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減少する企業数、増えない起業家<br />~サラリーマン大国、ニッポン~ | その他

減少する企業数、増えない起業家~サラリーマン大国、ニッポン~

 近年、働き方の多様化、価値観の多様化という言葉を頻繁に耳にするようになりました。テレビやインターネットでは、頻繁に若い起業家やフリーランスが取り上げられるようになったり、個人のスキルを販売するようなサービスが展開されたりと、企業に属さない働き方が増えている感を覚えます。  しかしながら、実際には独立や開業・起業はさほど多くありません。1999年を基準として企業数の推移をみると、右肩下がりに減少してきたことが分かります。起業・開業が少なく、開業率より廃業率が高いことが原因です。 (図表1:企業規模別企業数の増減率(1999年対比)) 出典: 総務省「平成11年、13年、16年、18年事業所・企業統計調査」、「平成21年、26年経済センサス基礎調査」、総務省・経済産業省「平成24年、28年経済センサス‐活動調査」注:企業数=会社数+個人事業者数とする。    開廃業率の推移をみると、2000年ごろまでは開業率が廃業率を上回っており、企業数が増加していたことが分かります。しかしながら、その後は、廃業率が開業率を上回る年も多く企業数が減少してきました。近年、再び僅かながら開業率が廃業率を上回っていますが、盛んに開業が行われているといえる程の水準ではありません。 (図表2:開業率・廃業率の推移) 出典: 厚生労働省「雇用保険事業年報」    一方、企業に雇用されている労働者の数は、2019年には2002年の雇用者の約115%と大きく増えています。企業が減っている中で雇用者数が増加していることは、1企業あたりの従業員数が増加していることを意味します。企業の集積度が高まってきていることが分かります。 (図表3:役員を除く雇用者の推移) 出典: 総務省統計局「労働力調査 長期時系列データ」注:役員を除く雇用者には、正規社員・非正規社員(パート、アルバイト等)、契約社員、嘱託社員等が含まれる    昨今、働き方の多様化がよく議論されますが、現在の日本においては企業数は増えておらず、サラリーマンの数は増加傾向にあります。ビジネスパーソンにとって、主要な選択肢は独立・開業することや、フリーランスとして活躍すること、そしてサラリーマンとして雇用されることでしょう。前者の2つは輝かしく、また自由な生き方を想起させ注目度も高まっていますが、起業・開業にはリスクも伴うことから、実際に選択する人はさほど多くないようです。実際にキャリア選択の幅が広がるのはまだ先のことでしょう。

労働力人口<br />~多様な人材の活用と労働力需要の抑制がカギ~ | 適正人員・人件費算定

労働力人口~多様な人材の活用と労働力需要の抑制がカギ~

 現在、日本の人口は減少傾向にあり、同時に労働力も伸び止まりを見せています。今回は労働力人口の推移や、年齢別や性別といった属性ごとの就業者数について解説します。  労働力人口の過去の推移をみると、1990年代半ばまでは増加傾向にあり、1990年以降は伸び止まり、そして若干の減少傾向にありました。2010年代半ばからは僅かながら減少に歯止めがかかっています。女性や高齢者の活用により労働力の内訳を変えることにより、大幅な減少は免れている状況ですが、いずれは減少傾向に転じるでしょう。 図表1:労働力人口(単位:万人) 出典: 総務省統計局 「労働力調査」注)労働力人口の1952年以前は14歳以上人口のうちの該当する者 労働力人口とは、満15歳以上のうち、労働する意思と能力を持った人口を指す。具体的には、実際に働いている人のほか、労働の意思や能力があるものの失業中の人が含まれており、満15歳以上であっても専業の学生や主婦は除かれている。  そこで、年代別の就業者数と就業者に占める60歳以上人口の割合を見てみると、就業者全体の数は1995年をピークに減少傾向にあるものの、60歳以上の就業者は増加しています。60歳以上の就業者は1980年時点で約540万人でしたが、2015年には約1270万人と2.3倍の伸びを見せています。就業者全体に占める割合においても、1980年ごろまでは9%前後で推移していたものの、2015年時点では21.5%とやはり大きく増加しています。  今後は、少子高齢化により59歳以下の労働力の確保がますます難しくなるため、労働力を充足すべく定年延長や定年再雇用はますます進み、60歳以上の就業者は増加するでしょう。 図表2:年齢別就業者数・60歳以上割合 出典: 総務省「国勢調査」  続いて、男女別の就業者数と就業者に占める女性の割合を見てみます。男性の就業者数は、労働力人口・就業者数全体の推移と同様に伸び止まり、1995年以降は減少傾向にあります。  一方、女性の就業者数は1995年から近年に至るまで2600万人弱の水準でほぼ横ばいに推移しており、労働者に占める女性労働者の割合は増加傾向にあります。労働力人口の減少に伴っていずれは女性就業者数も伸び止まりを見せると思われますが、当面は女性労働者の割合が増え、労働市場全体や各企業内の労働力構成が大きく変わっていくでしょう。 図表3:男女別就業者数・女性割合 出典: 総務省「国勢調査」    女性・高齢者の他に外国人労働者の活用も年々進んでおり、2008年の48万人から2020年の172万人へと約3.5倍に増えています  少子高齢化により日本全体の人口が減少する中、今後も労働力人口が大きく増加することは考えづらい状況です。国内労働力の減少や構成の変化を受けて企業内のポートフォリオも大きく変化をしていくことでしょう。例えば1980年以前は外国人や高齢者の労働者は割合的にはほとんどおらず、女性も1/3程度でしたが、近い将来、男女が5:5の割合となり、外国人労働者が労働者全体の10%を超え、高齢者の割合も現在と比べて非常に高くなるでしょう。  今後に目を向けると、労働力の需給のコントロールが重要性を増します。前述の通り労働力は減少傾向になるので、女性や高齢者・外国人の活用によってダイバーシティを促進し供給量を増やすことが必要です。そして、ITやロボティクスなどの先端技術の活用や生産性向上施策によって、そもそもの労働力需要を抑えることも重要となります。  迫りくる労働力人口の不足を前に、各企業は女性・高齢者、外国人を戦力化しやすい労働環境の整備と、従業員の生産性向上施策、そして先端技術の活用による労働力需要の抑制を両立しなければなりません。