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残業代不支給

執筆者: 林 明文 人事管理

 かつて“ホワイトカラーエグゼンプション”という、ホワイトカラー業務従事者の時間管理を対象外にするという議論がありました。そして最近急速に残業代の支給に対する緩和の議論が行われようとしています。特に時間投下と成果の直接的な関係が証明できないホワイトカラー業務については、本来的に考え方を整理するべき時期に来ていると思います。企画や設計を行うようなホワイトカラー業務は、個人の生産性が大幅に異なります。同じ業務を行ったとしても、同一時間を投下した結果、極めて短時間に非常に高い成果を出す人もいますし、時間いっぱい使用して高い品質の成果を出す人もいるでしょう。品質が高くなく時間内に終了する人もいます。また品質以前の問題として時間内に終わらない人もいます。現在ではこれらの人に対して明らかに問題のある処遇管理をしています。時間内に高い成果を出す人には、残った時間で別な業務を与えられます。時間いっぱい使用した人には成果の高低はあれど短期的な処遇は同じです。時間内に終了しなかった人には超過した分の超過勤務手当が支給されます。さらには品質が高くない、時間内に終了しない社員には、上司の業務や時間管理に関する指導が行われたりしますので、このような目に見えない管理コストも発生します。確かに中長期的には高い成果を出す人は、速く昇格するなどの恩恵はあるでしょうが、短期的な処遇という観点では、時間内に終了しないほうが、処遇が高いことになります。

 実際に何かの企画をする業務などは、業務時間外にさまざまな発想をすることが多いのかも知れません。有名な話ですが自動車が開発された時にはタイヤはただ円形の枠にゴムを巻きつけたものだったそうです。そのため振動が直接乗車する人に伝わり、乗り心地が悪かったそうです。この乗り心地の改善にさまざまな検討をしましたが、なかなか名案が浮かびません。そんなある日に考えながら公園を散歩していると、どこからかボールが飛んできて頭に当たりました。ゴムボールは中に空気が入っているので痛くありません。その時にタイヤに空気を入れて衝撃を和らげるというアイディアが生まれたという有名な話があります。要は何かの企画や設計などを真剣に考えれば考えるほど、日常の中でもそれを考えてしまうことのほうが普通で、就業時間の時だけ考えて、時間外は一切業務のことは考えない程度の思い入れでは、優れた企画や設計は出ないいのです。そもそもホワイトカラー業務は時間との相関関係など存在しないことを改めて認識しなければなりません。

 このようなホワイトカラー業務に時間を主軸とした管理という歪んだ考え方をはめ込むこと自体にそもそも無理があるのでしょう。ホワイトカラーの残業代を不支給にするという考え方は、時間管理を行っている前提の話ですので全くの反対です。しかしホワイトカラーの時間管理を無くすという考え方は自然であり、わかりやすく公平であると思います。これは年収の高さなどは全く関係がありません。残業代を払うはらわないという議論ではなく、時間管理という考え方がなじむか否かという事が重要だということです。

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プロフィール

林 明文 (はやし あきふみ)

代表取締役 シニアパートナー

青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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