部下に対して厳しさを要求することになる。思うように成果の出ない部下に対して、命令、指導することになるが、少しでも行き過ぎと部下が感じたら、アウトになってしまう。法律、ハラスメントなどの十分な知識と、極めて強い自制心がなければ、身分を失うことになる。

 一般の社員に比較してこれだけ難しく、孤独で、リスキーな仕事をしているのが管理職である。多くの企業では部長、課長などの役職に就くと“管理職手当”を支給する。これは管理職としての職掌の重さに報いるためである。部長で5万~10万くらい、課長で3万~5万くらいが一般的である。安すぎではないだろうか。一般の社員の倍とは言わないが、もっと大きな差があってよい。現在大手企業の課長の年収が800万円だとしたら。価値的には1200~1500万円くらいでよいかもしれない。日本の企業の人事制度の中で、管理職はひどく安く値付けされているが、今後は管理職の給与を重点的に大幅に増加させる必要があると感じるのだ。

以上

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