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人事制度設計

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労働力の量と質の推移 <br />~人口減少時代に向けて~ | 人事アナリシスレポート®

労働力の量と質の推移 ~人口減少時代に向けて~

 内閣府(2022)「令和4年版高齢社会白書」によると、日本の総人口は今後減少し、65歳以上の人口割合が今後更に増えるという推計が算出されています。少子高齢化が進むにつれて生じる労働人口の減少により、日本経済が停滞してゆくことが危惧されています。日本経済が持続的に成長するためには、労働力をいかに維持するかが社会的な課題となっています。  こうした背景の中、労働力として注目されている一つが、65歳以上の人材の労働力確保です。2021年4月の改正高年齢者雇用安定法においても、70歳までの就業確保が企業の努力義務となっています。実際、図表1にもあるように、高齢者の就業率は年々上昇しています。65歳以上の高齢者の就業率は2015年から年々上がっており、直近の労働人口全体も緩やかに増えています。このように、労働力の"量"は高齢者の就業率増加もあり、短期的には維持できていることが見受けられます。 <図表1> 労働人口と65~69歳の就業率の推移 出所: 総務省(2023)「労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)1月分結果 20~69歳の人口、就業者数、就業率」をもとに作成  労働力の"質”の推移を確認するため、業界別の労働生産性 (労働者1人あたりが生み出す付加価値額)の推移と平均従業員数の推移を比較しながら解説します。  飲食サービス業(図表2-1)では、労働生産性は常に減少傾向にあり、従業員数も2019年以降は落ちている傾向があります。昨今、大手飲食チェーン店を中心に注文や配膳等業務の機械化が進んでいますが、一人当たりの付加価値=”質”の面では効果が表れていません(付加価値には人件費が含まれるため)。今後機械化がさらに進み、人員数が安定・最適化されたときに高い付加価値を生み出すことができているのかが重要になってきます。 <図表2-1> 労働生産性×従業員数の推移_飲食サービス業 出所:財務省(2021)「法人企業統計調査」をもとに作成  情報通信業(図表2-2)では、2016-2017年にかけて従業員数が減った一方で労働生産性が上がっており、2017-2018年では従業員数が増える一方で労働生産性が下がっており、それぞれが逆行した動きをしています。新規就労者が多く、業界内での転職等による人の動きが活発な情報通信業では、仮に即戦力採用の中途社員だとしても、付加価値への貢献=”質”といった意味では、業務習熟するために必要な経験を得ることに時間がかかりやすい、もしくは時間がかかってしまっている可能性があります。 <図表2-2> 労働生産性×従業員数の推移_情報通信業 出所: 財務省(2021)「法人企業統計調査」をもとに作成  医療福祉業(図表2-3)では、2018年度に従業員数が減少しましたが2020年以降は上昇傾向にあります。一方、労働生産性も2019年以降で安定的に上昇傾向にあります。高度な知識や資格の基盤が前提にある医療福祉業界では、即戦力として労働生産性=”質”に寄与しやすい業種といえます。 <図表2-3>労働生産性×従業員数の推移_医療福祉業 出所: 財務省(2021)「法人企業統計調査」をもとに作成  定年延長・再雇用の活用によって短期的には労働力の”量”の維持が期待できますが、将来的に総人口が減少する日本では少ない人数でいかに労働力を維持していくかが課題となります。そのため、労働力の“質”にも目を向け、労働人口が将来的に減ったとしても安定的な労働生産性が確保されるサービス形態への変換が求められるのではないでしょうか。限りある労働資源をいかに有効活用していき、労働生産性を高めていくかの議論が各企業内でより活発化していく必要があります。自社の生産性をより高めるための阻害要因を各社で見つめ直し、DX推進やリスキリング、イノベーション推進等によって業務効率化とその価値向上に務めることが重要となります。 以上

