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データから見る製造業の人事課題
~製造業 就業者と有効求人倍率~

 日本は優れた製造技術によって信頼性の高い製品を生み出し、世界各国から「ものづくり大国」とも言われてきました。日本の製造業は現状どのようなものでしょうか。

 ここ数年製造業のGDPは110兆円程度を推移しており、2021年の経済活動別国内総生産(名目)では製造業が最も構成比が高く、次いで卸売・小売業、不動産業となっています。製造業は日本経済を支える大きな産業です。しかし、昨今の世界情勢から原油価格高騰の影響により生産コストの増加など影響は引き続き深刻な状況です。

図表1 業種別GDP

出典:内閣府 2021年度国民経済計算

 実際に製造業での人材需給はどのような状況なのでしょうか。有効求人場合率の推移を確認すると、製造業に関わる職業の有効求人倍率は全般的に上昇傾向です。特に「機械整備・修理」「金属材料製造、金属加工、金属溶接・溶断」は3を超えています。「機械組立」「生産設備制御・監視」などは元から相対的に倍率は低い状況でしたが、倍率の上昇率も大きくはなく、IT化、ロボティクスによる省人化が理由として考えられます。製造業の中でも職業による差が生じつつも、人手不足は進むことが考えられます。

図表2: 職業別有効求人倍率 パートタイム含む常用

出典:厚生労働省 「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」

 日本経済を支える産業の製造業ですが、働く人々の年齢はどうでしょうか。34歳以下の就業者は2021年で263万人で、この約20年で3割減っています。それに伴って製造業の34歳以下の就業者割合は徐々に下がり、ここ数年は25%台が続いています。反対に65歳以上の就業者数は2021年91万人、2002年と比較をすると、約1.5倍と増えており、業界の高齢化が進んでいると言えます。
 他の業種でも同様に、若年層の就業者割合の低下、高齢者の就業者割合の上昇の形になっています。若い人材が減ると言うことは、素晴らしい技術の継承者がいなくなることが考えられ、どのように継承し、発展させていくかを真剣に考えなくてはなりません。

図表3: 製造業就業者数と割合

出典: 総務省「労働力調査」

 人材の高齢化と人材不足は一朝一夕に解決できる問題ではなく、これから先、世界はこの問題とともに経済活動を続けていかなくてはなりません。製造業においては、シニア活用の土壌を整えることと同時にどのように技術継承を行うか、また求職者に向けて製造業、会社の魅力を伝える工夫をすることが必要と考えます。
 65歳を超えても働いてもらうためには、シニア層の職務の割り当てや待遇方針を明確にし、やりがいを持って働いてもらうための制度の検討が必要です。
 また、シニア層がこれまで築いてきた技術をどのように後進に継承するのかも重要です。「経験と勘」、「見て学べ」という属人的なものはなく、どのような人でも一定の成果をあげられるマニュアルを作成するなど継承の準備は必須と言えます。
 製造業のイメージとして、厳しい業界というイメージも昔はありました。しかし、昨今は働き方改革の影響もあり改善がされ、働きやすい環境も整備されてきているようです。こういった働きやすさの向上施策は引き続き努力すること、そして採用活動において会社側から魅力をしっかりと求職者に伝えることで人材採用に繋がる可能性があります。

以上