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HRデータ解説

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有効求人倍率<br />~不景気は採用のチャンス?!~ | 人事制度設計

有効求人倍率~不景気は採用のチャンス?!~

 新型コロナウイルス感染拡大等の影響を受け、採用を控える企業も増えており、有効求人倍率にも表れています。今回は、有効求人倍率の推移や職種ごとの違いについて解説します。  有効求人倍率とは、ハローワークに申し込まれた求人数を求職者数で割ったものであり、1を下回ると求人の数が求職者数よりも少ないことを示します。有効求人倍率は景気動向による短期的な変化が多く、景気の下降局面では有効求人倍率も下降しています。  過去の推移を見ると、高度経済成長期やバブル経済のピーク時に2.00倍を超えており、リーマンショック時には史上最低値の0.42倍を記録しています。直近の数字を見ると、新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛要請等の影響を受けて、2020年7~9月に1.05倍まで下がっています。  なお、ハローワークの求人のみが対象であり、ハローワークを経由しない紹介による採用やインターネットを活用した採用活動は反映されていない点、パート・アルバイトの求人も含む点に注意は必要です。 (図表1:有効求人倍率、新規求人倍率) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、内閣府「景気循環日付」注1)新規学卒者を除きパートタイムを含む注2)1973年から沖縄を含む注3)四半期平均注4)図中、灰色の期間は、景気の下降局面(山から谷)である。2018年10-12月期の山は暫定。  一方で、職種別に見てみると、有効求人倍率の高さにかなり差があることが分かります。例えば、とび工や解体作業員等が含まれる職種である建設躯体工事は、令和2年11月度9.79倍、前年同月12.40倍であり、10~12名の採用枠に対して求職者は1名程度という状況です。景気動向による影響は多少あるものの、深刻な人手不足が生じていると言えます。  一方で、飲食店やホテルの従業員を含む職種「接客・給仕」、ソフトウエア開発者等を含む職種「情報処理・通信技術者」では、昨年から有効求人倍率が約半分となり、1倍に近づいています。また、「一般事務」等の職種においては、景気の降下の影響に関わらず、1倍を下回っています。  なお、令和2年11月度の職種別の有効求人倍率が前年比では下がっていることは、いずれの職種においても共通しています。 (図表2:職業別の有効求人倍率(令和2年11月、前年同月)) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、内閣府「景気循環日付」注)一部職種を抜粋している。  コロナ禍における景気低迷を含め、景気の下降局面で有効求人倍率が低下し1倍に近づいた職種や、1を下回っている職種について、人材の強化を目指す企業の観点からは非常に有利な機会であるとも言えます。景気降下局面には採用を控えることを検討しがちですが、求人数に対して求職者が多いということにより、採用において十分なセレクションが可能となるためです。例えば、高い技術力を持つ人材や経験豊富な人材を吟味できるのです。労働市場の動向を見極めて有意義な人的投資を実現したいものです。 以上

