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column

エンゲージメント向上 ~会社と従業員が離婚しないために~

 「エンゲージメントの向上」に注目している企業が多いようです。エンゲージメントが向上すると企業経営にプラスの影響をもたらすと言われ、関心が寄せられています。

 そもそも「エンゲージメント」とは何か。「エンゲージリング」という言葉には馴染みがありますが、これはいわゆる婚約指輪です。この場合、結婚の約束の意味で用いられています。それでは企業活動においてはどうでしょうか。会社と従業員の関係で言えば、会社は、この人はどういう人なのかを知り、一緒に仕事したいと思えるかを考えます。従業員は、就職活動の際には企業研究をし、自分が生き生きと働くことができるかどうかを検討します。それらがマッチングした時に入社が決まり、会社と従業員は結ばれ、苦楽をともにすることになります。入社は「結婚」と言ってもいいかもしれません。

 ただ、残念なことに、離婚ということもあります。有名人が離婚した際の報道で「価値観の違いが原因だった」と報道されることがよくあります。結婚生活がうまくいくか、いかないかは夫婦が歩み寄り、互いの価値観を理解し、同じ方向を向いて一緒に人生を進んでいけるか否かという点が重要なのです。

 これが企業と従業員の関係でも当てはまります。従業員が会社のビジョンに共感し、それに向かって組織と従業員が一体となってお互いに成長し、貢献しあえる関係、まさにこれがエンゲージメントの根幹と言えます。

 組織から一方的に貢献、成長を求め、そのための機会を与えるだけでなく、従業員からも貢献したい、成長したいという意欲を見せる、つまり双方向の関係を見つめる必要があるのです。この関係性がうまく機能するときに、従業員は意欲的に生き生きと仕事に邁進し、仲間や会社に深く思い入れを持つようになるのです。

 エンゲージメントが向上すると「従業員が辞めない」「生産性向上」「自らが積極的に働く」結果、業績が向上すると言われています。採用関連でも、エンゲージメントの高い組織では、たとえその会社を退職しても、退職者が転職クチコミサイトにネガティブな投稿することは、エンゲージメントが低い組織に比べて少なくなると予想されます。また、注目されているリファラル採用も、従業員が会社に対して貢献意欲があれば「この人は会社にとって力になる」と思うような人材を推薦してくれるでしょう。
 
 このようにエンゲージメント向上は企業にとって、とても重要な観点です。注目されているのも大いに頷けます。しかし、エンゲージメント向上だけに着目していればいいわけではありません。
弊社のH Rデータ解説「労働者の就労に対する意識(年齢階層別)~時代で変わる「働く目的」、やはりお金が一番?~」 https://www.transtructure.com/hrdata/20210316/ にもあるように、労働者の大半が「お金を得るため(=金銭的報酬)」に働いているのが現実です。「給与はいらないので働かせてください!」なんて言う人はおそらく存在しないでしょう。いくら働きがいを感じ、働くことが楽しい状態であっても、給与を切り離すことはできません。エンゲージメント向上と同時に、適正な給与や福利厚生、職場環境等、組織から与えるものについても綿密に検討し、従業員を幸せにする手立てを考えることで、企業と従業員は結びつきを強め、互いの成長が図れるのではないでしょうか。

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