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column

盲点をなくす

「冬に熱中症!?」

日本海側の北陸地方で生まれ育った私にとって、「冬は、雪が多くて湿った季節」でしたが、太平洋側の東京で暮らすようになると、「冬は、からっ風の吹く乾いた季節」となりました。

そして、つい最近まで「熱中症は夏のもの」と思い込んでいましたが、冬の乾燥した環境では、本人の自覚なく「隠れ脱水」となり、脱水症状を起こして「冬に熱中症」になることがあると知りました。

夏のように汗をかけば、水分を補給しようとするのでしょうが、汗をかきにくい冬、寒くて身体を冷やしたくない冬には、意識的な水分補給を行わず、熱中症になる方がいらっしゃるとのことです。 冬の熱中症…私には意外な「盲点」でした。

「視野には入っているのに、見えていない盲点」には、目の構造からやむを得ず生じた「物理的(生理的)な盲点」と、「気づかない」という「心理的な盲点」の2種類がありますが、「冬の熱中症」は「心理的な盲点」の例ですね。

「物理的な盲点」として見えない部分は、移動したり、見る角度を変えたりすることによって「盲点を移動」させれば、観察することが可能となります。

一方、「心理的な盲点」は、「見えていないことに気づいていない」こと、「自分が充分に理解できていないことを『自覚できていない』ために、対応策や改善策について、考えてみようともしない」ことが問題となる場合があります。

そこで…例えば、「他部門の担当者の理解が充分に得られず、自分(たち)が提案した新規事業がボツになってしまいそうな状況」であっても、相手に怒りを覚えたり、周囲に八つ当たりしたりするのではなく、相手が「どんな視点に立って、何を大切だと考えて、その提案内容を受け止めているのか?」について知ろうとして、対話を持ちかけるなどといった形で、「盲点を無くそうとする姿勢」(他の視点を積極的に得ようとする姿勢、視点を変更してみようとする姿勢)が、良い結果を生むために有効となります。

問題の発生を未然に防ぐためにも、発生した問題を解決するためにも、自分(たち)の、あるいは、従来の視点だけに立脚して、いきなり相手に怒りをぶつけたり、立場の力で従わせたりするのではなく、「何か相手なりの考えがあるに違いないけれど、それは何だろうか」と「相手の視点を理解しようとする姿勢」を持てているかどうか=「自分の盲点を無くそうと、物事を多角的に捉える姿勢」を持てているかどうかは、「さまざまな考えや立場の人々を巻き込んで成果をあげる」ことが期待される経営職・管理職の人々にとって、極めて重要な要件です。

また、問題というネガティブなモノを無くすためだけでなく、「盲点だったモノから新たな着想を得て、イノベーション(創新普及)に繋げる」というポジティブな目的のためにも、「盲点」を無くすことは有用です。

そして、「盲点」を無くすため、(置換や統合を含む)「視点変更」を促すためには、自ら異なる環境に身を置いてみたり、実験(許容可能なリスクを伴うテスト)をしてみたり、他者(利害関係者、メンター、コーチ、想定顧客、素人など)に同じ状況を見てもらったり、異見を持つ人と相互作用(対話や協働)してみたりすることが必要です。

同じ会社、同じ趣味の人とだけ付き合ったり、自分の周りを「Yesばかり言う人物」で固めたりするのは、「盲点を生む姿勢」です。

逆に、日常生活で、意識的に「異質」なモノと触れようとするのは、盲点を無くすためだけに止まらず、新たな刺激や友人を得たり、発想を柔軟にしたり、感性を磨いたりするのにも役立つ、豊かな生き方・働き方を実現しやすい姿勢なのかもしれません。

あなたは「心理的な盲点」と、どのように付き合っていこうと思われますか?

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