新規学卒者初任給<br />~令和の新卒は年収1000万円?!~ | 人事制度設計

新規学卒者初任給~令和の新卒は年収1000万円?!~

 令和元年の大卒初任給の平均は約21万円であり、過去最高額を記録していますが、この金額は高いと言えるのでしょうか。  当然、初任給の水準には業種による差があり、人材を獲り合うような業種では水準が上がります。例えば、令和元年の大卒初任給は、情報通信業の21.8万円に対して、宿泊業・飲食サービス業は20万円と開きがあります。  ここでは全体感を把握すべく、全業種を平均した値により初任給金額の推移を見ることとします。学歴別に初任給金額の推移を見ると、いずれの学歴においても直近24年で2万円前後と、じわじわと増額しているのが分かります。大卒では19,500円、高専・短大卒では22,700円、高卒では16,600円、大学院卒では直近15年間で18,500円の増加です。 (図表1:学歴別初任給金額の推移(全産業)) 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(長期時系列データ)注:大学院卒の初任給データは平成17年以降のみ  さらに、物価の上がり下がりを加味した実質初任給にて過去の推移を見ると、実質的な増額幅はより小さいことが分かります。物価の変動を加味すると、大卒では約11,000円、最も伸びが大きい高専・短大卒でも約15,000円の伸びに留まっています。 (図表2:実質初任給金額の推移(全産業)) 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(長期時系列データ)   総務省「消費者物価指数」(長期時系列データ)注:初任給金額(円)÷消費者物価指数(%)により算出した  初任給に限らず、平成の約30年間で賃金は大きく上がっていません。産業がすでに成熟し、大きな経済成長の見通しもないことから多くの企業では景況感に不安を抱えており、コスト低減を前提とした戦略を取っているのです。実際、2000年以降労働分配率は低下傾向にあります。  今後の初任給のあり方は、企業の戦略のあり方や採用市場の状況により大きく引きあがる職種と、今後も横ばいもしくは微増を続ける業種の大きく2つに分かれるのではないでしょうか。  事業構造や収益構造に変革をもたらすことができる企業では、コスト低減に依存した収益拡大の戦略を脱し、変革や成長に資する人材の確保に乗り出します。例えば、NECでは2019年10月より新人事制度を導入し、新卒でも年収1000万円以上を得ることを可能にしました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)や国内のメガベンチャーと人材の獲得競争をする中で、何とかして優秀な研究者を獲得したいという思いがあるようです。¹このように、高いコストをかけてでも確保したい人材に対し、年齢を問わず、より魅力的な金額を提示する企業が多い業種では、企業間の人材の獲り合いも活性化し、初任給水準は大きく引き上がるでしょう。  一方で、年功的に賃金水準を徐々に上げる思想にある会社では、総額人件費の高騰を懸念し初任給水準を上げられないという実情があります。また、なかなか新しい付加価値や収益源を見いだせず、コスト低減による利益のねん出を続けざるを得ない企業や、そうした企業が多い業種においても、初任給水準は今後も横ばいか、人材不足等の影響による最低限の微増に留めざるを得ないでしょう。 以上 参考文献 1:日経ビジネス「NECが「新卒でも年収1000万円」制度を導入した真意」(2019年10月16日)https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/101100042/

都道府県別人口<br />~深刻化する人口減少と都道府県間格差~ | 人事制度設計

都道府県別人口~深刻化する人口減少と都道府県間格差~

 現在わが国の人口は減少傾向です。2008年をピークに減少が始まり、2011年以降9年連続で減少しています。そして、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると2040年代後半には1億人を割るという推計まで出ています。また、人口減少問題を都道府県別にみると、より深刻な状況がわかります。例えば、都市部への一極集中で都道府県間の人口格差が広がっています。その結果、人口減少の著しい都道府県はマーケットとしての魅力を大きく失いつつあります。  人口の絶対数で見ると、2015年は上位25%の都道府県だけで全人口の60%の割合を占めています。一方、下位25%の都道府県が全人口に占める割合は8%程度です。以上から、一部の都道府県に人口が集中し、人口格差が発生している事が分かります。  2030年時(推計)の人口で見ると、ランキング上位では、東京都、神奈川県、愛知県等は数値が大きく変わらず、依然としてマーケットの魅力が高いと言えます。一方、大阪府と北海道は減少数が約60万人と大きく、マーケットの魅力が大きく下がります。  また、ランキング下位では、宮崎県、富山県、秋田県が100万人を割ります。このことから、相対的な増減数は平均程度ですが、マーケット魅力の低下は避けられません。 (図1) 出典:総務省『国勢調査』2015年時の人口ランキング上位・下位25%を抜粋したもの。また、2030年時の数値はランキングではなく、2015年時のランキングに入っている都道府県の2030年時データである。  人口の増減率で見ると、全国的に東北地方・四国地方の都道府県の減少率が大きいです。その為、これらの都道府県はマーケットの魅力の低下度合いが大きいと言えます。理由は様々ありますが、例えば秋田県は出生率が低いと同時に死亡率が高い傾向にあります。同時に、県外への流出傾向も強いことから減少率が高くなっている可能性が高いです。 (図2) 出典:総務省『国勢調査』  都道府県別に見た人口の減少傾向は、ビジネスの仕方に大きく影響を与えます。例えば、100万人を切る都道府県の場合、ビジネスを行う単位として見ることが出来なくなる可能性があります。その為、支店の設置を県別ではなく中規模の地域単位で行って事業拠点を統合するなど、マーケット運営の効率化が進みます。それに伴い、リモートワークなど社員の働き方を変えなければならない必要性が生じます。特に、人口減少率が高い都道府県の場合、今後急速にマーケットとしての魅力が失われますので、組織の在り方を早急に考えなければなりません。  また、都市一極集中の傾向によって、地域間の物価差がより大きくなる可能性もあります。その為、社員の給与を働く地域によってコントロールがすることが必須となります。  以上  