賃金引上げ率の推移と参考指標<br />~自律的な報酬水準のコントロールを~ | モチベーションサーベイ

賃金引上げ率の推移と参考指標~自律的な報酬水準のコントロールを~

 2022年以降の物価上昇率の伸長と実質賃金が目減りしている状況等を踏まえ、2023年12月、政府は物価上昇率を超える賃上げを実現できるよう、賃上げ税制を抜本的に拡充しました。同11月末には、「令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査」が厚生労働省より発表されており、2023年の各社の賃上げ状況が見えてきました。  賃金の改定を実施した又は予定している企業は、89.2%(前年86.6%)。管理職のベースアップを行った・行う予定の企業は43.4%(前年24.6%)、一般職のベースを行った・行う予定の企業は49.5%(前年29.9%)と前年から急上昇しました(※ベースアップの実施割合は、管理職及び一般職で定昇制度がある企業を100.0%とした場合の割合)。  図表1は1人平均賃金の改定額・改定率の調査結果と、消費者物価指数(CPI)の推移です。昨年の1人当たりの平均賃金の改定額は9,437円、改定率が3.2%と、消費者物価指数(CPI)の上昇を追いかけるように大幅に伸びているのがわかります。 <図表1> 1人平均賃金の改定額(円)及び改定率(%)と消費者物価指数(%)の推移 出所: 厚生労働省(2023)『令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査』,総務省統計局(2023)『消費者物価指数(CPI)』をもとに作成 注1 図表は「1人平均賃金の改定額及び改定率の推移」と「消費者物価指数(CPI)」より加工 注2 消費者物価指数は生鮮食品を除く総合。2023年のCPIは日銀の予測(2023年10月31日時点)より引用  注目される2024年以降の賃上げですが、皆さんの企業ではどのように検討を進めているでしょうか。他社が何を参考指標としているのか、同調査結果を見てみましょう。 <図表2> 賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素別企業割合の推移 出典:出所:厚生労働省(2023)『令和5年賃金引上げ等の実態に関する調査』をもとに作成 注1 図表は「企業規模、賃金の改定の決定に当たり最も重視した要素別企業割合」より加工したもの。 注2 賃金の改定を実施した又は予定していて額も決定している企業のうちの割合。ただし、平成20年調査以前は賃金の改定を実施した又は予定していて額も決定している企業のうち、改定に当たり最も重視した要素に記入のある企業を100.0%とした割合であり、比較の際は注意を要する。  図表2は、賃金の改定を実施した又は予定している企業において、賃金改定の決定の際に最も重視した要素の推移です。2023年は、「企業の業績や前年実績、関連会社の動向」の割合が42.2%と最も多くなっており、次いで「雇用・労働力の確保」が28.9%、「世間相場・物価の動向」が14.6%となっています。注目すべきは、前年に比べて「雇用・労働力の確保」と「世間相場・物価の動向」の割合が急増しており、「重要視した要素はない」とした企業が減少していることです。それだけ昨年の賃金改定では、世の中の動向と従業員への配慮を念頭に置いて検討した企業が多かったということです。  報酬はハーズバーグの二要因理論からすると「衛生要因」であり、不満足の要因になります。一旦報酬水準が上がったとしても、それを継続しないと、また不満足の要因になるということです。  社員の報酬満足を維持するには、「世間の賃上げの気運が高まっているから」ではなく、労働市場における報酬水準や物価等を定期的(例: 半年ごと、年次など)に把握しつつ、自社の業績なども踏まえ、自律的に報酬水準をコントロールしていくことが望ましいです。  企業は成長を続けないと報酬満足を維持していくことは難しいため、人的資本経営の観点における適正な報酬水準のコントロールとともに、人材のパフォーマンスを高めるマネジメントや育成も重要になってきます。  従業員への適正な報酬とパフォーマンスマネジメントが、企業と従業員の間の相互信頼を築き、持続可能な業績向上へつながっていくでしょう。 以上

DX人材戦略<br />~IMD世界デジタル競争力ランキングから考える日本企業の課題~ | 関連制度設計

DX人材戦略~IMD世界デジタル競争力ランキングから考える日本企業の課題~

 近年日本ではDX(デジタルトランスフォーメーション)について試行錯誤していますが、まだまだ課題が多いのはご承知の通りだと思います。推進するためのポイントはどこにあるのでしょうか。  海外と比べ、日本はIT・DXについては遅れていると言われています。スイスに拠点を置くビジネススクールIMD(International Institute for Management Development:国際経営開発研究所)が発表した、IMD世界デジタル競争力ランキング2021によると、日本は全64カ国中28位であり、これは過去最低です。 図表1-1:IMD世界デジタル競争力ランキング 出典:「IMD World Digital Competitiveness Ranking」(IMD世界デジタル競争力ランキング)  このランキングは、デジタル競争力に影響を与える要因を「知識」、「技術」、「将来への備え」の3つに分類し、各要因に関する52の基準・指標に基づいて算出されています。 人事領域に関わりが深い「知識」にフォーカスをすると、日本においては特に、国際経験が最下位の64位、デジタル/技術スキル(デジタルスキルを持った人材の割合)は62位で「弱み」と言えます。逆に教育評価、生徒・教師の比率、R&Dへの公的支出といった教育研究面の整備については他国と比較して上位に位置していますが、これが各企業のDX推進につながっていると言えるでしょうか。 DX推進のためには、このランキングを各企業が自社のこととして、「最新のデジタル技術スキルを習得できるよう育成しているか」、「海外経験を踏ませているか」、「外国人技術者を採用しているか」など、推進に向けた自社の人事領域の把握を早急に進めなくてはなりません。 図表1-2:IMD世界デジタル競争力ランキング 要因と基準指標 出典:「IMD World Digital Competitiveness Ranking」(IMD世界デジタル競争力ランキング)  実際に企業はDX推進の課題をどう捉えているのかを見ると、日本では人材不足が過半数を超えており、アメリカ、ドイツと比べても圧倒的に多い状況です。やはり人材不足の問題は深刻なようです。 図表2:DXを進める際の課題 出典:総務省(2021)「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」  一括りに「人材」と言っても、具体的にはどのような人材が必要なのか? 以下のアンケート結果によると、「変革リーダー」「業務改革プロセスを牽引できるビジネスパーソン」「ビジネスデザイナー」が上位であり、技術者よりもDXを主導し、デジタル技術を事業に活用できる発想を持つ人材の必要性がここに見えます。 デジタルをどう事業に活かすかという知識、経験を持ち、革新的な発想ができる人材は肝であり、大きな採用・育成課題ということです。 図表3:With/アフターコロナ時代に生き残るため、貴社がDX領域で採用・育成を強化すべき人材像 出典:日経BP総合研究所 イノベーションICTラボ DXサーベイ2   (「With/アフターコロナ時代に生き残るため、貴社がDX領域で採用・育成を強化すべき人材像はどれですか」に対する回答結果)  今後のビジネスモデル構築は、デジタル技術活用、DXありきとなってくるでしょう。それはアナログデータや業務工程のデジタル化だけではなく、デジタル活用による新たな価値創造のことです。自社がDXによって、社会にどのような変革を起こせるのか、そこにはどのような人材が必要となるのかを明確にし、固定概念を打ち砕き、システム部門のみならず全社的に新たな発想ができる人材の育成や、大胆な人材採用推進していく必要があります。 以上

