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勤務間インターバル制度
~働き方見直しの道のりは遠い?~

 2017年3月より、働き方改革の一環として始まった「勤務間インターバル制度」をご存じでしょうか。これは労働者の休息時間の設け方に関する制度で、前日の終業時間から次の始業時間の間が短い時間とならないよう、一定時間以上空けなければならないとした制度です。過労の原因となり得る「終業時刻が遅いのに始業時間が早い」という就業状態を、常態化させないための重要な制度であると言えます。2019年施行の働き方改革関連法により、企業への導入が努力義務として求められ、続いて2022年7月30日の「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の中で、以下の目標が閣議決定されました。

・ 令和7年(2025年)までに、勤務間インターバル制度を導入している企業の割合を15%以上とする。
・ 令和7年(2025年)までに、勤務間インターバル制度を知らなかった企業の割合を5%未満とする。

この目標に対して、実際の導入状況や認知度はどうなっているのか、現状を見てみました。

 図表1は令和4年調査の就労条件総合調査の結果です。勤務間インターバル制度の導入状況を見ると、【導入している】のは5.8%、【導入を予定又は検討している】のは12.7%でした。

<図表1:勤務間インターバル制度の導入状況(%)>

出典 厚生労働省 就労条件総合調査「第19表 産業・企業規模、勤務間インターバル制度の導入状況、具体的な時間の設定状況別企業割合及び平均勤務間隔時間」
注 企業規模別表より抜粋したデータを図表に加工した

 図2は、図1の【導入予定はなく、検討もしていない】企業に対して勤務間インターバル制度の認知度を調べた結果で、21.3%の企業が【当該制度を知らない】と回答しました。

<図表2:勤務間インターバル制度の認知度実態(%)>

出典 厚生労働省 就労条件総合調査「第19表 産業・企業規模、勤務間インターバル制度の導入状況、具体的な時間の設定状況別企業割合及び平均勤務間隔時間」
注 企業規模別表より抜粋したデータを図表に加工した

 図3は当該制度の導入状況を産業別に見たものです。【導入している】【導入を検討又は予定している】の割合は、運輸業・郵送業がもっとも高く、続いて建設業となりました。これらの業界で導入が進んでいる背景には、いわゆる「2024年問題」と呼ばれる「残業上限規制(原則月45時間・年360時間)の免除」がなくなることで、労働時間に対する意識が高く、取組みが進んでいるのではないかと考えられます。

<図表3:勤務間インターバル制度の導入実態__産業別(%)>

出典 厚生労働省 就労条件総合調査「第19表 産業・企業規模、勤務間インターバル制度の導入状況、具体的な時間の設定状況別企業割合及び平均勤務間隔時間」
注 産業別表より抜粋したデータを図表に加工した

 現段階では、2025年の目標値までには導入状況・認知度ともに乖離がある結果となりました。勤務間インターバル制度の導入は、
①従業員の健康維持・増進につながる②生産性向上に貢献し、従業員のワークライフバランスの実現につながる③企業としてのロイヤリティが向上し、採用競争力や定着率改善が期待できるといったメリットがあります。

 一方で、①業務フロー・体制の見直しが必要になる②一時的なパフォーマンス低下が懸念される(サービスの質の低下など)といったデメリットもあります。

 事業者の制度導入の負担を少しでも軽減できる助成金制度(「働き方改革推進支援助成金」)も用意されているので、一時的なデメリットよりも中長期的なメリットを見据えて、早めに動き出すことを推奨したいと思います。