労働者の就労に対する意識(年齢階層別)<br />~時代で変わる「働く目的」、やはりお金が一番?~ | モチベーションサーベイ

労働者の就労に対する意識(年齢階層別)~時代で変わる「働く目的」、やはりお金が一番?~

 労働者の就労に対する意識(以下「働く目的」とする)は、労働者の労働意欲・パフォーマンスに大きく関わります。その為、効果的な人材活用にあたり「働く目的」をしっかり踏まえた上で施策を検討する必要があります。但し、「働く目的」は時代や社会的背景に大きく影響を受け、世代によってその特徴に違いがある為、時代の変化に応じ世代別の傾向を捉えておく必要があります。  内閣府の『国民生活に関する世論調査』(2019年)によると、世代にかかわらず労働者の大半が「お金を得るため(=金銭的報酬)」に働いていることが分かります。特に、20代・30代・40代の三階層は割合の高さが顕著で、回答の約7割を占めています。一方、40代以降はその割合が低下し、70代以上の階層では4割程度となります。  そして、「生きがいをみつけるため (=生きがいを求める志向)」に働く労働者は40代以降で増加し、当該階層で1割程度だった割合が70代以上の階層では3割程度となっていることから、年齢が上がるにつれ重要視されていることが分かります。 (図表1)労働者の就労に対する意識 出典:内閣府『国民生活に関する世論調査』労働者の「働く目的」に関する調査結果(単一回答)を年齢階層別に示したもの    また、当該調査結果はこの20年間(2001年比(※))で大きく変化しました。 例えば、「お金を得るため(=金銭的報酬)」に働く労働者の割合は全世代において増加しています。他にも、「自分の能力や才能を発揮するため(=キャリア志向)」に働く割合は20代(若年層)で増加し、「生きがいをみつけるため(=生きがいを求める志向)」に働く割合は50代以降の高齢層で大きく増加しています。 ※2001年は、就職氷河期のピーク、情報化の進展(ブロードバンド元年)等社会環境が大きく変化した年として比較対象とした。 (図表2)労働者の就労に対する意識 出典:内閣府『国民生活に関する世論調査』  以上、世代別傾向を踏まえた上で「働く目的」別に以下の事が言えます。 「お金を得るため(=金銭的報酬)」は、2019年において全年齢階層で一番高い割合を占めています。また、2001年比で見てもその割合は全年齢階層で増加しており、働く目的として重要視する傾向がより強くなっています。このことから、労働生産性を高めるとともに、労働分配率を見直して社員への配分をより高める事が重要です。  「自分の能力や才能を発揮するため(=キャリア志向)」は、2019年において20代が一番高い割合を占めています。また、2001年比で見ても20代における割合は増加しており、若年層のキャリア志向が進んでいます。今後そういった成長意欲の高い人材を会社の主要な戦力として育成していく場合、重要なことが主に二つあります。まず、キャリアパスが明確で、魅力的なキャリアゴールを描ける制度になっていること、そしてキャリア構築をサポートする計画的な育成施策が整備されていることです。  「生きがいをみつけるため(=生きがいを求める志向)」は、2019年において50代以降で高くなっています。また、2001年比で見ても50代以降における割合は大きく増加しており、昨今働く目的として重要視されてきています。今後雇用年齢の上限延長に伴って増加が見込まれる定年再雇用者の活用は非常に重要であり、その為にも高年齢者が生きがいや働きがいを得られる体制を構築していく必要があります。  例えば、定年後も能力発揮が求められるような再雇用の在り方について検討する事が必要です。他方で、働き方に多様性を受け入れる体制の整備も必要です。これらを踏まえ、定年の5年以上前からキャリア形成支援の研修を実施する事や、継続雇用契約を締結する際に本人の求める労働スタイルにマッチした職務の提供を行う事も重要となります。 さらに、50代以降は健康寿命を延伸しないと体力・気力が大幅に低下し、それに応じてパフォーマンスが著しく下がってしまいます。その為、高年齢者の活用に当たっては、健康経営の推進も非常に重要となります。                 以上

