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column

徹夜せよ!

 コンプライアンス観点では主張することができませんが、近年のワークライフバランスなどの議論に本音ベースで真っ向から対立する論点を提示します。週40時間労働や有給取得奨励、在宅勤務などのワークライフバランスの考え方は、多様で豊かになり、高齢化が進行する中で注目を浴びる議論です。この方向自体については全く反対ではありません。また当社はクライアントに対して適正なワークスタイル確立のコンサルティングをしているとも言えますし、自社でも徹底する努力をしています。しかしこの議論に決定的に欠如していることは、勤務時間の短縮、非連続な時間での業務遂行、自宅などオフィス環境が整備されていない場所での業務遂行など働き方への規制を緩めることそのものに焦点が当たりすぎていて、反対に今まで以上の時間生産性や協業生産性を上げることが同じ以上の重さで議論されていないということです。勤務形態の自由化と生産性向上の議論では、後者のほうが相対的に軽視されていると感じるのです。まあストレートに言うと過去に比較して働き方が甘くなったということです。

 このような“緩和”が議論される前までは、仕事の仕方や仕事に対する時間投下が今よりもシビアでした。どんなに夜遅くなろうとも仕事が終わらなければだれも帰りませんし、忙しい中プライベートで先に帰る時などは、上司にこっそり事情を告げて周りに気を遣いながら帰ったものです。またどんなに遅くなろうとも、徹夜しようとも翌朝の朝九時には何もなかったかのように振る舞うことがビジネスマンとしてのよきスタイルと思われていました。自分のミスや生産性が低いことから遅くなることについては、超過勤務手当の申請などは自制するのが当たり前で、会社に存在していた時間を超過勤務手当の対象とはだれも考えていなかったのではないでしょうか。もちろん生産や営業などの現場では当時から時間管理は意識されていましたので、上記のような感覚ではなかったと思いますが、企画や管理などのいわゆるホワイトカラー業務では、時間なんて関係ないという感覚が濃厚でありました。

 現在では高齢化成熟化していく中での新しい時代の働き方という方向性を強力に推進していかなくてはならないことは当然です。しかし前述のように“緩和”が大きくなった分、生産性を向上させなければなりません。また経営環境は依然厳しく、企業が成長していくためには今まで以上のアウトプットの量と品質が要求されます。現在よりもさらに生産性を向上しなくてはならないということです。このような生産性向上を実現するためには、いくつかの重要なポイントがあると思います。まず単純に時間生産性向上のためのタイムマネジメントの徹底を常態化するということです。これを常態化し、しっかり管理していく企業は未だ多くありません。次にこれだけ情報技術や様々な技術進化をしている環境において、個人及び組織がより高い生産性を実現する手段をもっと研究しなくてはなりません。以前よりオフィス環境の整備の重要性は認識されていますが、環境整備という観点でも、物理的なオフィス構造をより科学的根拠で見直すことも必要でしょうし、音や香や内装、など他分野にわたって生産性向上のための検討範囲に入ります。また会議など複数の人による共同生産性向上のための様々なツールや教育なども、もっと注力しなければなりません。また働く側の生産性向上に対する何らかの処遇反映も必要でしょう。端的に言えばちゃんと評価して処遇しましょうということです。

 そして最後にコンプラ違反になる覚悟で言いますが、働く側の権利主張を重視する傾向、就業の終了時間が来れば帰宅してよいなどという甘い考えや、自分の能力やモチベーションが欠如していることから、時間内に十分な生産性で仕事ができない社員に対して、強烈な指導をする文化を創ることが必要です。能力・やる気が欠如している社員に対しては、自己研鑽の指導をするなど、時間外での能力向上を求めることを普通の文化にしなければなりません。時間内にミスや能力、モチベーションの欠如でアウトプットが出せないなら、会社にはわからないように、いくらでも時間を使ってでもアウトプットを出さなくてはならないという文化をもつことも精神論として必要です。徹夜せよ!と会社側からは言いませんが、それでも隠れて徹夜してアウトプットを出し、何食わぬ顔で出勤するくらいの気概がほしいというのが本音ではないでしょうか。

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