HRデータ解説
HR Data Commentary
HRデータ解説について
人事に関する興味深いデータ、チャートをわかりやすく解説します。今後の人事管理を考えるうえでのベースとなる情報提供をします。
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生産性を高める積極的な設備投資のすすめ
~労働装備率と労働生産性~生産性を高める積極的な設備投資のすすめ
~労働装備率と労働生産性~企業は機械や設備に投資をし、そしてその機械や設備をより有効に活用することで、付加価値を創出し、生産性の向上につなげています。企業の機械や装備がどの程度充実しているのかを示す指標として「労働装備率」があります。労働装備率とは、有形固定資産を労働力で除した指標になります。 日本は国際的には生産性が低く、また生産性を高めていくための投資がまだ不十分であると…
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低い日本企業の能力開発費用
~リスキリング時代到来の必然性~低い日本企業の能力開発費用
~リスキリング時代到来の必然性~「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」が令和3年11月19日に閣議決定されました。厚生労働省では、デジタル人材育成の強化等を目的に、令和4年度から3年間で4,000億円規模の施策パッケージを創設しました。人材開発支援助成金に「人への投資促進コース」が設けられ、高度デジタル人材の輩出のため、海外の大学院での訓練を含む職業訓練や定額制訓練が助成の対象で、1社あたり年…
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労働分配率
~人への分配の好循環に向けて~労働分配率
~人への分配の好循環に向けて~『配当金100円以上を目標に、・・・・・積極的かつ安定的な株主還元を行っていきます。』というのは、IR関連の資料で見かけることがあります。しかし、『中期経営計画では、3年間平均の労働分配率は60%を基準とし、従業員の平均年収1,000万円を目指して、積極的かつ安定的な従業員還元を行っていきます。』 このような文章はあまり見かけません。 自社の人件費総額、人件費の分配方…
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最低賃金引き上げで2,000円の時代へ?!
~若手・非正規の単価を抑える人材活用方針の限界~最低賃金引き上げで2,000円の時代へ?!
~若手・非正規の単価を抑える人材活用方針の限界~毎年改正される最低賃金ですが、今年2022年は全国平均で時給961円(前年比31円)とすることが決定し、現在と同じ最低賃金の仕組みとなってから、過去最大の増加幅となりました。東京都の最低賃金は1,072円に引き上げられました。 この決定は、特に、人件費の単価が最低賃金水準のパート・アルバイトを数多く抱える企業に、大打撃となるはずです。また、改正のたびに、初任給水準…
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教育研修費
~変化対応のための人への投資~教育研修費
~変化対応のための人への投資~日本企業のこの数十年での世界における競争力の低下の原因として、「人への投資」不足があげられます。日本は世界の中でも、能力開発費用の割合が他国に比べて圧倒的に少ない状況です。このような状況を打破するためには、「人への投資」の抜本強化が必要と言われています。 各企業、従業員に対する教育研修をコストと捉えるか、投資と捉え有効な施策を展開できるかが非常に重要な…
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内部留保と賃金
~株価が上がっても賃金は上がらない~内部留保と賃金
~株価が上がっても賃金は上がらない~企業が生み出した当期純利益が内部留保である。またその当期純利益が利益剰余金として自己資本に計上される。利益剰余金は、設備投資やM&A(合併・買収)などに活用され、企業価値を高めていくことを目指す。図表1では2011年度を基準とした10年間の利益剰余金(緑色折線)は毎年増加を続けていることがわかる。直近の2021年度にはその額が516兆円にも及ぶ。 図表1:10年間の内部…
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経営者の高齢化が招くリスク
~事業継承と変革~経営者の高齢化が招くリスク
~事業継承と変革~2021年の全国倒産件数は6015 件(前年7809 件、前年比1794 件・23.0%減)と、2000 年以降で最少、1999年以前と比較しても、1966 年(5919 件)以来半世紀ぶりの歴史的低水準でした。ところが倒産原因の中で「後継者難倒産」は466 件と、全体の7.7%を占めており、特殊要因倒産の中では最も多い状況です。(「帝国データバンク全国企業倒産集計」) 後継者不足率のデータによると、2…
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社宅制度の現状
~物価差補填システムとしての意味合い~社宅制度の現状
~物価差補填システムとしての意味合い~「社宅制度」とは、会社が社員の住居を提供する制度です。また、社宅には大きく分けて2種類あります。1つは「借り上げ社宅」で、会社がマンションやアパートなどの賃貸物件を会社名義で借り上げている社宅です。2つ目は「社有社宅」で、会社がマンションやアパートを1棟単位などで購入し、会社の資産として保有している社宅です。 社宅制度の主なメリットとして、例えば転勤…
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新卒社員の離職率
~企業のキャリア教育に対する責任とは~新卒社員の離職率
~企業のキャリア教育に対する責任とは~新卒採用しても一戦力化する前に離職してしまうという課題を抱えている人事担当者の方は多いのではないでしょうか。日本はゼネラリストとして育成することを前提とした採用が中心のため、一人前として成長する前に離職となると企業にとって大きな損失となります。離職防止策として初任給の引き上げが行われることも多いですが、社員がモチベートされる理由は賃金以外にも様々な理由が…
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健康寿命とシニア人材
~シニアの活躍こそ日本の成長につながる~健康寿命とシニア人材
~シニアの活躍こそ日本の成長につながる~ひと昔前までは60歳で定年退職し、退職金をもらいその後の余生はゆっくりすごしたいと思っていた方も多かったのではないでしょうか。高年齢者雇用安定法が令和3年に改定され、70歳までの就業確保措置を講じることが企業の「努力義務」となりました。今後働き続けるためには、本人にとっても、そして企業にとっても健康であることが前提です。今回は健康寿命について解説してまいりた…