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人事分析手法ノートVol.2

第7回 「将来シミュレーション」

執筆:   監修:林 明文

■人件費・人員構成シュミレーション
*この分析は等級別適正人員構成と等級別現行平均単価を基に、現行人員数・人事管理を将来に亘り適用した場合の人件費・人員数の将来シミュレーションを示しています。
<分析の概要>
 当分析は、現在の人事運用を前提とした場合の将来人件費・人員構成等の推移をシミュレーションし、中長期的視点での問題を踏まえた施策を講じることを目的として実施します。シミュレーションのパターンとしては大きく2つのパターンで実施することが有効です。

  1つ目は、ビジネスボリュームが現在と変わらないことを前提としたシミュレーションです。ビジネスボリュームが現在と変わらないため、総人員数は現状の人員数を将来に亘り維持します。総人員数を維持するために、採用に関しては毎年の定年退職者数分を新卒もしくは中途採用することとします。退職者は定年退職者数に加えて、自己都合退職を考慮します。

  2つ目は、採用計画どおりに新卒・中途で採用した場合のシミュレーションです。退職に関しては上記同様に自己都合退職と定年退職、採用は採用計画をそのまま適用します。当シミュレーションは採用計画の妥当性を検証する上で有効です。

  上記2つのパターンは、どちらも現在の人事運用を前提としてシミュレーションする必要があります。人件費をシミュレーションする上では、現状の等級別平均単価を将来に亘り適用しつつ、等級別人員数の変化を組み合わせて人件費を算出します。

  等級別の人員構成は、現状の年齢・等級別人数分布を使用します。現状の人事運用を将来に亘り適用することが前提であるため、これまでの人事の運用結果を表す年齢別・等級別の人数分布を適用することが正しい考え方となります。

  また、将来の人件費・人員構成の問題を把握するためには、適正な人件費・人員構成を算出し比較する必要があります。適正人件費は以下の式で算出します。

  <算式>
(等級別適正人員数×等級別平均単価)の全等級合計
等級別適正人員数に関する解説は「人事分析手法ノートvol .1 第2回 適正な人員構成」で解説しているため、ここでは割愛します。
<分析結果から>
 当分析結果からは、現状の問題だけでなく将来起こりえる問題を把握することができます。適正人件費に比較して将来人件費が余剰するのであれば、単価の高い等級に必要以上の人数が昇格することが原因として考えられます。そのため、将来の等級別人員構成において、どの等級が何人余剰するのかを確認し、昇格管理の厳格化や昇格要件・昇格スピードの見直しを検討すべきです。

 人件費は問題が無い場合でも人員構成が問題となる場合があります。将来的に管理職候補が不足するのであれば必要な等級に必要な人数の採用や教育が必要です。初任格付等級等の低等級が不足するのであれば、長期的な視点での技能・人脈継承等に悪影響を及ぼしますので、新卒採用計画等の見直しが必要です。

 上記以外にも社員の高齢化による組織の非活性化や、再雇用社員の増加による定年年齢見直し・定年後の働き方の見直し等、将来シミュレーションは人事制度や雇用などの人事施策を講じる上で重要な材料となります。人事施策を講じる上では、これらを含めて取り組むべき施策を決定することが肝要です。

執筆

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監修

林 明文 (はやし あきふみ)

代表取締役 シニアパートナー
青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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