可処分所得<br />~驚くほど減少した可処分所得、裕福だった30年前~ | 人事制度設計

可処分所得~驚くほど減少した可処分所得、裕福だった30年前~

 我が国の労働者の月収は直近30年間で減少しています。それにもかかわらずこの間、社会保険料や税負担は増加し続けています。そのため、月収からそれらを差し引いて残る手取りの給料(=可処分所得)は大きく減少しているのです。  また、そもそも物価が上昇し続けているにもかかわらず、それに伴って月収が増えていないため、実質的な賃金としての月収も減少しています。  以上を踏まえると、実質的な賃金としての月収が減少する中、社会保険料や税負担の増加で手取りの給料(=可処分所得)も減少しているという非常に深刻な問題を抱えているということです。  月収はピーク時の1997年頃から最低値の2013年頃まで約15年間で15%も減少しています(371千円から315千円に56千円減少)。これはバブル崩壊やリーマンショックで景気が悪化したこともありますが、企業が内部留保を進め、人件費への配分を抑えるようになったことも理由の一つでしょう。 (図表1) 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」*月収:一人当たりの現金給与総額(決まって支給する給与と特別に支払われた給与の合計額)     社会保険料(従業員負担率)は増加傾向にあり、直近30年間で負担率が1.5倍になっています。これは高齢化の影響で医療費支出が増加したことや、長引く不況で労働者の給料が伸び悩み、保険料収入が伸び悩んでいることがあげられます。また、所得税に関しては最高税率が年々引き上げられています。 (図表2) 出典:内閣府「税制調査会_社会保険料率(従業員負担分の推移)」*各保険料率について日本年金機構、全国健康保険協会、厚生労働省のデータを参考とした    そして、物価が上昇することによる実質的な賃金の減少です。2000年頃までは物価指数の伸びを名目賃金の伸びが上回っており実質賃金は増加傾向でした。しかし、それ以降は物価指数の伸びに名目賃金の伸びが追いつかず、実質賃金は下降傾向となりました。結果、現在の実質賃金は1990年の88%程度となっています。 (図表3) 出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査」、総務省「消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)」*名目賃金:図1の一人当たりの月収を指数化したもの*実質賃金:名目賃金を消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)でデフレートして算出  直近30年間の賃金推移を先進国内で比較すると伸び悩んでいるのは我が国のみです。今後グローバルに戦う上で優秀な人材を確保するには各国に引けを取らない賃金水準とする必要があります。また、社員に労働の対価として賃金を支払い、生活基盤の安定性を確保する事も企業の重要な責務です。そのため、今後も物価が上昇し、各種の税金や社会保険料も増加していくと考えた時に、社員の実質的な賃金を増やしていくことは非常に重要です。そしてこれらを実現するためにも、今後社員の生産性を一層高めて会社業績を向上させるとともに、社員への人件費配分を高めなければならないでしょう。 以上