単身赴任の割合は約1.5倍に増加|単身赴任手当など処遇の見直しが重要 | 人事制度

単身赴任の割合は約1.5倍に増加|単身赴任手当など処遇の見直しが重要

 ワークライフバランスが叫ばれる昨今においても、遠方での業務のために家族と離れて暮らす単身赴任の割合は意外にも増加しています。今回は、単身赴任割合の推移について解説します。  過去の推移を見ると、単身赴任者の割合(注1)は増加傾向にあり、1990年代後半から2017年までの間に約1.5倍となっています。共働き世帯の増加や親族の介護などの事情により、転勤の命を受けた場合であっても家族を帯同して赴任することが難しいケースが増えていることが影響していると言えるでしょう。   (図表1:単身赴任割合の推移) 出典:独立行政法人労働政策研究所「ユースフル労働統計2019」 注1)従業上の地位が雇用者である有業単身世帯数÷雇用者数により算出された割合を単身赴任割合とした。  単身赴任割合を年齢別に見ると、いずれの年齢においても増加傾向にあります。40代だけが横ばいとなっているのには、就職氷河期などの影響により労働者自体が少なく、異動を命じる余地がない割合が他の世代よりも高い可能性があります。  その他の各年代の中でも、1997年と比較して60代以上では2倍近くと、特にシニア世代は大きく伸びています。高年齢雇用安定法の改正によって2006年以降の定年の引き上げや再雇用による継続雇用制度の導入が企業に義務化されたことが影響していると考えられます。再雇用時のポストの空き具合等の都合による異動や、グループ会社への出向などに転勤が命じられるケースが考えられます。   (図表2:年齢別の単身赴任割合) 出典:独立行政法人労働政策研究所「ユースフル労働統計2019」 注2)男性のみ  一部企業ではコロナ禍におけるリモートワークの普及を受け、単身赴任を解除する動きが見られるものの、今後急に単身赴任者が大きく減ることは考えにくいでしょう。  単身赴任に際して支給する単身赴任手当等の支給実態を見ると、支給金額が合理的な理由をもとに決められている会社は少ないのが現状です。今後も単身赴任者が発生し続けることを踏まえ、単身赴任に関する処遇の見直しが必要でしょう。 以上

大卒者の増加 ~総合職・高度専門職の候補者が倍増?!~ | 人事制度設計

大卒者の増加 ~総合職・高度専門職の候補者が倍増?!~

 現代の日本では、少子化が著しく進んでいます。図1は、出生数と22歳人口を示しています。平成元年には約125万人が生まれていましたが、平成27年時点では約100万人と、平成の約30年の間に20%も減少しています。また、大学を卒業する年齢にあたる22歳人口も平成7年をピークに減少し続けており、平成27年にはピーク時の約6割にまで急激に減少しています。    (図1)22歳の人口の推移 出典:総務省統計局『人口推計 長期時系列データ(大正9年~平成12年)』総務省統計局『人口推計 長期時系列データ(平成12年~27年)』 厚生労働省『人口動態調査 人口動態統計(確定数)出生』  一方で、(図2)の大学進学率に目を向けると平成元年には約25%から平成27年の約52%へと倍以上に増加しています。大学進学率とは、高校卒業者のうち大学へ進学する人の割合です。(図1)と併せて見てみると、子供の数自体は減っている一方で、大学に進む人の割合は大きく増えていることが分かります。   (図2)大学進学率 出典:文部科学省『学校基本調査 年次統計 進学率(1948年~)』  さらに、(図3)にて大学卒業者数の推移を見てみると、年により多少の増減はあるものの、基本的には増加傾向です。平成元年には約40万人が大学を卒業していますが、平成27年には約56万人にまで増加しています。大学卒業者数に占める就業者数の推移を見ると、一部景気の好悪の影響を受けている年があるものの、基本的には毎年大学卒業者数の7割程度の人が就業しています。その数も、大学卒業者数と同じく増加傾向にあることが分かります。   (図3)大学卒業者数・大学卒業後の就職者数の推移 出典:文部科学省『文部科学統計要覧(平成30年版)11.大学』  これらのデータから、子供・若手の数自体は減少しているものの、大卒向け新卒採用の母集団は増加していることが分かります。今後も経営幹部・管理職の候補となる総合職人材や高度専門職等の採用の状況は大きく変わることはないでしょう。  一方で、若手の人口自体は減少しながら大卒が増加しているため、高卒・専門卒・短大卒等では採用母集団が縮小傾向です。労働市場におけるこれらの人材の供給は不足する見込みであり、企業の採用のあり方に変化をもたらすでしょう。具体的には、これまで高卒・専門卒・短大卒等を採用してきた人材を若手以外の人材に置き換えたり、社外へのアウトソーシングを活用したりする等、多様な人材の活用が進むことが考えられます。 以上  

