合理的・構造的アプローチで企業人事を進化させる
コンサルティングファーム

コラムを読んだら投票を! コラムの最後にフィードバック欄がございます。ぜひご協力ください。

悪い報告

執筆者: 林 明文 経営

 変化の激しく、スピードの早い環境下では、想定しないことが起こりがちである。製品やサービスの寿命が短くなり、新しいマーケティング手法が発達し、システム化、業務改善などでコストが大幅に下がり、労働市場の発達で社員の流動化が促進される。このような環境であるため、今までの勝ちパターンはすぐに通用しなくなってしまう。常に環境をウオッチし、現在のビジネスモデルが正しいかを問い直すことを習慣化することが重要だ。今のモデルに既に問題があったり、将来にリスクを抱えるのであれば、それを解消するために直ちに新たなモデルを考え、生み出さなくてはならない。

 変化が激しいということは、想定しないことが頻繁におこるということである。成功パターンは長くは続かないため、常に新たなパターンを考えなくてはならない。今まで受注できた仕事が受注できなくなる、単価が大幅に安くなる、新たな競争相手が出現する、コストが高くなる、担当する社員がいなくなるなど様々な問題が次々に発生する。

 優秀なビジネスマンは“失敗”を糧にするタイプである。失敗はさまざまなことを教えてくれる。極めて貴重な情報である。失敗の原因を検証し対策を打てば、今後は失敗しなくなる。失敗の本質を理解しスピーディーに効果的な対策を打てるビジネスマンが求められる。このような人材は経験したことがないからわからないとは決して言わない。むしろ経験していないことに遭遇することが普通と考えているのだ。さらには想定しないことに遭遇することを楽しみにすら感じるのだ。近年企業においての社員の優秀性は、だいぶ変容してきていると感じる。

 優秀だと思っているビジネスマンほど失敗を隠しがちである。失敗をすることは自分の価値、評価を下げると思っているからだ。しかし変化する環境下では失敗ほど貴重な情報はない。この貴重な失敗情報を正確に把握し、検証分析し、二度と失敗しないように対策を立てる能力やスタンスが今後の優秀さの基準になるだろう。

 企業は組織で運営されているので、個人が遭遇した失敗は一個人の努力で解消できるものではないことが多い。そのため失敗情報をタイムリーに関係者に共有することも極めて重要である。失敗を堂々と社内で報告することが優秀さなのである。企業という組織にとっても悪い報告ほど示唆に富みかつ貴重なものである。経営する側も貴重な失敗情報、悪い情報を得ることが非常に重要であるということを、もっと強く認識する必要がある。社員に求める能力も、“よい失敗をする”、“悪い情報を経営資源にできる”“失敗の経験を成功につなげる”などが必須となるのだ。

 優秀な社員は良い成果を出すことはよくわかっている。しかし変化する環境で良い成果を出し続けるためには、自分の失敗を積極的に公表する行動が必要である。経営としてはよい情報は歓迎すべきであるが、良質な“悪い報告”を大事にするスタンスが必要だということだ。
以上

コラムを読んだら投票を!

コラムをお読みいただきありがとうございます。 今後、さらに興味深いコラムの提供やセミナーテーマの参考とさせていただきますので、ご感想の選択をお願い致します。
※投票いただくと、これまでの感想をグラフで見ることができます。

このコラムの評価

投票いただくとこのコラムの評価が表示されます。

このコラムの平均評価

このコラムの平均評価

このコラムの平均評価

ご投票ありがとうございました。他のコラムも是非ご覧ください。

このコラムの感想

  • 大変つまらない:
  • つまらない:
  • ふつう:
  • 興味深い:
  • 大変興味深い:

プロフィール

林 明文 (はやし あきふみ)

会長

青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て当社設立。代表取締役シニアパートナーを経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

詳細はこちら

執筆者のコラム一覧はこちら

TOPICS