道府県別 世帯収入・貯蓄高ランキング<br />~貯金好きな県、消費好きな県~ | 人事制度設計

道府県別 世帯収入・貯蓄高ランキング~貯金好きな県、消費好きな県~

 世帯収入が多い都道府県と言えばどこを思い浮かべるでしょうか。大企業や人が多く集まっている首都圏でしょうか。世帯ごとの収入ランキングを見ると、確かに東京都や神奈川県がトップにランクインしています。一方で貯蓄高のランキングとなると少し様子が異なります。今回は都道府県別の世帯収入・貯蓄高ランキングについて解説します。世帯の構成や消費の傾向なども併せて詳しく見ることで数字だけでは表せない、いわゆる「県民性」も垣間見られ非常に興味深いトピックです。 図表1:都道府県別 世帯収入ランキング 出典:総務省統計局「2019年全国家計構造調査」  道府県別の世帯収入ランキングでは、1位が東京都、2位は神奈川県と首都圏の2都県がランクインしています。東京都は日本の首都であり、大企業が多く集まっていることから個人の年収水準の高さも日本トップです。神奈川県でも個人年収の高さが世帯年収に現れています。東京都内の企業へ通勤し東京都水準の年収を得ている人も多く、また、京浜工業地帯の中核であり関連する業種の大規模な企業に勤める人も多いためです。    3位以降は、首都圏以外の県が高順位にランクインしています。3位愛知県、4位富山県、5位福井県です。愛知県にはトヨタ自動車を中心とした自動車関連企業が集まっています。また、愛知県の名古屋市は日本三大都市の一つであり、多くの人・企業が集まっており、中部地方全体の経済の中心ともなっているため、個人の年収も高い傾向にあるのです。  4位・5位は、上位3位の都県とは上位にランクインしている理由が異なります。上位3位までは主要な経済圏であることによる個人年収の高さが世帯年収の高さに影響していました。一方、4位の富山県、5位の福井県の個人の年収の高さは全国平均を下回っています。個人あたりの単価ではなく、世帯当たりの人数・有業者数が多いため、世帯収入が高いのです。女性配偶者の有業率も他都道府県と比べて高く、共働きランキングでも常に上位にランクインしています。 図表2:都道府県別 世帯貯蓄高÷世帯収入ランキング 出典:総務省統計局「2019年全国家計構造調査」  貯蓄高・収入のデータをもとに、「貯蓄高÷年間収入」のランキングを作成してみました。この表が示しているのは各都道府県において「平均的に何年分の年収を蓄えているか」ということです。  都道府県によって1位の2.9年分~47位の1.4年分まで、約2倍の大きな差が見られました。上位5県のうち、3位神奈川県、5位愛知県は収入ランキングでも上位にランクインしており、収入の高さが貯蓄高の高さにもつながっていると考えられます。。  一方、1位の奈良県、2位の兵庫県、4位の徳島県はそれぞれ収入ランキング23位、20位、35位と決して高くはありません。一定の年収の範囲内で上手く支出をコントロールする傾向、もしくは、支出より貯蓄を重視する傾向にあるのではないかと推察されます。  また、収入ランキングでは1位の東京都は、収入に対する貯蓄高は大きくなく、20位にとどまっています。家賃等の生活コストが嵩んでいることが主な要因でしょう。  下位5県についても、2パターンに分けられます。収入・貯蓄共に低い順位となっているのが鹿児島県、宮崎県、沖縄県です。一方、佐賀県は収入では23位と平均的でありながら貯蓄高は低い水準です。収入に対する支出が他の県よりも多いと考えられます。 図表3:散布図 出典:総務省統計局「2019年全国家計構造調査」  都道府県別の世帯収入と世帯貯蓄高の間には、一定の相関性がみられます。その中で県民性や生活環境等により収入に対して貯蓄が多い、少ない等の一定のバラツキがあることが分かりました。  世帯人員数や女性・高齢者の就業率など、労働市場全体のポートフォリオの変化により、じわじわと変化が生じる可能性はありますが、今回取り上げたデータの傾向は直ちに大きく変化するものではないと考えられます。  他の都道府県別データと併せてこれらのデータをビジネスの観点で見ると非常に興味深いです。当然、消費の内訳などから有利な業種・業態、地価等の多様なデータを含めて判断する必要がありますが、例えば、他の都道府県よりも収入に対して貯蓄が低い地域に出店すれば、人件費は低く抑えられる一方で消費活動が活発で売上を上げやすいかもしれない、などと仮説を立てることができるのです。

