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管理職に任期を

執筆者: 林 明文 人事管理

 世の中の重要なポストにはほとんど”任期”があります。政治家や経営者などはその代表的なもので、あらかじめ決められた期間で、目標を達成することを求められます。任期が決まっていることは、在任中の緊張感を明確に持たせることになります。期間内に目標を達成しなければ評価されないからです。もちろん期間内に当初の成果を挙げる人もいるでしょう。また全くその任に向かない人は、任期途中で退場になる人もいるでしょう。

 多くの重要ポストの任期は複数年です。成果を上げるためには、組織の編成を変更したり、部下の意識を変えることも必要となります。また必要な人材を投入したり、逆に必要でない人材を排除することも必要かもしれません。これには時間がある程度かかります。また目に見える成果を出すには、計画、準備、実行というステップを踏み、またこれを一回り行い検証して再度同じサイクルを行ことで、目標達成の実現性を高めます。実際には一年間ではなかなか有効な”実行”ができないかもしれません。また長期的なビジョンに基づき段階的に目標を達成するためには、複数年必要になるでしょう。

 企業においては取締役などの経営陣は多くは2年や3年任期です。基本的には中期経営計画に合わせた経営体制が望ましいでしょうから、中期計画が3年であれば任期も3年が合理的です。この中期計画を重視すればするほど、管理職のポストも複数年が望ましくなるでしょう。多くの企業では、管理職ポストの任期は明示されません。管理職本人も何年このポストを担当するかがわからないのです。重要なポストであればある程、丹念で結果はでないでしょうし、中期計画の目標達成という観点では、中期計画の期間に合わせるのが妥当でしょう。多くの管理職は非常にやりづらいのだと思います。前任の部長が中期計画に基づく部門計画を立案したとします。しかし中期計画途中で別な人が部長に代われば、後任の部長は自分の計画を新たに策定して実行するのはなかなか困難です。管理職の単年度の目標を的確に設定するのが難しいというのは、この計画期間と合致しないポスト任用が一因となっています。

 企業の業績単位は1年ですので、単年度の経営計画が非常に重要であることは間違いありません。また環境変化が激しい中では、中期経営計画はなかなか当初策定したようにはいかないでしょう。そのため単年度でポストの任用を変えてしまいがちになります。

 企業の長期的発展のためには、企業の実戦部隊の管理監督をする管理職の任期を明確にすることも重要な論点です。よく管理職のポストはいつ人を替えるべきかが議論されますが、マネジメントサイクルが、中期計画と、それに従属した単年度計画で構成されているのであれば、基本は3年間となるのが道理です。逆に管理職ポストの任用変更のタイミングとして、別の理由は大したものが見つからないはずです。

 管理職は誰でもできるポストではなく、一度任用したら、複数年の戦略を立て実行させなければ、経営の構造とリンクしないのです。管理職に任期を設定するべきでしょう。任用の基準やローテーションの中での非常に重要な論点ではないでしょうか。

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プロフィール

林 明文 (はやし あきふみ)

代表取締役 シニアパートナー

青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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