適切な管理職の割合は約10%|業種・企業規模別の管理職比率 | 人事アナリシスレポート®

適切な管理職の割合は約10%|業種・企業規模別の管理職比率

 管理職は経営陣と一体となり、会社を牽引する非常に重要な役割を担うポジションです。重要性は極めて高く、指揮指導により組織を牽引する社員が全社員に占める割合は決して多くはないはずです。管理職比率の妥当な水準はどの程度なのかを探るべく、企業規模別・業種別の管理職比率のデータを解説します。  図表1は、企業規模別の正社員に占める部長比率・課長比率を示しています。企業規模が大きいほど部長比率は低く、課長比率は高い傾向にあることが分かります。部長比率に関しては、大企業であれ、中小企業であれ、部として設ける機能の数に大きな差が無く、必要な部の数に大きな差が無いため、大企業の方が社員に占める部長の数が少なくなることが考えられます。  一方の課長比率については、中小企業では組織規模が小さいことから、部長が課長の役割も兼ねるケースがあることや、大規模な組織では課長代理・課長補佐など、ラインマネジメントを担わないものの年功的な観点から課長級として処遇される社員を抱える余裕があることなどが影響していることが考えられます。  こうした傾向があるとは言え、部長比率・課長比率の合計はいずれの企業規模においても10%程度と、顕著な差がある訳ではありません。この数字は、実感とかなりの乖離があるのではないでしょうか。管理監督者の比率という観点では、特に年功的な人事管理を行っており平均年齢の高い会社では、30~50%という会社も散見されます。単に組織の管理者という視点では10%程度で足りるのに対してかなりのギャップがあることが分かります。   (図表1)管理職比率(平成30年) 出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』  次に、図表2で業種別に管理職比率をみてみると、産業計や他の業種と比較して、建設業では突出して高く、運輸業・郵便業は低いことが分かります。建設業では、1つの現場に対して元請け、下請け、孫請けがあるなど、ビジネスの構造が多重構造となっており、関与社数が多く、各社ごとに管理職社員がいるため、業界全体としても管理職比率が高くなっているのです。  一方の運送業では、管理職は運送・配送という単一の業務を担う人材を取りまとめるため、管理する部下の数を多く持てること、収益性の観点から管理する社員よりも現業に関わる社員を多くする方が効率的であることから、管理職比率が低く抑えられているのです。   (図表2)産業別部長比率および課長比率(平成30年) 出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査』  管理職比率が図表1や図表2の水準並みである場合も、管理職比率と管理監督者比率の間に大きな乖離がある場合には、総額人件費や労務的の観点で問題があり、早急な見直しが必要です。  また、最適な管理職比率はビジネスモデルのあり方や正社員比率などにも依存するため、外部の水準によらず、ユニークな場合もあります。定期的に生産性の指標や、管理される側の従業員の働きやすさなどをモニタリングし、自社に合った水準を探り、上手くコントロールすることが望ましいです。 以上