生涯賃金の推移<br />~大きく下がった生涯賃金~ | 人事制度設計

生涯賃金の推移~大きく下がった生涯賃金~

 一般的に生涯賃金とは入社してから定年までの間に受け取る総賃金を指します。当記事では年次別に生涯賃金を示していますが、これは統計調査年別に各年齢の年収を合計して算出しています(諸手当や残業代含む月給及び賞与額から構成され、退職金は含まない)。そのため、調査年の賃金額が景気動向等に影響を受けて変化した場合、生涯賃金もそれに連動して変化しています。  例えば、大卒男性の場合、ピーク時の1993年頃から最低値の2013年頃まで20年間で15%も減少しています(324百万円から277百万円に47百万円減少)。これは、バブル崩壊やリーマンショックで景気が悪化したことや、株主重視経営が進んで労働者の賃金が抑えられたからだと考えられます。  また、男女の生涯賃金を比較すると、毎年約40百万円の差(1990年~2018年の平均)が生じており、一貫して女性の生涯賃金が低い(男性の85%程度)傾向であることがわかります。これは、男性と比較して女性は総合職より一般職の割合が高いことや、総合職で入社したとしても処遇の高い管理職に就けていないためだと考えられます。 (図表1) 出典:労働政策研究・研修機構『ユースフル統計2020』  さらに、生涯賃金データを性別・企業規模別に見てみると、男性の方が企業規模による生涯賃金差が生じやすくなっています。具体的には、男性は最大約90百万円、女性は最大約60百万円の差が生じています(性別に2018年時の1000名以上規模と10-99名規模を比較)。 (図表2) 出典:労働政策研究・研修機構『ユースフル統計2020』  我が国の生涯賃金は過去と比較して大きく下がっていますが、これはあくまで名目賃金で計算したデータであり、実質賃金で見ると更に深刻な状態であると言えます。また、直近約30年間の賃金推移を先進国内で比較すると、伸び悩んでいるのは我が国のみです。今後各国に引けを取らない賃金水準とするためには、会社の生産性を上げると同時に過度な株主重視経営を控え、人件費の適正な分配を実現していくことが重要です。 以上

勤続年数別賃金格差<br />~「賃金カーブ」が「カーブ」しなくなる?!~ | 人事制度設計

勤続年数別賃金格差~「賃金カーブ」が「カーブ」しなくなる?!~

 日本では長年いわゆる「年功序列」による人事運用を行ってきました。「年功序列」とは、社員が会社に長く在籍すればするほど処遇を高くすることです。日本では、時代により多少の差はありますが、入社時と勤続30年時点では約2倍の処遇差があるのです。  入社時と勤続30年時点の処遇の上昇率を時代ごとに見てみると、1976年、1995年、2019年でそれぞれおよそ2.3倍、2.2倍、1.7倍です。上昇率が特に顕著な1976年は高度経済成長後の経済が安定していた時期であり、勤続年数が長ければ長いほど処遇が上がっていく年功序列的傾向が色濃かったことが分かります。  1970年代に対して1990年代はバブル経済が崩壊し、経営の効率化を迫られた時期です。1995年のグラフを見ると、傾向としては右肩上がりではあるものの、1976年と比べると上昇率が抑えられています。年功序列的傾向は残っているものの、その度合いは薄まってきていると言えます。  さらに、2019年の数字を見ると、勤続年数の増加による処遇の上昇率はさらに小さくなっています。近年は失われた30年とも呼ばれる低成長時代であり、年齢や勤続年数の長さに対して報いる余裕がない企業が多くなっていることも一因でしょう。またグローバル化が進んだことによる競争力強化の観点や、自社で育成する余裕がないことから即戦力を求める傾向が強まっていることも関係していると考えられます。自社に貢献している期間の長さではなく、能力に応じて処遇する企業が増えているのです。 (図表1:勤続年数別賃金格差(所定内賃金)) 出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」 注:1976年、1995年、2019年の各調査年での男女計の「勤続0年」の平均所定内賃金額を100としたときの各勤続年数階級の平均所定内給与額を表している  勤続年数増加による給与の上昇率が下がってきているとはいえ、諸外国と比較をすると、日本では近年においても年功的な傾向は依然として強いことが分かります。  「勤続1~5年」から「勤続30年以上」への処遇の上昇率は日本で1.8倍であり、1.4倍前後であるイタリア・イギリス・フランスなど、ヨーロッパの主要な国々と比較して高い水準にあります。また、スウェーデンでは勤続15年を超えると給与は右肩下がりとなっており、ピークである「15年~19年」時点でも1.1倍、「勤続30年以上」では約1倍と低い水準です。ちなみに、ドイツでは日本と同じく長期雇用を前提としているため1.7倍と高い水準にあります。 (図表2:勤続年数別賃金格差(国際比較)) 出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「データブック国際労働比較2018」 注1: 日本の勤続1~5年欄は1年以上5年未満, 勤続6~9年欄は5年以上10年未満 注2:公務・防衛・義務的社外補償を除く非農林漁業を対象とした産業計    一部企業では新卒初任給を年収1,000万円とするなど、年齢や社歴に関わらず、能力や成果に対して処遇を決めることなどが話題になっています。また、労働市場の流動化が進み中途入社をする労働者の割合が増加することにより、勤続年数が短くても給与が高い人が増えることが考えらます。これらを要因に、勤続年数が短い属性の処遇が高くなることが予想されます。   一方で、今後は勤続年数が長いからといって処遇が高くなるとは限らないでしょう。長期の功労よりも、現在保有している能力やパフォーマンスの高さに対して処遇する会社が増えると考えられるためです。  これらの影響により、今後は勤続年数と処遇の高さとの関連性はさらに弱まるでしょう。「賃金カーブ」という言葉がなくなる日もそう遠くはないかもしれません。

