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人事分析手法ノートVol.2

第5回 「HPLP分析」

執筆:古川 拓馬   監修:林 明文

<チャート>
この分析は、社員を標準的なパフォーマンスの社員(アベレージパフォーマー:AP)、高いパフォーマンスの社員(ハイパフォーマー:HP)、低いパフォーマンスの社員(ローパフォーマー:LP)に区分して、パフォーマンス別の分布割合を表示しています。

*実際の分析ではHP、LPをさらに2区分し、最もパフォーマンスが高い社員(HP1)、パフォーマンスが高い社員(HP2)、最もパフォーマンスが低い社員(LP1)、パフォーマンスが低い社員(LP2)の計5区分で集計します。
<分析の概要>
 社員のパフォーマンスの高低を判断する上では社員の評価が重要な要素となります。短期的な業績を見るのは直近の業績評価等で判断することが可能です。しかし、直近評価だけでは中長期的な社員のパフォーマンスを判断することが難しいため、中長期のパフォーマンス判断に昇格スピードを用います。多くの日本企業では年功序列的な昇格運用を行なっていますが、優秀な社員は標準的な昇格スピードより早く昇格し、逆に優秀ではない社員は標準的な昇格スピードよりも昇格が遅い傾向にあります。よって、パフォーマンスが高い社員は、直近の業績評価が高く、昇格スピードが早い社員、パフォーマンスが低い社員はその逆として分析します。

 実際に分析を行う際には直近評価を5段階に区分し、昇格スピードも同様に5段階に区分します。このようにすると、5×5のマトリクス表ができ、25通りの組み合わせの中からHP、AP、LPを合理的に判断することが可能となります。
<分析結果から>
 分析の結果、社員がパフォーマンス別にどの程度の割合で分布しているかが明確になります。但し、極めて年功的な人事運用をしている場合や、評価に差をつけない企業の場合、APの割合が多くなり、パフォーマンスの高低を判断することが困難となります。APが極めて多い場合は、昇格管理に問題があるか、評価制度もしくはその運用に問題がある可能性が高いため、人事制度の見直しを検討する必要があります。

 企業が業績を向上させていくには、社員が標準的なパフォーマンス以上であることが望ましいと言えます。その為、分析の結果HPもしくはAPと判断された社員に対しては社外への流出リスクを低下させ、モチベーションを維持・向上し得る処遇となっているかを見直す機会になります。翻って、LPと判断された社員に対しては、課題となっていることを可視化し、パフォーマンス向上に直結するような教育・指導を行う必要があります。さらに、企業の雇用に対する考え方にもよりますが、LPに対しては社外への流出を促進するような施策を視野に入れて検討する必要があります。

 近年、実力主義・成果主義を掲げる企業は多くなっていますが、労働市場的な観点から実力主義・成果主義が機能しているかどうかは疑問がある企業が多いのも事実です。この分析は、実力主義・成果主義的な人事・雇用施策を検討する上で前提となる社員のパフォーマンスを把握するための重要な分析と言えるでしょう。


執筆

古川 拓馬 (ふるかわ たくま)

コンサルティング部 ディレクター
大学卒業後、大手国内独立系コンサルティング会社において、人材開発、組織・人事コンサルティングの企画営業業務を行う。その後、当社に入社。コンサルティング部門のシニアマネージャーとして、組織・人事コンサルティング業務に携わるほか、研修・セミナー講師やプロダクト開発、人事分析の品質管理、社内教育に従事。

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監修

林 明文 (はやし あきふみ)

代表取締役 シニアパートナー
青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

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