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PDCAサイクルを破壊するのは、管理職であり、役員だ!…

執筆者: 吉田 典史 人事管理

 「PDCAサイクルを回すとき、もっとも厄介な存在が管理職であり、役員だ!…。それを破壊する人すらいる」

 と2011年、あるセミナーで話したところ、聴衆である会社員50~60人のうち、半分近くが笑っていた。

 PDCAが、「計画(plan)→実行(do)→評価(check)→改善(act)」を意味するのは、多くの人がわかっている。当然のごとく、仕事をするうえでは、誰もが改良を重ね、成果を高めようとする。

 しかし、会社や部署で組織としてPDCAを回そうとすると、難しくなる。そのとき、壁として立ちはだかるのが、管理職であり、役員だ。特にPDCAの「C」、つまり、「評価」のところで意見をはさんだりしてかき回す。

「いや、それはそんなに悪い状況ではない」
「そこは、見直すべきではない。むしろ、このまま、進んでいくべきだろう」
「むしろ、ここが改良すべきところだ」

 管理職や役員にそんなつもりはないのかもしれないが、非管理職からすると、自分の意見をごり押ししているにしか映らない。しかも、その意見が事実に基づくものとは必ずしもいえない。管理職や役員が感覚的に(ときには思いつきで…)口にしているように見えることもあるだろう。
 
 会社として、部署として大きな成果を狙うならば、PDCAを機会あるごとに回し続けなければいけない。PDCAをきちんと回し、成果を上げていくためには、ある意味での「自己否定」が必要になる。

 管理職や役員は、自分の考えや判断に誤りがあったと認めることができるか、どうかー。「自分たちの仕事の進め方ややり方のここが誤りであり、こうあらためていく」といえなければいけない。

 非管理職は、それを受け入れることができるかどうか。管理職や役員は考えや判断などに誤りがあったことを認めたのであり、自らを否定したのではない。その区別が本当にできているか、どうか。

 PDCAサイクルが回らないならば、社長以下、末端の社員にいたるまで、そのような考えや心がまえに問題があるのではないだろうか。

 徹底してクールに、突き放して事実をとらえ、わだかまりなく、皆が「自己否定」できるかどうかこそが大切なのだ。その「自己否定」は、実は「自己肯定」であり、決して「敗北」でも「譲歩」ではない。

 しかし、ここまで深く考えることができる人はごく少数だろう。そこで、マネジメントが必要になる。

 たとえば、管理職や役員が、常に「自己否定」をする仕掛けをつくることだ。
まずは、管理職や役員の人事異動の回数を大胆に増やしていくべきだろう。異動となる人数も増やし、状況いかんでは降格もするべきだ。社員数が300人以上ならば、それができるはずである。業績がよかろうと、リストラも常に行いたい。少なくとも年に数回は、希望退職を募るのが望ましい。

 代わりの人材は、非管理職から抜擢してもよいではないか。外部から招いてもいい。ハンティングは、もっと頻繁に行うべきである。

 結局、会社や部署が流動化し、「下剋上」の職場にならない限り、管理職や役員は「自己否定」などしない。マネジメントとしては、この人たちが自分を正しく振り返るように仕向けるのである。

 PDCAを回さなければ、業績は上がらない。そのためには「自己否定」を繰り返すこと。そして、管理職や役員の根拠なき自信を徹底して打ち砕くこと。既得権の上にあぐらをかき、結果を出すことができない管理職や役員はいらない。

 あらためて問いたい。

PDCAサイクルを破壊するのは、管理職であり、役員ではないだろうか…。

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プロフィール

吉田 典史 (よしだ のりふみ)

1967年、岐阜県生まれ。2006年以降、フリーランスに。特に人事・労務の 観点から企業を取材。一方で、事件・事故など社会分野の取材を続ける。 著書に『震災死』『封印された震災死』『悶える職場』など多数

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