地域別世帯収入 <br />~総力戦で稼ぐ北陸モデル~ | 人事制度設計

地域別世帯収入 ~総力戦で稼ぐ北陸モデル~

 北陸地方は、都道府県幸福度ランキング(一般財団法人 日本総合研究所)などの民間調査でも上位にランクインするなど、「幸せ」「暮らしやすい」といったイメージを持たれている地方です。今回は暮らしやすさにも影響する北陸地方の世帯収入について、データの側面から解説します。  北陸地方は、2人以上の勤労者世帯における月間の家計収支黒字額が1位の地域です。その理由は大きく分けて2つあり、まず、世帯収入額は関東地方に次いで高いこと、そして支出が少ないことです。 (図表1) 出典:総務省統計局『家計調査(2019年)』    北陸地方では、勤労者1人当たりの平均年収は高い訳ではありません。図表2は都道府県別の1人当たりの平均年収ですが、石川県23位、福井県27位、富山県28位、県新潟31位と、いずれも都道府県平均並みかそれ以下の水準です。 (図表2) 出典:総務省統計局『家計調査(2019年)』出典:厚生労働省『賃金構造基本統計調査(2019年)』    世帯収入が高いのには、1世帯当たりの人数が大きく関係しています。他の地方と比べて世帯人数が多く、世帯における有業人数も多いのです。また、北陸地方では他の地域と比較して、女性配偶者の有業率が高いという特徴があります。背景としては、子・両親・祖父母などと複数の世代で同居している世帯も多く、子の世話や家事を分担できることが考えられます。北陸地方では、学生を除くほとんどの家族に稼ぎがあることが珍しくなく、世帯当たりの稼ぎ手が多いのです。  そして、1位の関東地方と比較して収入額はやや低いものの、関東地方よりも世帯における消費額が低いことから最終的に手元に残る黒字額では1位となっています。  複数世代の同居により世帯における有業人数と収入の最大化を実現するモデルを仮に北陸モデルと呼ぶこととします。この北陸モデルは、今後企業がダイバーシティを実現するための大きなヒントとなるのではないでしょうか。世帯内の助け合いによって高年齢者や女性の社会進出を実現している地方において、企業は多様な働き手を確保できるためです。  働き手にとっては世帯収入の最大化というメリット、企業にとっては都心より人件費単価を抑えながらも必要な働き手を確保できるというメリットを互いに享受することができます。仕事のリモート化が進む時世においては、都心においてビジネスを展開している企業にとっても、地方に本拠地を移したり、地方の人材を活用したりすることもより現実味が増してきているのではないでしょうか。 以上

有効求人倍率<br />~不景気は採用のチャンス?!~ | 人事制度設計

有効求人倍率~不景気は採用のチャンス?!~

 新型コロナウイルス感染拡大等の影響を受け、採用を控える企業も増えており、有効求人倍率にも表れています。今回は、有効求人倍率の推移や職種ごとの違いについて解説します。  有効求人倍率とは、ハローワークに申し込まれた求人数を求職者数で割ったものであり、1を下回ると求人の数が求職者数よりも少ないことを示します。有効求人倍率は景気動向による短期的な変化が多く、景気の下降局面では有効求人倍率も下降しています。  過去の推移を見ると、高度経済成長期やバブル経済のピーク時に2.00倍を超えており、リーマンショック時には史上最低値の0.42倍を記録しています。直近の数字を見ると、新型コロナウイルス感染拡大防止による外出自粛要請等の影響を受けて、2020年7~9月に1.05倍まで下がっています。  なお、ハローワークの求人のみが対象であり、ハローワークを経由しない紹介による採用やインターネットを活用した採用活動は反映されていない点、パート・アルバイトの求人も含む点に注意は必要です。 (図表1:有効求人倍率、新規求人倍率) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、内閣府「景気循環日付」注1)新規学卒者を除きパートタイムを含む注2)1973年から沖縄を含む注3)四半期平均注4)図中、灰色の期間は、景気の下降局面(山から谷)である。2018年10-12月期の山は暫定。  一方で、職種別に見てみると、有効求人倍率の高さにかなり差があることが分かります。例えば、とび工や解体作業員等が含まれる職種である建設躯体工事は、令和2年11月度9.79倍、前年同月12.40倍であり、10~12名の採用枠に対して求職者は1名程度という状況です。景気動向による影響は多少あるものの、深刻な人手不足が生じていると言えます。  一方で、飲食店やホテルの従業員を含む職種「接客・給仕」、ソフトウエア開発者等を含む職種「情報処理・通信技術者」では、昨年から有効求人倍率が約半分となり、1倍に近づいています。また、「一般事務」等の職種においては、景気の降下の影響に関わらず、1倍を下回っています。  なお、令和2年11月度の職種別の有効求人倍率が前年比では下がっていることは、いずれの職種においても共通しています。 (図表2:職業別の有効求人倍率(令和2年11月、前年同月)) 出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」、内閣府「景気循環日付」注)一部職種を抜粋している。  コロナ禍における景気低迷を含め、景気の下降局面で有効求人倍率が低下し1倍に近づいた職種や、1を下回っている職種について、人材の強化を目指す企業の観点からは非常に有利な機会であるとも言えます。景気降下局面には採用を控えることを検討しがちですが、求人数に対して求職者が多いということにより、採用において十分なセレクションが可能となるためです。例えば、高い技術力を持つ人材や経験豊富な人材を吟味できるのです。労働市場の動向を見極めて有意義な人的投資を実現したいものです。 以上