若年・中堅層の転職率は全体の約3倍に増加|離職防止のための人事制度 | モチベーションサーベイ

若年・中堅層の転職率は全体の約3倍に増加|離職防止のための人事制度

 昨今、日本国内における人材の流動性が高まっています。背景にあるマクロ環境要因としては、終身雇用の衰退や、若者の転職に対する意識の変化などがあると想定されますが、いずれにせよ転職者の割合が今後増加する事に伴って、人事管理の在り方を変革していく必要があります。  図1は、転職者比率(以下転職率と称する)に関する推移を年齢階級別に示したものです。総数の推移で見ると、2011年の4.5%から2019年の5.2%で、1年あたり約0.1%の微増傾向となっています。また、年齢階級別にみると、基本的に若い世代になるほど転職率は高くなっています。直近1年間では、15-24歳で1.0%、25-34歳の階級で0.8%と大きく割合が増加しています。総数の増加割合である0.3%と比較すると、約3倍程度も増加しており、若年層~中堅層ほど顕著に転職率が増加している事が分かります。   (図1)年齢階級別転職者比率 出典:総務省『労働力調査 詳細集計(長期時系列データ)』  図2は、転職率が高い若年~中堅層において、実際に転職した人材の離職理由を示したものです。割合上位の項目(「その他の理由」を除く)に着目すると、どちらの階層も共通して、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「職場の人間関係が好ましくなかった」「給料等収入が少なかった」の項目が上位3つを占めています。それぞれの階層でこれら上位3項目の割合を合算すると、19歳以下~24歳の若年層では43.9%で約2人に1人が当該理由によって辞職しています。同様に、25歳~34歳の中堅層では35.0%で約3人に1人が当該理由によって辞職しています。以上の事から、転職率の高い若年~中堅層においては、労働条件・人間関係・給料に関する問題が主な辞職理由となっていることが分かります。   (図2)転職入職者が前職をやめた理由別割合(2019年) 出典:厚生労働省『雇用動向調査』出典の転職入職者数データを基に加工  今後も人材の流動化はゆるやかに進んでいくものと考えられますが、流動化の進行に伴い、人事管理として中途採用の強化と離職防止の重要性が増すと考えられます。  中途採用の強化によって、今まで育成できなかったタイプの人材を採用できるチャンスが増えるとともに、即戦力の人材を獲得できるメリットがあります。但し、優秀な人材を採用するためには、求める知識、スキルを明確にすると同時に、労働市場に連動した給与へ転換する必要があります。つまり、職種、等級制度、給与制度の再整備が必要になるということです。  同時に、自社の社員の過度な離職も防止しなければなりません。特に若年者層に対してはワークライフバランスを重視した、労働条件・環境の整備が求められます。また、若年者層に関わらず、社員満足度調査などを定期的に実施して、離職の主要な原因を分析し、対応していくことも必須であると言えます。               以上

非正規雇用の割合は30年で2割から4割に増加|人件費構造の見直しが企業の急務 | 人事アナリシスレポート®

非正規雇用の割合は30年で2割から4割に増加|人件費構造の見直しが企業の急務

 ここ30年の間に非正規雇用者はその数でも、雇用者に占める割合でも大きく増加してきました。近年では、非正規雇用の活用の弊害や限界も指摘されていることから、今後は非正規雇用者の正規社員化や処遇の改善が進み、非正規割合の伸びは鈍化し、その後は減少傾向になることが予想されます。非正規割合の高い業種や企業では収益構造の転換が求められるでしょう。  図1を見ると、平成の約30年の間に、雇用者に占める非正規雇用者の割合は約2倍へ大きく増加していることが分かります。平成元年の非正規割合は約20%でしたが、平成31年には約40%と、雇用者の5人に2人が非正規雇用者となっています。平成9年の消費税増税や平成10年の金融危機の影響から景気が急速に悪化し、特に平成10年から平成15年までの5年間は非正規割合の伸び率が突出して高くなっています。この5年間の雇用者全体の内訳を見ると、正規雇用者数が減少し、非正規雇用者数が増加しています。景気の悪化を理由に、各企業が非正規化を進めたのです。   (図1)労働人口構成 出典:総務省統計局『労働力調査 長期時系列データ(詳細集計)』  これまで、人件費をできる限り抑え利益を確保する目的で、非正規雇用者の活用が進んできましたが、こうした目的での非正規活用はあらゆる問題もはらんでいます。例えば、非正規雇用者の賃金の低さ、経年での賃金上昇の少なさ、社会保険への未加入などです。そこで近年、同一労働同一賃金や無期転換の促進、社会保険の加入対象の拡大など、非正規雇用者の処遇改善への動きが見られるようになりました。  これらの動きを背景に、今後は非正規雇用者の処遇が正規雇用者並に引き上げられること、非正規雇用者の正規雇用化が進むことが見込まれます。これらは、非正規活用を進めてきた企業の人件費コストを大きく押し上げることとなるでしょう。例えば、総従業員数100名、非正規雇用者の比率が50%の企業で、非正規雇用者全員を正規雇用化するとします。正規雇用化に伴い給与水準の引き上げや賞与の支給などを行い、1名あたりの人件費単価が200万円増加する場合には、企業全体で1億円もの追加の人件費が発生します。  非正規雇用者を多く活用することで戦略的に利幅を上げてきた企業ほど、非正規雇用者の処遇改善のための人件費負担を重く背負うこととなるため、人件費構造や利益構造の見直しが急務となります。 以上

