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社内コミュニケーションとデジタルリテラシー

執筆者: 高柳 公一 経営

「情報が共有されない」「レスポンスが遅い(来ない)」「自分も意見を発しない」等、社員のコミュニケーションに課題を感じている企業は少なくない。

組織として、トップと中間層、そして各現場で方針や事実認識が異なってはならないのだが、現実には、社内コミュニケーションが適正に機能せず、トップのあずかり知らぬところで、忖度され、誤った行為が長年行われていたような不祥事が、ここ数年、毎年のように発生している。また、社会的な問題にまで至らないにしても、社内コミュニケーションは、人間でいえば血液のようなもので、組織のどこかで、情報が滞留したり、誤った情報が流通されたり、あるいは、必要な情報発信がされなかったりして、組織全体のパフォーマンスに影響を与えてしまう事態は、多かれ少なかれ、どこの企業でも起こっている。

経営環境が、今まで以上に、予測不能で、かつ急変する中、さらには、働き方改革や生産性向上という国家的課題に取り組んでいく中で、我が国の企業内コミュニケーションの品質向上は最優先課題であり、実際、多数の企業の人事部門が、様々な階層に対するコミュニケーションスキル向上のための研修施策に注力している。ただ、社員一人ひとりのコミュニケーションスキルや意識向上を目指した研修施策に取り組むことは極めて重要なのだが、実のところ、それだけでは十分とは言えない。

より全体的な視点で、組織の情報流通の仕組みやインフラのリデザインといったコミュニケーションの構造にもメスを入れることも当然、必要になって来る。 ただ、こちらの話となると、現状の取組み姿勢に企業間でずいぶんと濃淡があるように感じている。

たとえば、コミュニケーションツールの活用で言えば、TV会議システム。主要な経営機能が複数の地方拠点に分かれている企業等では、日常的に使われているところも多いが、設備は一応あるものの、埃をかぶったまま、ほとんど使われてない企業もかなりある。理由としては、使い方がよくわからない、あるいは、なんとなく、実際に会って話したほうがよいから、といった属人的あるいは漠然とした理由で、せっかくの有効な機器が放置されている。しっかり操作方法を把握し、使いこなせば、もっと業務の生産性は高まるはずだ。

また、電話とメールが、社内コミュニケーションの主要なコミュニケーションツールとして利用されているが、最近では、それに加えてチャットを利用しようという動きがある。チャットは、ラインやフェイスブックメッセンジャーのようなもので、それぞれのテーマごとに、予め複数の相手と共有するチャットルームを設定しておけば、パソコンやスマホで、そのメンバー全員と瞬時にコミュニケーションが出来たり、過去の履歴を遡って、コミュニケーションの経緯を確認することもできるという利点がある。メールだと過去のメールを一件づつ、開けて確認しなければならないが、チャットであれば、その必要はない。また、メールと違い、あいさつ文など、形式ばった文章を書く必要もないところもメリットとして挙げられる。

現時点で、こうした新しいコミュニケーションツールの活用状況は企業により様々だが、これから数年で、こうした新しいツールのバリエーションも増え、今まで以上に急速にビジネス社会に浸透していくというだけは確実だろう。

新ツールの導入に対する主要な障壁は、「使い方が難しい」「従来のやり方の方がやりやすい」といった、おそらく中高年層を中心とした社員のマインドだ。実際、こうした抵抗勢力でも、十分使いこなせるように丁寧に説明することは重要だが、10年後、いや5年後でさえ、いままでのような、電話とメールがコミュニケーションの中心であるということはあり得ないことを認識させることの方が効果的かも知れない。

いずれにせよ、こうした新ツールがビジネス社会に早晩、浸透していく事が、時間の問題なのであれば、組織全体のコミュニケーション力の向上にむけて、他社に先がけ、積極的に導入推進したほうが、経営的に有効と思うのだが、デジタルリテラシーの壁はそれ以上に厚いものなのだろうか。

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プロフィール

高柳 公一 (たかやなぎ こういち)

代表取締役 CEO シニアパートナー

一橋大学商学部卒業。米国ジョージワシントン大学経営大学院修了。プライスウォーターハウスコンサルタント社に入社し、国内外の大手企業に対して、人材開発、業務改善、IT戦略立案等のコンサルティングプロジェクトに関与。その後、トーマツコンサルティング株式会社にて、多くの組織・人事に関するコンサルティングを行った後、当社、取締役シニアパートナーを経て現職。人事分析、人事制度設計、他幅広い分野の人事コンサルティングに多数関与。

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