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職場の民主主義

執筆者: 高柳 公一 経営

「社員のロイヤリティを高め、パフォーマンスを向上させるために、他社ではどんな取り組みをしていますか?」企業経営者や人事部門の責任者から、時々聞かれる。

先般、新聞(4月5日付 ウォールストリート紙)に、ある興味深い記事があった。共和党・民主党の大統領候補選出で沸くアメリカでは、一般企業においても職場の民主主義が広まりつつあるという内容だ。

「オフィスレイアウトをパーティションで仕切るかオープンテーブルにするか」「職場の共有スペースで音楽を流すか否か」あるいは、「本社の引っ越し先のロケーションはA地区かB地区か」等、アンケート調査用のデジタルツールを利用して、一般社員が、職場の運営等について発言の機会を与えられたり、意思決定に参画する会社が増えているようだ。また、さらには、最終意思決定は経営・管理職側にあるものの、意見を参考にするということで、CEO決定や人材の採用の是非まで、社員に問う企業もある。

事の大小に限らず、組織運営上の意思決定を従業員の投票を行って決めることは、会社経営への参画意識が高まり、リテンションやモチベーションにプラス効果をもたらすことにつながるだろう。日本に限らず、米国でも、社員の参画意識を高め、やる気を引き出そうと各企業が腐心しているということだろう。

ただ、こうした取り組みには当然リスクもある。社員に迎合するようなアプローチで行ったり、十分に投票環境を整えておかずに投票を実施したりすると、誤った判断や社内の混乱をもたらすことになる。 社員投票を行う際には、経営・管理職サイドは、適切な情報と意思決定のポイントをよく整理して提供して、それぞれの選択肢のメリット・デメリットやインパクトをよく理解させたうえで投票させることが重要だろう。

我が国では、組織運営上の判断をする際に、社員に積極的に意見を聞こうとする例はそう多く聞かない。一般的には、従業員意識調査として社員アンケートを数年に一度、行っている場合はあるが、それさえ実施していない企業も少なくない。

今や、テクノロジーの発達により、比較的容易に、社員投票やアンケートが実施できる環境が整いつつある状況である。採用難やリテンション対策で頭を悩ます企業や社員のパフォーマンスを最大化することに取り組んでいる企業にとって、投票のテーマは、よく吟味するとともに、適切な段取りと社員に対するメッセージを十分考慮した上で、職場の民主主義を広めていくことは、企業差別化人事施策としても有効に機能するのではないだろうか。

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プロフィール

高柳 公一 (たかやなぎ こういち)

代表取締役 CEO シニアパートナー

一橋大学商学部卒業。米国ジョージワシントン大学経営大学院修了。プライスウォーターハウスコンサルタント社に入社し、国内外の大手企業に対して、人材開発、業務改善、IT戦略立案等のコンサルティングプロジェクトに関与。その後、トーマツコンサルティング株式会社にて、多くの組織・人事に関するコンサルティングを行った後、当社、取締役シニアパートナーを経て現職。人事分析、人事制度設計、他幅広い分野の人事コンサルティングに多数関与。

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