地域間の人口移動 ~都市集中により人事管理の見直しが必要~ | 人事アナリシスレポート®

地域間の人口移動 ~都市集中により人事管理の見直しが必要~

 わが国では現在、本格的な人口減少の下にあることは既知のことです。人口に影響を与えるのは、出生動向、死亡動向の2つの要素となります。日本は出生率が低く、寿命が延びているので人口減少となります。日本全体は減少しますが、これを都道府県別などの地域別にみるとさらに深刻な状況がわかります。地域の人口動向は、地域間の転入と転出の差が目立つ地域が増えてきているため、出生動向、死亡動向と同時に地域間の人口移動の人数が重要となります。  国立社会保障・人口問題研究所の「地域別将来推計人口」によると、今後2045年までに約14%の人口減少となります。地域別には一律ではなく、東京圏は6%しか減少しませんが、関西圏は17%、名古屋圏は12%、他の地域では20%もの人口減少となると予想されています。地域別にに人口減少のインパクトが異なるということです。例えば東京圏は2020年は3600万人2045年は3400万人と大きく変わりませんが、他の地域(東京・関西・名古屋以外)は5500万人から4400万人と激減します。この人数は市場の大きさを表すために、東京圏はビジネスとして変わらない魅力的な商圏でありますが、地方は広い面積で多くの人数が減少することから、急速にまた驚くほどマーケットとしての魅力が低下するということです。 (図表)地域別人口推移予測(単位:千人) 出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年」東京圏は埼玉県,千葉県,東京都,神奈川県、名古屋圏は岐阜県,愛知県,三重県、関西圏は京都府,大阪府,兵庫県,奈良県とし、それ以外を地方圏と定義しています  この人口減少と相対的都市圏集中は、日本におけるビジネスを大きく変えることになります。多くの企業は地方マーケットをより効率的に運営することを考えるでしょう。またビジネスの効率性という観点では、都市圏に経営資源を集中する企業も多くなると考えられます。各都道府県に支店を置くという感覚がなくなる可能性が高いということになります。社員を固定的に地域に配置することはより非効率となるため、徹底したシステム化などビジネスモデルそのものが大きく変わる可能性が高いと考えられます。  この都市圏集中は地域の物価差をより大きくすることになります。特に地代家賃の都市、地域間格差は極めて大きくなるでしょう。そのため社員の給与は地域によって異なるコントロールが必須となります。  現在の新型コロナにより、リモートワークの急速な普及があり、都市圏集中の度合いが少なくなる可能性もありますが、大きなトレンドとしては、都市圏集中と予測されており、これにより企業としては組織の在り方や働き方に影響をあたえるでしょうし、給与の地域格差も大きな課題となるでしょう。 以上

