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column

なぜ進まない「女性活躍」

2016年4月に女性活躍推進法が施行され、各企業は様々な取り組みをしている。
政府も2020年には指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げるという目標を掲げて推進しているが、現実はどうだろうか。遅々として進んでいない。
女性社員の働き方改革に対応した社内制度はある程度整ってきていて、ダイバーシティ推進課や女性活躍推進課の新設とともに、テレワークのような新たな働き方を導入しているケースがある。ただし、マミートラック(仕事と育児の両立は実現できても、昇進昇格とは縁遠いキャリアコース)だったり、R職への格付け(HR、PR、CSR、IR等のRがつく職種)のパターンが多い。

女性社員はなぜ活躍できていないのだろうか。企業の担当者からは、うちの女性社員は管理職になりたがらなくて困っている、管理職に魅力がないのだろうとよく聞く。
他に何か阻害要因があるのではないだろうかと考えると、女性社員の働き方は男性社員に比べてライフステージ(結婚、出産、育児)に応じて多様なことから、各ステップを通じて自分らしい生き方や進路の選択ができるようにしなくてはならない。だが、男女共同参画の視点に立ったキャリア教育や、キャリア形成ができていない。そもそも女性に大きな仕事やレベルの高い仕事をさせていないケースも多い。組織内での経験や短期業績評価を基に昇進・昇格させていく企業では長時間労働が前提とされ、子育て中の女性社員のように限られた勤務時間の中で生産性高く働いて帰宅しても、長時間職場にとどまっている他社員に比べて評価されにくいこともあるだろう。
出産・育児等で仕事を一旦離れ、キャリアやスキルの形成が中断した場合、復帰しても管理職、役員といった立場で意思決定過程に参画していくための環境も十分に整っていない。そしていまだに残るガラスの天井があげられる。
こういった阻害要因を排除した取り組みを本格化していかなくてはならない。
また、短期的に一定の業績を上げる必要がある企業にとっては、株主・顧客・社員といった様々なステークホルダーにそうした取り組みが理解されることが不可欠である。そのためには,女性の活躍推進に取り組むことが企業の活動や職場にプラスの効果をもたらすことをステークホルダーに対して示していく必要もあるだろう。

一方、政界に目を向けてみると、日本の女性政治家は世界に比べてまだまだ少ないといわれている中で、小池百合子氏が女性で初めて都知事に就任し様々な問題を解決すべく奮闘している。世界でもイギリスのテリーザ・メイ氏が故サッチャー氏以来26年ぶりの女性首相に就任、アジアでも台湾では、蔡英文氏が第14代総統に就任した。アメリカでは、ヒラリークリントン候補者が史上初めて女性で米大統領選の主要政党候補になるなど女性の活躍が進んできている。

女性活躍推進法が制定された2016年は、日本で女性が参政権を獲得して70周年となる年だった。100年前の大正時代では女性が参政権をもつなど考えられない、それを別に変とも思っていなかっただろう。現代では当たり前になっているように女性の活躍が当たり前になる時代はすぐそこまで来ている。現代社会の当たり前がどんどん変わっていくように。

女性活躍推進法は10年の時限立法だ。今後2025年までに、女性の働き方はどこまで変わるのだろうか。社会や企業の意識が変わっていくと同時に、働く女性自身も意識を変えるべき時がきているのかもしれない。
前出の故サッチャー氏はこう言っている。
考えは言葉となり、
言葉は行動となり、
行動は習慣となり、
習慣は人格となり、
人格は運命となる。

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