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生産性を高める積極的な設備投資のすすめ
~労働装備率と労働生産性~

 企業は機械や設備に投資をし、そしてその機械や設備をより有効に活用することで、付加価値を創出し、生産性の向上につなげています。企業の機械や装備がどの程度充実しているのかを示す指標として「労働装備率」があります。労働装備率とは、有形固定資産を労働力で除した指標になります。

 日本は国際的には生産性が低く、また生産性を高めていくための投資がまだ不十分であると言われています。図1はその労働装備率と労働生産性、そして人員数の推移です。まず労働装備率は低下傾向にあり、2018年度にやや増加はしましたが、2014年度水準には至っておりません。企業の有形固定資産は増え続けていますが、それを上回る形で人員数が増え続けたことが要因です。一方で労働生産性は上昇トレンドではありましたが、直近は横ばいに推移しており、今後、適切な投資を行い、労働生産性を高めていくことが企業の課題となっております。

(図表1:全業種の労働装備率と労働生産性、人員数)

出典:財務省「法人企業統計調査」全業種(金融保険除く)よりデータを加工
注1)労働装備率=有形固定資産÷人員数
注2)労働生産性=付加価値÷人員数
注3)2014年度を起点とした各年度の3年間の移動平均値の推移、2012年は東日本大震災、2019年度以降はコロナウイルス蔓延における影響が大きく、数値として平時ととらえづらい時期として、除外
 
 また各業種別にみると、傾向や課題に違いがみられます。機械や設備への投資をはかり、少ない人員数の中で、生産性を高めている業種があります。運輸業郵便業です。ドライバーの長時間労働など労務問題が多い業種ですが、大幅に人員数が減っていく一方で、労働装備率は全産業に比べ高い水準で推移し、労働生産性ともに上昇傾向にあります。

(図表2:運輸業郵便業の労働装備率と労働生産性、人員数)

出典:財務省「法人企業統計調査」運輸業郵便業よりデータを加工
 そして労働装備率をより高めていったほうが望ましい業種として医療福祉業があります。高齢化などを背景に市場のニーズは拡大していることもあり、大幅に人員数が増加している一方で、労働装備率は低下しています。肝心の労働生産性も横ばいとなっております。

(図表3:医療福祉業の労働装備率と労働生産性、人員数)

出典:財務省「法人企業統計調査」医療福祉業よりデータを加工

 業種によってその傾向をとらえることが前提にはなりますが、全般として今後企業として対応すべきことは以下2点となります。
 1つ目は、減少傾向にある日本の労働力人口を補うためにも、ICT、DXといったテーマの下、積極的に設備投資をおこない、新たなビジネスモデルを創出し、不足している人材を補いつつ生産性を高めていくことが重要です。
 そして2つ目は業務を高度化し、生産性向上につなげていくことです。投資した機械や設備を効果的に活用していくため、企業の業種、特性にあったテクニカルスキルを磨き、付加価値につなげていくことが重要になります。
企業としては、労働装備を充実させ、業務の効率化を進め、人員数を適正に維持しつつ、生産性を高めていくこと、そして収益をしっかり賃金に還元し、賃金水準を継続的に高めていくことを目指していく必要があります。
以上