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ニュースリリース

2014年11月7日

高齢化・65歳雇用義務化に向けた今後の施策、トップは「賃金制度の見直し」
~「シニア雇用に関する調査」結果より~

 株式会社トランストラクチャ(本社:東京都千代田区、代表取締役:林 明文)は、2014年10月10日~23日に、上場および未上場企業の人事担当者を対象に「シニア雇用に関する調査」を実施いたしました。

■調査結果概要

 今回の調査結果から、昨年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行されたものの、定年制の廃止や定年の引き上げを行った企業はそれほど多くなく、継続雇用制度の導入にとどまっている企業が9割にも及ぶことがわかりました。また、継続雇用制度を導入した企業では、「継続雇用者に適切な業務を提供できない」「継続雇用者のモチベーションの低下」を課題と考える企業が多くなっているようです。非メーカーの大企業では、「周囲の社員の仕事がやりにくい」という企業も多くなっています。
 高齢化・65歳雇用義務化に向けて現在実施している施策では「若手人材の積極採用」がトップになるものの、今後の可能性では「賃金制度(賃金カーブ等)の見直し」が「若手人材の積極採用」を抜いてトップとなっています。

■調査結果のポイント

(1) 「継続雇用制度導入」企業が9割。進まぬ定年の引き上げ
(2) 継続雇用制度導入企業の課題トップは「継続雇用者に適切な業務を提供できない」
(3) 高齢化・65歳雇用義務化に向けて実施している施策は、「若手人材の積極採用」がトップ
(4) 今後実施する可能性のある施策は、「賃金制度(賃金カーブ等)の見直し」がトップ

■調査結果のポイント解説

(1) 「継続雇用制度導入」企業が9割。進まぬ定年の引き上げ(図1参照)
 昨年4月1日に改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業は「65歳定年制」に向けた歩みを踏み出すことになりました。ただし、蓋を開けてみると「定年制の廃止」や「65歳(以上)定年制」を導入した企業は全体で1割に過ぎず、残り9割の企業が「継続雇用制度の導入」にとどまりました。
 企業規模別にみた場合、中小企業では「定年制の廃止」の企業が9%と1割近くあり、他の企業規模と比較してかなり多くなっています。逆に中堅企業は、「継続雇用制度の導入」企業が96%と高くなっています。従業員規模的に中小企業ほどの小回りが利かず、大企業ほど外的圧力を感じることもないことから、人事制度面では中堅企業が最も遅れていることが少なくありません。今回の調査でもその傾向が表れています。

(2) 継続雇用制度導入企業の課題トップは「継続雇用者に適切な業務を提供できない」
 継続雇用制度を運用されている上で直面している課題について聞いてみたところ、全体では「継続雇用者のモチベーションの低下」と「継続雇用者に適切な業務を提供できない」を挙げる企業がそれぞれ36%で同数でした。「周囲の社員の仕事がやりにくい」は10%と少数派です。「その他」の内容では、「業務は同じで賃金だけが下がっている」「処遇と職務内容の不一致」などを挙げる声が多くなっています。
 企業規模別にみた場合、大企業と中堅企業では「継続雇用者に適切な業務を提供できない」がトップで、「継続雇用者のモチベーションの低下」は次点になっています。大企業では14ポイントもの差がついています。一方、中小企業では「継続雇用者のモチベーションの低下」を挙げる企業が「継続雇用者に適切な業務を提供できない」を10ポイント以上引き離しています。
 「周囲の社員の仕事がやりにくい」を挙げる企業は少ないものの、唯一、非メーカーの大企業だけは29%もあり、18%の「継続雇用者のモチベーションの低下」を抜いて次点につけています。

(3) 高齢化・65歳雇用義務化に向けて実施している施策は、「若手人材の積極採用」がトップ
 高齢化・65歳雇用義務化に向けて行っている施策を複数選択方式で回答したもらったところ、トップは「若手人材の積極採用」で44%と、唯一4割を超えました。次いで「役職定年制」29%、「成果型人事制度の導入・推進」26%、「賃金カーブの見直し」25%と続きます。
 大企業では「役職定年制」を導入する企業が39%と4割近くに上ります。中小企業で「役職定年制」を導入する企業は21%に過ぎず、その差は2倍近くもあります。その他、大企業では「成果型人事制度の導入・推進」「早期退職制度の導入」が、他の企業規模よりも高くなっています。
 一方、中小企業では「若手人材の積極採用」を50%の企業が実施しているほか、「賃金カーブの見直し」を実施する企業が29%あり、大企業の21%を引き離す形になっています。
 その他の内容では「グループ会社への転籍」「技能技術の継承」「職種転換、セカンドキャリア推進」などが挙げられています。

(4) 今後実施する可能性のある施策は、「賃金制度(賃金カーブ等)の見直し」がトップ(図2参照)
 高齢化・65歳雇用義務化に向けて今後実施する可能性のある施策を尋ねたところ、「賃金制度(賃金カーブ等)の見直し」が41%でトップになりました。現在実施している施策では25%で4位にとどまっていましたが、「これから」さらに見直しが行われそうだということになります。もうひとつ、「中高年人材の健康増進」も現状よりも多くなっています。
 「賃金制度(賃金カーブ等)の見直し」はすべての規模でトップになっており、特に大企業では46%にも達します。他の企業規模と比較して大企業で高いポイントとなっているのは、「中高年人材の健康増進」「早期退職制度の導入」です。 「中高年人材の健康増進」については、現在の実施率16%から10ポイントも高くなっています。
 一方、中小企業で他の企業規模と比較して高いポイントになっているのは「役職定年制の導入」で、現状の21%から29%へと大きく伸びています。

グラフ

詳しい調査レポート(PDF)をこちらからダウンロードできます。

■調査概要
調査主体 株式会社トランストラクチャ
調査方法 インターネット調査
調査期間 2014年10月10日~23日
調査対象 上場および未上場企業の人事担当者
有効回答社数 177社
回答企業の属性(規模) 1001名以上 23.2%, 301~1000名 30.5%, 300名以下 46.3%
回答企業の属性(業種) メーカー 41.8%, 非メーカー 58.2%
■お問い合わせ

株式会社トランストラクチャ
コーポレート部門 高島
TEL. 03-5213-3931
MAIL. info@transtructure.com

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