投稿日:2026.03.03 最終更新日:2026.03.03
建設業の人材育成・定着を支える人事制度改革|役割等級化、評価制度刷新、処遇改善、65歳定年延長まで一体設計
| 業界・業種 | 建設業 |
|---|---|
| 社員規模 | 500~1000 |
| 実施期間 | 1年半 |
課題・提案
クライアントは、全国に拠点を持つ建設会社です。施工現場を支える現場監督層、組織運営を担うマネジメント層、専門性で付加価値を生む専門人材など、多様な人材で事業を構成しています。
建設業界全体として、人手不足が慢性化し、経験者採用は競争激化によって確保が難しい状況が続いています。若年入職者の減少や技能継承の停滞、現場負荷の高止まりも重なり、「必要な人材を外から採る」だけでは限界があるため、自社内で計画的に育成し、定着させる仕組みづくりが不可欠になっています。特に、現場を束ねる現場監督や中核技能者の不足は、受注・施工能力そのものに直結するため、育成と配置、処遇の納得感を一体で整えることが重要課題です。
こうした環境のもと同社でも、次世代育成と人材定着、処遇競争力の確保、定年延長を見据えたシニア活躍の仕組みづくりが経営課題となっていました。そこで同社は、持続的成長に向けた「目指す姿」を起点に、人材区分・等級・給与・評価に加え、定年延長・役職定年・再雇用まで含めた人事制度の総合的な改定に着手しました。
現行制度では、評価(考課)は運用が形骸化し、年功的な昇格運用が残存しており、特に管理職層では役割と処遇の不一致が生じていました。現場を統括する現場監督は、案件終了後の待機期間における処遇や人数管理が曖昧で、配置と育成の見通しを立てにくい状況でした。さらに、将来的に定年延長を行い人員を確保していきたいのに、再雇用制度が十分に整備されておらず、シニア層の活躍機会と処遇の納得感を高める仕組みが求められていました。これらの課題を踏まえ、等級要件の見直し、適正な評価・処遇、制度の透明性向上を主要目的に設定しました。
建設業界全体として、人手不足が慢性化し、経験者採用は競争激化によって確保が難しい状況が続いています。若年入職者の減少や技能継承の停滞、現場負荷の高止まりも重なり、「必要な人材を外から採る」だけでは限界があるため、自社内で計画的に育成し、定着させる仕組みづくりが不可欠になっています。特に、現場を束ねる現場監督や中核技能者の不足は、受注・施工能力そのものに直結するため、育成と配置、処遇の納得感を一体で整えることが重要課題です。
こうした環境のもと同社でも、次世代育成と人材定着、処遇競争力の確保、定年延長を見据えたシニア活躍の仕組みづくりが経営課題となっていました。そこで同社は、持続的成長に向けた「目指す姿」を起点に、人材区分・等級・給与・評価に加え、定年延長・役職定年・再雇用まで含めた人事制度の総合的な改定に着手しました。
現行制度では、評価(考課)は運用が形骸化し、年功的な昇格運用が残存しており、特に管理職層では役割と処遇の不一致が生じていました。現場を統括する現場監督は、案件終了後の待機期間における処遇や人数管理が曖昧で、配置と育成の見通しを立てにくい状況でした。さらに、将来的に定年延長を行い人員を確保していきたいのに、再雇用制度が十分に整備されておらず、シニア層の活躍機会と処遇の納得感を高める仕組みが求められていました。これらの課題を踏まえ、等級要件の見直し、適正な評価・処遇、制度の透明性向上を主要目的に設定しました。
支援や結果
- 制度設計方針
第一に、計画的に人材を輩出できる「複線型キャリアパス体系」を導入し、マネジメント職・現場監督・専門人材それぞれの成長ルートを明確化しました。

第二に、マネジメント職はポスト数管理とし、ポスト設置の考え方と運用ルールを定義することで、無用なポスト乱立を抑制しました。現場監督は、待機期間中の処遇を明確化し、待機者を含めた人数管理の仕組みを整備しました。第三に、外部労働市場との競争力と誘導したいキャリア方向性を踏まえ、各等級の給与水準を再設計。年功要素の強い年齢給を廃止し、職務に応じた基本給体系へ移行しました。移行期に月収が大きく下がらないよう年収構成を見直し、年収における月収比率を引き上げて安定性を確保しています。手当は家族手当を子ども手当に見直し、借上社宅は透明性の観点から廃止しつつ、対象者を明確にした住宅手当を拡充しました。処遇メリハリは強化しながらも、過度な格差が生じない幅に抑える方針としました。第四に、評価は経営方針との連動を重視し、マネジメント層にMBO、現場監督層にプロジェクト成果評価を導入。定着と評価品質を優先し、初期は処遇反映を抑え、運用成熟に応じて段階的に反映度を高める設計としました。第五に、人材不足への対応として定年を65歳へ延長し、次世代育成とポスト交替促進のため役職定年を導入。ただし現場監督は確保が最優先のため対象外とし、65歳までの職務継続を可能としました。加えて65歳超の再雇用制度を新設し、定年後の活躍機会を担保しました。 - 支援内容
当社は、経営が描く将来像と現行制度のギャップを整理することから着手し、課題を「役割・等級」「評価」「処遇」「シニア人材活用」「運用」に分解して論点を明確化しました。そのうえで、人材区分と複線型キャリアの設計、等級要件の再定義、ポスト管理ルール、現場監督の待機期処遇・人数管理の仕組みを具体化。給与は市場水準と社内バランスの両面でレンジを再設計し、移行措置(年収構成の見直し等)を含めて合意形成を支援しました。評価については、MBO・プロジェクト成果評価の評価項目、プロセス、評点の取り扱い、処遇反映の段階設計を整備し、運用定着を見据えたマニュアル・説明資料の作成まで支援。さらに、定年延長・役職定年・65歳超再雇用の制度間整合を取り、対象区分や例外(現場監督の扱い)を含めた運用ルールを明文化しました。結果として、役割と処遇の整合、評価の実効性、制度の透明性を同時に高め、持続的成長に向けた人材の輩出とシニア活躍の両立に資する人事制度基盤を構築しました。