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経営者の高齢化が招くリスク
~事業継承と変革~

 2021年の全国倒産件数は6015 件(前年7809 件、前年比1794 件・23.0%減)と、2000 年以降で最少、1999年以前と比較しても、1966 年(5919 件)以来半世紀ぶりの歴史的低水準でした。ところが倒産原因の中で「後継者難倒産」は466 件と、全体の7.7%を占めており、特殊要因倒産の中では最も多い状況です。(「帝国データバンク全国企業倒産集計」)
 後継者不足率のデータによると、2021年には61.5%の企業で後継者がいない状態であり、後継者難倒産の数も納得がいくものです。(帝国データバンク全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年))

 事業継承の継承経緯別のデータを見ると、同族継承が全項目の中では最も多いですが、2017年からゆるやかに低下傾向です。M&Aは2017年と比べて上昇しています。中小企業庁は2021年 4 月に「中小M&A推進計画」を策定し、後継者難などによる中小企業の休廃業防止に有効な手段としてM&Aを主軸に据える方針を明確に打ち出しており、今後内部昇格やM&Aでの事業継承は増えることが予想されます。
 外部招聘は横ばいで変化がない状態です。そもそも日本では優秀な経営者を外から迎え、望ましい経営状態を作るという発想が少ないのが現状です。昨今の激しい環境変化に対応しうる経営のために、外に目を向けることも必要と考えます。

(図表1:就任経緯別 推移)

出典:帝国データバンク 全国企業「後継者不在率」動向調査(2021 年)
 後継者難という点と関連が深い経営者の年齢を見ると、年々経営者平均年齢は上昇し、2019年には62歳を超え、今後さらに高齢化すると思われます。経営者の高齢化は事業に影響があるのでしょうか。
 経営者年齢別に2017年から2019年の間の新事業分野進出への取り組み、投資の実施、会社にトライ&エラーの風土があるかについて調べた結果、経営者年齢が若い企業ほど、積極的な企業の割合が高いとされています。(中小企業庁2021年版中小企業白書)経営者年齢が若い程、新たなチャレンジをする企業が多い傾向にあるということは、裏を返せば経営者年齢が上昇し続けている今、日本企業の新たなチャレンジは減っていると言えると考えます。経営者の高齢化は事業継承の問題だけでなく、その事業自体にも影響を及ぼす大きな問題といえるでしょう。

(図表2:経営者年齢推移)

出典:(株)東京商工リサーチ
 社員数が限られる中では仕事の生産性は上がりづらく、新しいことへのチャレンジもでき辛いものです。たとえ雇用を拡大したとしても、技術、スキルはすぐに習熟するわけではなく、即座に生産性向上にはつながるわけではありません。
 そこでM&A、外部招聘などを加速させる必要があるのではないでしょうか。M&Aによってそれぞれの企業の技術・ノウハウなどを統合させることが、事業継承および、生産性向上に寄与し、規模の経済のメリットを活かし、効率よくビジネスの拡大、事業継承を展開することとなります。また、外部招聘により、外部から経営者を迎え、事業継承、変革を講じるのも一つの手段です。これらを通常の施策として選択肢に入れ、事業継承とともに、時代に応じた経営をしていくことが重要だと考えます。

以上