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労働者の就労に対する意識(年齢階層別)
~時代で変わる「働く目的」、やはりお金が一番?~

 労働者の就労に対する意識(以下「働く目的」とする)は、労働者の労働意欲・パフォーマンスに大きく関わります。その為、効果的な人材活用にあたり「働く目的」をしっかり踏まえた上で施策を検討する必要があります。但し、「働く目的」は時代や社会的背景に大きく影響を受け、世代によってその特徴に違いがある為、時代の変化に応じ世代別の傾向を捉えておく必要があります。

 内閣府の『国民生活に関する世論調査』(2019年)によると、世代にかかわらず労働者の大半が「お金を得るため(=金銭的報酬)」に働いていることが分かります。特に、20代・30代・40代の三階層は割合の高さが顕著で、回答の約7割を占めています。一方、40代以降はその割合が低下し、70代以上の階層では4割程度となります。
 そして、「生きがいをみつけるため (=生きがいを求める志向)」に働く労働者は40代以降で増加し、当該階層で1割程度だった割合が70代以上の階層では3割程度となっていることから、年齢が上がるにつれ重要視されていることが分かります。

(図表1)労働者の就労に対する意識

出典:内閣府『国民生活に関する世論調査』労働者の「働く目的」に関する調査結果(単一回答)を年齢階層別に示したもの
 
 また、当該調査結果はこの20年間(2001年比(※))で大きく変化しました。
例えば、「お金を得るため(=金銭的報酬)」に働く労働者の割合は全世代において増加しています。他にも、「自分の能力や才能を発揮するため(=キャリア志向)」に働く割合は20代(若年層)で増加し、「生きがいをみつけるため(=生きがいを求める志向)」に働く割合は50代以降の高齢層で大きく増加しています。
※2001年は、就職氷河期のピーク、情報化の進展(ブロードバンド元年)等社会環境が大きく変化した年として比較対象とした。

(図表2)労働者の就労に対する意識

出典:内閣府『国民生活に関する世論調査』

 以上、世代別傾向を踏まえた上で「働く目的」別に以下の事が言えます。
「お金を得るため(=金銭的報酬)」は、2019年において全年齢階層で一番高い割合を占めています。また、2001年比で見てもその割合は全年齢階層で増加しており、働く目的として重要視する傾向がより強くなっています。このことから、労働生産性を高めるとともに、労働分配率を見直して社員への配分をより高める事が重要です。

 「自分の能力や才能を発揮するため(=キャリア志向)」は、2019年において20代が一番高い割合を占めています。また、2001年比で見ても20代における割合は増加しており、若年層のキャリア志向が進んでいます。今後そういった成長意欲の高い人材を会社の主要な戦力として育成していく場合、重要なことが主に二つあります。まず、キャリアパスが明確で、魅力的なキャリアゴールを描ける制度になっていること、そしてキャリア構築をサポートする計画的な育成施策が整備されていることです。

 「生きがいをみつけるため(=生きがいを求める志向)」は、2019年において50代以降で高くなっています。また、2001年比で見ても50代以降における割合は大きく増加しており、昨今働く目的として重要視されてきています。今後雇用年齢の上限延長に伴って増加が見込まれる定年再雇用者の活用は非常に重要であり、その為にも高年齢者が生きがいや働きがいを得られる体制を構築していく必要があります。
 例えば、定年後も能力発揮が求められるような再雇用の在り方について検討する事が必要です。他方で、働き方に多様性を受け入れる体制の整備も必要です。これらを踏まえ、定年の5年以上前からキャリア形成支援の研修を実施する事や、継続雇用契約を締結する際に本人の求める労働スタイルにマッチした職務の提供を行う事も重要となります。
さらに、50代以降は健康寿命を延伸しないと体力・気力が大幅に低下し、それに応じてパフォーマンスが著しく下がってしまいます。その為、高年齢者の活用に当たっては、健康経営の推進も非常に重要となります。            
  
 以上

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