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HR DATA

モチベーションサーベイ点数経年比較
~配置・業務量管理の満足度は点数が伸びにくい?~

 人的資本の情報開示が進んでいますが、その中でモチベーションサーベイや社員満足度調査といったアンケートを毎年実施、公表している会社は多いと思います。公表するだけでなく、結果の推移を見ることで、施策の効果検証、その後の施策検討に生かすことができます。
 今回は弊社で実施しているモチベーションサーベイの結果を経年で見ていきます。

【図表1:カテゴリ別・年度別の平均点】

出典: 弊社実施モチベーションサーベイ実績(2020~2023)から作成

 カテゴリごとの点数を比較すると、労働環境や人間関係が高め、キャリア展望、評価と処遇が低めという形は4年を通じても変わりません。
 2020~2023ではすべてのカテゴリにおいて点数が上がっています。徐々に点数が上がっていることがわかります。人的資本経営への意識の高まりや、コロナ禍を経ての世界の変化への対応という難しい状況の中、リモートワークの普及など労働環境や条件の改善など、様々な対応をしてきた結果が現れているのではないでしょうか。
 2020と直近の2023年を比較すると、会社の魅力カテゴリは0.2点上がっており、年度による差が大きいです。会社の魅力カテゴリには「経営陣がビジョンを明確に提示しているか」、「社員とコミュニケーションをとっているか」、「変革挑戦の姿勢があるか」と言った項目が入っていますが、人的資本経営の推進がなされるうえで、パーパスなど企業の存在意義や方向性を示し、浸透させていくことの重要が高まっており、これらの施策の推進が増えてきたことが、点数が上がってきている要因として推察できます。

【図表2: カテゴリごとの経年で伸びている回数 減っている回数の割合】

出典: 弊社実施モチベーションサーベイ実績(全データ)から作成

 図2は、経年で実施している会社の結果から、会社ごとに前回比較を行い、点数が上がっている回数、下がっている回数の割合を示したものです。前回から点数が上がっている割合が大きいのは「評価と処遇」、前回から点数が下がっている割合が大きいのは「スキル・配置」ということがわかります。
 「評価と処遇」については、図1の平均点の比較では低い水準ではありますが、経年でみると徐々にではありますが上昇基調にあり、点数が上がっている割合も大きいことから、物価上昇に伴う手当の支給や人材獲得、確保などを見据えた賃上げなどが各企業では進んでおり、一定の効果がみられるようです。
 「スキル配置」は図1の平均点の比較でも低めの点数水準であり、適正な配置や業務量の管理ということは人材不足の現代においてなかなか改善をしていくのは難しい事象と言えるかもしれません。生産性向上の取組みがうまくいっていない、本当に効果的な手法を取れていないなど、現状の把握から解決策を検討する必要があるでしょう。

 カテゴリによって点数の上昇度の違いがあることがわかりました。施策を講じても点数が変わらなかった場合はそれがなぜなのか、深く検討する必要があるでしょう。また、一度点数が上がったとしても、そこで終わりではなく中長期的にどのような状態を目指すのかを考え続けることが必要です。

補足)カテゴリごとの主な設問内容

以上