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LP再生

執筆者: 林 明文 人事管理

 日本の企業にはローパフォーマー社員(以下LP社員)が多すぎます。企業業績に貢献が少ない、またはほとんどない社員が驚くほど多く在籍しているのです。LP社員がどの程度存在しているかは、勝手な推定では5%程度ではないかと思います。この5%という数字は非常にインパクトのある数字です。人件費の5%が過剰であるとも言えるのです。費用の中で極めて大きな比重を占める人件費のなんと5%も無駄なのです。

 LP社員の問題は非常に根深く罪深いものです。入社してから月日がたつに従いLP社員は顕在化し始めます。新卒採用をしている企業は特にそうですが、採用時には企業の職務に向いていると想定して終身雇用契約をしています。しかし現実には向かない人もいます。また大卒から60歳までの38年間、ずっと高いモチベーション、コンディションを保つことも難しいです。なかには何らかの原因で長期にモチベーションが上がらない社員も発生するのです。

 このLPの発生は本人が原因であることもありますが、企業側人事管理側にも問題があります。それは人事評価が甘くLP社員がLP社員であることをストレートに通知していないのです。そのためLP社員は入社後長期間、ほんとの意味で再生する指導を受けていないことが多く、結果50歳くらいで企業がリストラするときに初めて深刻なLPであることに気づかされるのです。

 米国ではPIP(パフォーマンス・インプルーブメント・プログラム)という、社員のパフォーマンス改善プログラムが普及しています。様々な評価や専門のカウンセラーによるカウンセリング、教育の受講などをプログラム化して半年や一年間のような一定期間でパフォーマンスの向上を目指すのです。LP社員の場合には再生が主たる目的ですので、これで再生すれば本人も会社もハッピーです。しかし再生できないとなった場合には他社への転職を勧めることになります。

 日本企業はLP社員に対して明確にLP社員であることを告げていません。仮にLP社員であることを告げても再生のチャンスやきっかけを与えていません。今後LP社員問題はさらに注目を浴びることになると思いますが、日本でのPIPは再生できないことを証明するための施策になってしまう可能性が否めません。LP社員にPIPを提供して、結果改善しなければ退職勧奨して再就職支援サービスを受け他社に転職させるという構図です。悪く言うと再就職支援サービスを受けさせるための証拠固めという感じでしょうか。

 日本におけるLP問題の本質は、“再生”にあります。長期雇用を前提としている以上、社員の活用を最大限に行うためには、厳格な評価をし、再生のためのPIPを根付かせなくてはならないのです。今後PIPはより注目を浴びるでしょうが、再就職支援サービスの露払いのサービスに成り下がってはいけないのです。

以上

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プロフィール

林 明文 (はやし あきふみ)

代表取締役 シニアパートナー

青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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