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有効求人倍率
~不景気は採用のチャンス?!~

 新型コロナウイルス感染拡大等の影響を受け、採用を控える企業も増えており、有効求人倍率にも表れています。今回は、有効求人倍率の推移や職種ごとの違いについて解説します。

 有効求人倍率とは、ハローワークに申し込まれた求人数を求職者数で割ったものであり、1を下回ると求人の数が求職者数よりも少ないことを示します。有効求人倍率は景気動向による短期的な変化が多く、景気の下降局面では有効求人倍率も下降しています。

 過去の推移を見ると、高度経済成長期やバブル経済のピーク時に2.00倍を超えており、リーマンショック時には史上最低値の0.42倍を記録しています。直近の数字を見ると、新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛要請等の影響を受けて、2020年7~9月に1.05倍まで下がっています。

 なお、ハローワークの求人のみが対象であり、ハローワークを経由しない紹介による採用やインターネットを活用した採用活動は反映されていない点、パート・アルバイトの求人も含む点に注意は必要です。

(図表1:有効求人倍率、新規求人倍率)

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、内閣府「景気循環日付」
注1)新規学卒者を除きパートタイムを含む
注2)1973年から沖縄を含む
注3)四半期平均
注4)図中、灰色の期間は、景気の下降局面(山から谷)である。2018年10-12月期の山は暫定。

 一方で、職種別に見てみると、有効求人倍率の高さにかなり差があることが分かります。例えば、とび工や解体作業員等が含まれる職種である建設躯体工事は、令和2年11月度9.79倍、前年同月12.40倍であり、10~12名の採用枠に対して求職者は1名程度という状況です。景気動向による影響は多少あるものの、深刻な人手不足が生じていると言えます。

 一方で、飲食店やホテルの従業員を含む職種「接客・給仕」、ソフトウエア開発者等を含む職種「情報処理・通信技術者」では、昨年から有効求人倍率が約半分となり、1倍に近づいています。また、「一般事務」等の職種においては、景気の降下の影響に関わらず、1倍を下回っています。

 なお、令和2年11月度の職種別の有効求人倍率が前年比では下がっていることは、いずれの職種においても共通しています。

(図表2:職業別の有効求人倍率(令和2年11月、前年同月))

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、内閣府「景気循環日付」
注)一部職種を抜粋している。

 コロナ禍における景気低迷を含め、景気の下降局面で有効求人倍率が低下し1倍に近づいた職種や、1を下回っている職種について、人材の強化を目指す企業の観点からは非常に有利な機会であるとも言えます。景気降下局面には採用を控えることを検討しがちですが、求人数に対して求職者が多いということにより、採用において十分なセレクションが可能となるためです。例えば、高い技術力を持つ人材や経験豊富な人材を吟味できるのです。労働市場の動向を見極めて有意義な人的投資を実現したいものです。
以上

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