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低い日本企業の能力開発費用
~リスキリング時代到来の必然性~

 「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が令和3年11月19日に閣議決定されました。厚生労働省では、デジタル人材育成の強化等を目的に、令和4年度から3年間で4,000億円規模の施策パッケージを創設しました。人材開発支援助成金に「人への投資促進コース」が設けられ、高度デジタル人材の輩出のため、海外の大学院での訓練を含む職業訓練や定額制訓練が助成の対象で、1社あたり年間最大1500万円が支給されます。

 背景には、国際競争力の低さや、日本の労働生産性の低さに対する強い危機感があり、これを克服するには、スキル量の向上や保有するスキルの転換が必要だと考えられています。例えば、2021年の世界経済フォーラム(WEF)の 世界ITレポート(The Global Information Technology Report)によると、日本の弱点として、ICT Skills(68位/130か国)・ICT services exports(86位/130か国)・ICT environment(95位/130か国)、Growth rate of GDP per person engaged(100位/130か国)が挙げられています。「リスキリングした方が良い」という論調より、「リスキリングしなければ先が無い」と表現すべき状況です。

 国内でも、産業構造は絶えず変化しています。第3次産業に従事する労働者は労働者全体の7割を超え、第1次・2次産業で働く割合は減少しています。さらに、第3次産業の中でも内訳は変化しており、職種別に見ると専門的・技術的職業従事者・サービス業従事者・事務従事者が増加しています。限られた労働力の中で、成長分野の競争力を強化するためには、(A)衰退産業の労働力を如何に新規分野の労働力に転換するか、(B)現在既に新分野に従事している人材の質をいかに引き上げるかしか選択肢はなく、リスキリングが迫られるのです。

(図表1:職種別労働人口割合の推移(長期時系列))

出典: 総務省統計局「労働力調査」
 能力開発の重要性・緊急度が高まる一方で、GDPに占める企業の能力開発費用の割合は諸外国と比較をすると著しく低水準です。アメリカ・フランス・ドイツ・イタリア・イギリスでは、GDPの1%以上を能力開発費として投資していますが、日本は0.1%程度であり、OJTや個人の自主的取り組みに頼っている状況です。日本では、新しい技術の獲得や付加価値の追求に対する積極性が十分ではないことが分かります。

(図表2:GDPに占める企業の能力開発費の割合の国際比較)

出典:平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-(厚生労働省)
 世界中でビジネスの高度化が進み、産業構造の変化もスピードアップしています。一方、日本国内では、少子高齢化により労働力が減る一方です。企業は、生き残りのため・競争力の強化のために、絶えずビジネスモデルの変革と変革を牽引する人材への投資を続けねばならなりません。競争力ある労働力を生み出し、競争力向上をしなければ、日本の国・日本の企業の先は厳しいと言えましょう。

以上