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業績と人材力

執筆者: 林 明文 人事管理

 企業が成長を維持向上するためには、人材は欠かすことのできない重要な資源です。人材が高い能力、モチベーション、コンディションを持ち続ければ、企業のパフォーマンスは上がると考えられています。この人材の状態を総括して人材力というのであれば、人材力が上昇すれば業績が上がり、逆に低下すれば業績が下降することになります。これに対して異論を唱える人はいないくらい、どの経営者も人事部門も誰も疑わない考えでしょう。

 問題は、人材力と業績の関係が明確でないことです。どの程度人材力が上昇すれば業績がどの程度上がるのかがわかりません。またそもそも“人材力”を総合的に測定する指標がないのです。仮に人材力が測定できれば、人材力と業績の関係性を解析できる可能性があります。そうなると経営としては人材力の投資に基準を持ってできることになります。

 さて、経営者はこの人材力が業績に与える影響が大きいと考えているのでしょうか。現在の人材力が100だとして、これを110に上昇したとしたら、業績はどの程度上がると考えているかは、分析事例がないのでわかりませんが、実際にはあまり高くないリターンであると思っているように感じます。人材力がほどほどであれば、それ以上に投資してもリターンが経験的感覚的にそんなに大きくないと思っているのかもしれません。

 一方多くの企業では、現在の人材力に対して必ずしも満足していません。例えば、管理職の能力が不足していると感じている企業も多いでしょうし、経営方針が徹底していない、モチベーションが十分なレベルでない、離職者が多い、高齢化によってパフォーマンスが低下したなど、重要性や影響のレベルは企業によって異なりますが様々な問題を感じているのです。本来望ましい人材力レベルを100とすると、経営者や人事部門は現在の人材力を何点と評価するでしょうか。100点以上を付ける企業は多くはなく、60点から80点くらいが回答として多いと思います。仮に80点であるとすると、これを100点以上する努力を本来はしなくてはなりませんが、80点を100点にするための投資、要は金額やマンパワーとその結果得られる業績、リターンがバランスしない、ないしはあまり影響しないと考えているのかもしれません。

 日本企業は他の先進国と比較すると社員の生産性が低いと言われています。低生産性は人材力に起因している問題であり、これを早急に改善しなければなりません。今後日本企業が成長するための、証明されていない一つの重要な施策は人材力を経営として望ましい状態にすることです。この人材力向上をしても業績に影響がない、ないしは少ないということであれば、人事管理はほどほどに行えばよいということになります。ポジティブに言えば、人材力向上が企業業績の向上のための非常に重要な施策であり、人事管理の強化こそが成長のエンジンであると確証が持てる可能性があるということです。

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プロフィール

林 明文 (はやし あきふみ)

会長

青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て当社設立。代表取締役シニアパートナーを経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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