新規学卒者初任給<br />~令和の新卒は年収1000万円?!~ | 人事制度設計

新規学卒者初任給~令和の新卒は年収1000万円?!~

 令和元年の大卒初任給の平均は約21万円であり、過去最高額を記録していますが、この金額は高いと言えるのでしょうか。  当然、初任給の水準には業種による差があり、人材を獲り合うような業種では水準が上がります。例えば、令和元年の大卒初任給は、情報通信業の21.8万円に対して、宿泊業・飲食サービス業は20万円と開きがあります。  ここでは全体感を把握すべく、全業種を平均した値により初任給金額の推移を見ることとします。学歴別に初任給金額の推移を見ると、いずれの学歴においても直近24年で2万円前後と、じわじわと増額しているのが分かります。大卒では19,500円、高専・短大卒では22,700円、高卒では16,600円、大学院卒では直近15年間で18,500円の増加です。 (図表1:学歴別初任給金額の推移(全産業)) 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(長期時系列データ)注:大学院卒の初任給データは平成17年以降のみ  さらに、物価の上がり下がりを加味した実質初任給にて過去の推移を見ると、実質的な増額幅はより小さいことが分かります。物価の変動を加味すると、大卒では約11,000円、最も伸びが大きい高専・短大卒でも約15,000円の伸びに留まっています。 (図表2:実質初任給金額の推移(全産業)) 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(長期時系列データ)   総務省「消費者物価指数」(長期時系列データ)注:初任給金額(円)÷消費者物価指数(%)により算出した  初任給に限らず、平成の約30年間で賃金は大きく上がっていません。産業がすでに成熟し、大きな経済成長の見通しもないことから多くの企業では景況感に不安を抱えており、コスト低減を前提とした戦略を取っているのです。実際、2000年以降労働分配率は低下傾向にあります。  今後の初任給のあり方は、企業の戦略のあり方や採用市場の状況により大きく引きあがる職種と、今後も横ばいもしくは微増を続ける業種の大きく2つに分かれるのではないでしょうか。  事業構造や収益構造に変革をもたらすことができる企業では、コスト低減に依存した収益拡大の戦略を脱し、変革や成長に資する人材の確保に乗り出します。例えば、NECでは2019年10月より新人事制度を導入し、新卒でも年収1000万円以上を得ることを可能にしました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)や国内のメガベンチャーと人材の獲得競争をする中で、何とかして優秀な研究者を獲得したいという思いがあるようです。¹このように、高いコストをかけてでも確保したい人材に対し、年齢を問わず、より魅力的な金額を提示する企業が多い業種では、企業間の人材の獲り合いも活性化し、初任給水準は大きく引き上がるでしょう。  一方で、年功的に賃金水準を徐々に上げる思想にある会社では、総額人件費の高騰を懸念し初任給水準を上げられないという実情があります。また、なかなか新しい付加価値や収益源を見いだせず、コスト低減による利益のねん出を続けざるを得ない企業や、そうした企業が多い業種においても、初任給水準は今後も横ばいか、人材不足等の影響による最低限の微増に留めざるを得ないでしょう。 以上 参考文献 1:日経ビジネス「NECが「新卒でも年収1000万円」制度を導入した真意」(2019年10月16日)https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/101100042/

