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人事分析手法ノートVol.2

第6回 「昇格運用妥当性」

執筆:   監修:林 明文

■年齢別・等級別人数比率
*この分析における比率は、年齢ごとの総人員数に対する各等級別人数の割合を表示しています。
<分析の概要>
 本分析は、人事制度上で定めている昇格スピードと、企業の昇格運用の結果に差異が生じているかを分析することで、現状の職種区分・昇格要件の妥当性を検証する場合に使用します。また、教育施策を立案する場合にも重要な参考材料になります。

 企業によってばらつきはありますが、人事制度において入社から退職までの標準的な昇格スピードを定めている企業は多く、それを基に分析を行います。標準的な社員の昇格スピードを人事制度で定めていない場合でも、人事管理上は一定の想定を持って昇格管理を行っている企業が多いため、人事管理上の想定昇格スピードで分析する場合もあります。
 
 標準昇格スピードに最速昇格スピードや最遅昇格スピードを追加することによって、より正確な分析を行うことが可能です。
一方、昇格運用の実態を示すためには、年齢別の総人数に対して、当該年齢における各等級に何割の社員が存在するのかを比率で算出します。人数比率の高い等級が当該年齢における標準的な社員の在籍等級ということになります。
<分析結果から>
 人事制度で定めている昇格スピードに対して、実際の昇格運用が遅い場合と早い場合とで、その原因と講じる施策は大別されます。

 実際の昇格運用が遅い場合は、社員の能力不足や昇格要件が厳しすぎる可能性があります。そのため、社員教育を強化したり、昇格要件の見直しを行うことになります。また、人事制度が定める昇格スピードが実態に合っていないのであれば、実態を鑑みた昇格スピードに見直すことが求められます。

 実際の昇格スピードが遅いことの理由として考えられる別の原因としては、本来の昇格スピードが全く異なる複数の職種を単線型で管理していることが考えられます。この場合、職種を切り分け、人事制度の複線化を行うことで昇格スピードを職種に応じて設定する必要があります。

 一方、人事制度が定める昇格スピードに対して実際の昇格運用が早い場合は、昇格要件が甘く必要以上の社員を昇格させている可能性があります。この場合、昇格要件を見直すとともに、厳格な運用を徹底する必要があります。

 人事制度は適正な人材管理単位(職種)で区分する必要がありますし、昇格管理は実態に合った業務習熟年数や能力向上に必要な年数を設定する必要があります。人事制度と実態が乖離してしまうと形骸化した制度に対して社員の納得性は低下します。また、人件費の高騰化や効果的な教育の実施に支障を来します。

 適正な人材管理単位(職種)で適正な昇格スピードを人事制度上で定め、それに則った厳正な昇格運用が求められます。

執筆

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監修

林 明文 (はやし あきふみ)

代表取締役 シニアパートナー
青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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