民事上の個別労働紛争相談件数  ~急増するパワハラ相談~ | モチベーションサーベイ

民事上の個別労働紛争相談件数 ~急増するパワハラ相談~

 近年、パワハラやセクハラなどの職場でのトラブルに関する話題をよく耳にするようになってきました。今回は、民事上の個別労働紛争相談件数とその内訳のデータを基に、労働者と事業者間でのトラブルの内容や傾向について解説します。  民事上の個別労働紛争相談とは、個々の労働者と事業者との間の労働問題についての相談のうち、労働基準法違反などに関わる事案を除いたものです。図表1から分かるように、民事上の個別労働紛争相談件数は増加傾向にあり、2019年度には過去最高の約28万件に達しています。2001年の個別労働紛争解決制度導入以降、右肩上がりに増加していた相談件数は、リーマンショックが起きた2008年度に急増し、さらに増加した現時点では2002年の件数の約3倍になっています。 (図表1)民事上の個別労働紛争相談件数 出典:厚生労働省『個別労働紛争解決制度施行状況(令和元年)』  図表2では、相談内容ごとの内訳を示しています。2008年度までは解雇についての相談件数が最も多かったものの、その後は減少傾向です。一方、雇止めに関する相談が2008年以降増加している背景には、2000年代前半の人材派遣の規制緩和、リーマンショックによる雇止めの増加、その後の人材派遣の規制強化という一連の変化があります。不況下では解雇や雇止めに対する相談が多かったのですが、直近10年では自己都合退職に関する相談が増えてきています。この背景には人手不足があると考えられます。  そして、直近8年間は、いじめ・嫌がらせの割合が最も高くなっています。背景としては、厚労省がハラスメント防止対策の報告書をまとめ、法整備への議論を進めてきたことなどにより、ハラスメントに対する意識が高まり、問題が顕在化したことが考えられます。 (図表2)相談内容別 相談件数の推移 出典:厚生労働省『個別労働紛争解決制度施行状況(令和元年)』 注)1回の相談において複数の内容にまたがる相談が行われた場合には、複数の相談内容を件数として計上しているため、図表1の件数と整合しない。  相談件数が増加傾向にあることから、労働者に対して相談制度が浸透していることが分かります。また、年度別に相談内容の内訳を見ると、景気や労働市場の状況、法整備・改正の影響を大きく受けていると言えるでしょう。  2020年6月にはパワハラ防止法が施行され、労働者のハラスメントに対する感度はさらに高まることが予想されます。  企業の事業運営に支障をきたさないためにも、これまで以上に法改正や時代の変化による労働者の要請を俊敏に察知し、未然にトラブルを防ぐための措置を講じる必要があります。 以上

日本の人口ピラミッドから、会社の社員の年齢構成と人事課題を再認識する | 人材開発

日本の人口ピラミッドから、会社の社員の年齢構成と人事課題を再認識する

 今後の日本の人口ですが、現在2020年から2050年に向かい大幅に減少します。この現象と同時に高齢化が驚くほどのスピードで進行することになります。このトレンドはすでに十分に認識されていますが、今後の日本企業、人事管理に決定的でかつてない影響を与えることを再認識する必要があります。マクロトレンドとしての人口推移が個別企業の人事管理にどのような影響を与えるかを、現時点で十分に認識し、今から備えなくてはなりません。  下図は2050年の日本の人口ピラミッド予想です。一見して生産年齢人口が減少し、老齢人口が激増、年少人口が減少します。重要であるのは生産年齢人口比率で、2050年はほぼ50%の比率まで低下します。生産年齢人口比率が高いレベルにあった1990年と比較すると、一見してそのインパクトは想像以上であるとわかります。1990年は生産年齢人口は約70%でした。   出典:総務省統計局『国勢調査』及び『日本の将来推計人口(平成29年推計)』出生中位・死亡中位仮定による ※2015年以前は総務省統計局『国勢調査』, 2020年以降は国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成29年推計)』[出生中位(死亡中位)推計]による    少子高齢化が進行するとともに。生産年齢人口の負担が激増することも非常に重要な論点ですが、個別企業の人事管理上最も大きな影響があるのは、人手不足となります。新たな人材を採用しようとしても、若手社員の採用は今よりも驚くほどハードルが高くなります。 中高年社員、ないしは60歳~65歳の前期老齢人口の戦力化は避けて通れない極めて重要な施策です。さらには65歳以上の社員の活用も視野に入れなくてはなりません。  人手不足、老齢社員の徹底活用に加え女性活用、外国人活用、BPRの推進なども含めて、30年後に向けて現時点から改革を進める必要があります。日本全体としても、個別企業としても人口問題はゆっくりとしたスピードで深刻さを増すことになりますので、改革改善のタイミングがとりづらいといわれています。しかし今からこれらの施策を実施しなければ、若手社員は離職していき、再教育や意識改革ができていない中高年、老齢社員のみが在籍する企業となってしまう可能性が非常に高いと言わざるを得ません。今一度日本の人口ピラミッド及び自社の社員構成を再認識する必要があります。