都道府県別人口<br />~深刻化する人口減少と都道府県間格差~ | 人事制度設計

都道府県別人口~深刻化する人口減少と都道府県間格差~

 現在わが国の人口は減少傾向です。2008年をピークに減少が始まり、2011年以降9年連続で減少しています。そして、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると2040年代後半には1億人を割るという推計まで出ています。また、人口減少問題を都道府県別にみると、より深刻な状況がわかります。例えば、都市部への一極集中で都道府県間の人口格差が広がっています。その結果、人口減少の著しい都道府県はマーケットとしての魅力を大きく失いつつあります。  人口の絶対数で見ると、2015年は上位25%の都道府県だけで全人口の60%の割合を占めています。一方、下位25%の都道府県が全人口に占める割合は8%程度です。以上から、一部の都道府県に人口が集中し、人口格差が発生している事が分かります。  2030年時(推計)の人口で見ると、ランキング上位では、東京都、神奈川県、愛知県等は数値が大きく変わらず、依然としてマーケットの魅力が高いと言えます。一方、大阪府と北海道は減少数が約60万人と大きく、マーケットの魅力が大きく下がります。  また、ランキング下位では、宮崎県、富山県、秋田県が100万人を割ります。このことから、相対的な増減数は平均程度ですが、マーケット魅力の低下は避けられません。 (図1) 出典:総務省『国勢調査』2015年時の人口ランキング上位・下位25%を抜粋したもの。また、2030年時の数値はランキングではなく、2015年時のランキングに入っている都道府県の2030年時データである。  人口の増減率で見ると、全国的に東北地方・四国地方の都道府県の減少率が大きいです。その為、これらの都道府県はマーケットの魅力の低下度合いが大きいと言えます。理由は様々ありますが、例えば秋田県は出生率が低いと同時に死亡率が高い傾向にあります。同時に、県外への流出傾向も強いことから減少率が高くなっている可能性が高いです。 (図2) 出典:総務省『国勢調査』  都道府県別に見た人口の減少傾向は、ビジネスの仕方に大きく影響を与えます。例えば、100万人を切る都道府県の場合、ビジネスを行う単位として見ることが出来なくなる可能性があります。その為、支店の設置を県別ではなく中規模の地域単位で行って事業拠点を統合するなど、マーケット運営の効率化が進みます。それに伴い、リモートワークなど社員の働き方を変えなければならない必要性が生じます。特に、人口減少率が高い都道府県の場合、今後急速にマーケットとしての魅力が失われますので、組織の在り方を早急に考えなければなりません。  また、都市一極集中の傾向によって、地域間の物価差がより大きくなる可能性もあります。その為、社員の給与を働く地域によってコントロールがすることが必須となります。  以上

大卒者の増加 ~総合職・高度専門職の候補者が倍増?!~ | 人事制度設計

大卒者の増加 ~総合職・高度専門職の候補者が倍増?!~

 現代の日本では、少子化が著しく進んでいます。図1は、出生数と22歳人口を示しています。平成元年には約125万人が生まれていましたが、平成27年時点では約100万人と、平成の約30年の間に20%も減少しています。また、大学を卒業する年齢にあたる22歳人口も平成7年をピークに減少し続けており、平成27年にはピーク時の約6割にまで急激に減少しています。  (図1)22歳の人口の推移 出典:総務省統計局『人口推計 長期時系列データ(大正9年~平成12年)』総務省統計局『人口推計 長期時系列データ(平成12年~27年)』 厚生労働省『人口動態調査 人口動態統計(確定数)出生』  一方で、(図2)の大学進学率に目を向けると平成元年には約25%から平成27年の約52%へと倍以上に増加しています。大学進学率とは、高校卒業者のうち大学へ進学する人の割合です。(図1)と併せて見てみると、子供の数自体は減っている一方で、大学に進む人の割合は大きく増えていることが分かります。 (図2)大学進学率 出典:文部科学省『学校基本調査 年次統計 進学率(1948年~)』  さらに、(図3)にて大学卒業者数の推移を見てみると、年により多少の増減はあるものの、基本的には増加傾向です。平成元年には約40万人が大学を卒業していますが、平成27年には約56万人にまで増加しています。大学卒業者数に占める就業者数の推移を見ると、一部景気の好悪の影響を受けている年があるものの、基本的には毎年大学卒業者数の7割程度の人が就業しています。その数も、大学卒業者数と同じく増加傾向にあることが分かります。 (図3)大学卒業者数・大学卒業後の就職者数の推移 出典:文部科学省『文部科学統計要覧(平成30年版)11.大学』  これらのデータから、子供・若手の数自体は減少しているものの、大卒向け新卒採用の母集団は増加していることが分かります。今後も経営幹部・管理職の候補となる総合職人材や高度専門職等の採用の状況は大きく変わることはないでしょう。  一方で、若手の人口自体は減少しながら大卒が増加しているため、高卒・専門卒・短大卒等では採用母集団が縮小傾向です。労働市場におけるこれらの人材の供給は不足する見込みであり、企業の採用のあり方に変化をもたらすでしょう。具体的には、これまで高卒・専門卒・短大卒等を採用してきた人材を若手以外の人材に置き換えたり、社外へのアウトソーシングを活用したりする等、多様な人材の活用が進むことが考えられます。 以上