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人事が担うリスクマネジメント一丁目一番地

執筆者: 久保倉 和義 人事管理

 リスクマネジメントとは、経営を行う上での不確実性を適切に管理することで、損失を回避もしくは最小限に抑える経営管理手法です。

 人事領域ではありませんが、昨今話題になったリスクマネジメントの一例として、今年3月下旬から4月上旬にかけて、欧州や日本の金融機関が突如として多額の損失や損失可能性を発表した「アルケゴスショック」が挙げられます。本件では複数社が多額の損失を出しましたが、その中で、リスク管理能力があったところは損失を抑えることに成功したと言われています。ご興味がある方は、「アルケゴスショック」のキーワードで検索してみてください。

 さて、人事領域のリスクマネジメントについて考えてみたいと思います。
採用市場の状況による人材獲得リスク、人間関係や人事評価などの不満がトリガーとなる人材流出リスク、業績の不確実性と、その人件費への連動性が希薄であることに起因する人件費比率上昇リスクなど、人事部門のリスクマネジメントの対象は枚挙に暇がありません。
中でも、安定的な企業運営をしていく上で、人事部門が第一に考えるべきことは、社員数の確保と、社員の仕事に対するモチベーション維持です。こうしたことが安定しなければ、会社運営上、予期せぬ損失を被る虞があるからです。このリスクを払拭するために何から始めるべきでしょうか。その“一丁目一番地”は、社員サーベイです。社員が満足度高く、モチベーション高く、組織や仕事への愛着心高く働けていることの程度を量ることです。サーベイ結果で点数が低い場合、全社的に離職者が増える可能性があり、人員の確保に黄色信号が点灯します。優秀な社員の点数が低ければ、これは赤信号です(パフォーマンスの良い人の集団を分析すればこれが分かります)。

 社員サーベイは、社員意識調査、従業員満足度調査、エンゲージメントサーベイなど、多様な名称で呼ばれます。労務行政研究所の2018年調査によると、大手企業での実施率は30.9%です。中堅・中小企業では20%以下になるのではないでしょうか。実施されていない企業がまだまだ多いということです。社員サーベイを実施されていない人事部門の方とお話をすると、「パンドラの箱を開けるのですか」「実施後の活用方法が難しい」「社員満足の追求は甘えになる」「経営層は否定的です」という声が多く挙がります。このことは、しかしながら、リスクから目を背けていることになりはしないでしょうか。

 人事部門は、まずはサーベイを実施し、その結果から、社員が良好なコンディション、モチベーションで仕事に向き合えているかどうかを知る事から始めることを推奨します。全体的に問題がなければ(点数が低くない)、社員の確保に大きな問題は生じていないと考えてよいでしょう。
更に、サーベイの結果を個別に見ていくと、人事が行うべき別のリスクマネジメントや人事施策のヒントが浮かんでくるはずです。平均点より大きく点数が低い部門があれば、その要因は何かと深堀していくと、サーベイ結果からやるべき事(施策)が見えてくるはずです。

 社員サーベイは、会社の健康診断です。自社の健康状態を知らなければ、適切な予防措置や治療を考えたり、これを実施したりすることができないはずです。社員サーベイをまだ実施されていない企業においては、勇気をもってこの「会社の健康診断」を受けてみることをお勧めします。実施されている企業においては、パフォーマンス(HP・LP)の属性での結果を見ることの重要性をお伝えします。当該属性を取り入れている企業は少ないと感じています。是非、参考にしてください。
以上

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プロフィール

久保倉 和義 (くぼくら かずよし)

シニアマネージャー

大学卒業後、大手通信会社にて、営業企画・広告宣伝・経営企画部門などに携わる。その後35歳で退職し起業参画。資本政策、事業戦略、マーケティング戦略をはじめ、MBO(management buyout)など、ベンチャー経営全般を経験。当社に入社後は、マーケティング部門に所属し、営業、セールスプロモーションを主体とした業務に従事。

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