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column

シェアリングオフィスという選択肢

『民泊』や一般ドライバーの自動車で目的地まで行く移動サービス等、大勢の人々がモノや場所を共有し、必要な時に必要な分利用する、という『シェアリング・エコノミー』は、オフィスワークをする場所にも広がりを見せていて、アメリカを中心に、所謂『コワーキング・スペース』を提供する企業の数が、ここ数年、拡大している。

『コワーキング・スペース』では、一般に、交通の便のよい場所に、セキュリティを確保したプライベートなオフィス空間やミーティングルームを提供すると共に、インターネット等の通信設備やプリンター、TV会議等のオフィス機器を備えている他、カフェ、軽食などリフレッシュメントや心身の健康増進のためのヨガ、瞑想スペースなども提供している他、利用者同士の勉強会など、交流をはかるイベントやセミナー等も開催される。また、同様の拠点を異なる地域に複数持ち、利用者は、その時々で最も都合のよい場所のスペースが利用できる。

フリーランサーやスタートアップ企業などを対象としたレンタルオフィスは、従来から存在していたが、シェアリングエコノミーが拡大する中、Fortune 500にランクインするような大企業の社員の間にも『コワーキング・スペース』の利用が徐々に広がっているようで、情報セキュリティに敏感なIT業界やコンサルティング業界の著名企業でも、『コワーキング・スペース』を利用する社員の数が相当数いると言う。

自社オフィスを持つ一定規模以上の企業の間でも、『コワーキング・スペース』の利用が広がっている背景として、遠隔地に居住している社員、あるいは、クライアント往訪や出張の多い社員が、わざわざ自社オフィスに立ち寄るよりも出先の近くにあるコワーキングスペースで仕事をした方が、無駄な移動時間を節約でき、生産性の向上は図れるという事がある。

また、『コワーキング・スペース』を活用することで、同じスペースを利用する社外人材との交流を通じ、社内では得られない情報や刺激が得られる可能性が広がることを指摘する声もある。毎日、自社オフィスでいつもの同僚と、同じような視点の会話をしているよりも、様々なタイプの社外人材の間で働くことで、よい刺激が生じ、新たな知識の習得やアイデアの創出にポジティブに作用することは想像できる。社員の成長を促すために兼業を解禁する企業もぼつぼつ増えはじめているが、『コワーキング・スペース』の活用の広がりも、そうした考えに通じるところもあるのだろう。

少し前までは、こういう話を企業の人事と話すと、『オフィス以外の仕事場として検討するのは、せいぜい在宅勤務ぐらいで、他社は知らぬが、当社の文化や状況では、『コワーキング・スペース』の利用は到底、考えられない。』と言ったレスポンスが返ってくることは多かった。

だが、最近は、従来の常識や前例にとらわれず、ゼロベースで、本質的な議論をしたいという企業が増えて来ているように感じる。
働き方改革が進行とともに、各企業が労働時間削減や生産性向上の実現に向けて、検討はしているものの、効果的な施策を打ち出せている企業は、まだ数少ない。従来までの価値観や常識の延長線上で、よい施策を見つけるというのは、土台無理だという認識が広まりつつあるようにも感じる。

『最も生産性が高まる働く場所はどこか?』という問いに真摯に向き合っていく中で、自社オフィスでも自宅でもなく、『コワーキング・スペース』の活用が、人事パフォーマンス向上の一つの有効なアプローチとなる企業は少なからずあるような気がするし、この事に限らず、常識や前提をまず否定して、ゼロベースで議論を始めないと改革は進めることは難しい。

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