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社員を魅了せよ~4Cプロセス仮説-社員の組織参画における成功反応・失敗反応~

執筆者: 関根 愛 その他

 経営から社員にむけたコミュニケーションは、マーケティング活動であると捉えるべきだ。決して、「命令すれば社員は動く」「どうせ社員には理解できない」などと侮り、驕ったコミュニケーションをしてはならない。
 なぜならば、人は組織に何らかの魅力を感じることで、組織への参画を意思決定するからだ。経営から社員にむけたメッセージの8割は、「組織に参画してほしい(労務と報酬の交換の誘い)」に尽きる。これは、顧客にむけて、「自社の製品サービスを購入してほしい(金銭と価値の交換の誘い)」というメッセージを発することと同じ構造である。そう考えれば、顧客に対して、「購入しろ!」なんて命令をしないように、社員に対して「参画しろ!」なんて命令をすることがいかにナンセンスか、お分かりいただけると思う。
 さて、顧客に喜んで購入を意思決定させるために、マーケティングという考え方がある。ならば、これを社員に適用すれば、社員が喜んで組織に参画するという、健全な組織のあり方へ導くことができるのではないか。差し詰め、インナーマーケティングとでも言うべきか。
 そこで、仮説ではあるが、4Cプロセスという概念を新たに提唱したい。社員が組織に喜んで参画するための、社員の反応プロセスモデルである。

【図 4Cプロセスと失敗時の反応】

 経営からのメッセージを受け取ったとき、社員はまずその話を理解しようとする。その内容に魅力を感じれば、経営が目指すビジョンや成果の達成を約束する。そして、組織に対して協力をする。これが、社員に組織参画を求める上で、理想的な反応プロセスであり、成功ステップである、という仮説だ。各ステップで失敗をしてしまうと、社員からはネガティブな反応が返ってくる。反応の種類によって、どこで失敗したのかがわかる。その場合は、リカバリーのためのコミュニケーションが必要だ。

【失敗時反応におけるリカバリーコミュニケーションのポイント】
① 無理解、無関心:意味の伝達・構造化・平易ワードを意識した説明
② 反発、嫌悪:会社と社員の夢をリンクさせ、成長を予感させるような、イメージおよびワードで説明
③ 回避、不能感:達成不安の原因をヒアリングした上で、認知を是正し、ビジョンや成果の達成イメージを醸成させるコミュニケーション
④ 方針無視、孤立:組織的行動の動機付け、(最終手段として)配置転換

 さて、この4Cプロセスにおいて、ボトルネックとなるものはどれだろうか。私は断然、②Charmed(魅了される)であると考える。これまで様々な会社の人事制度説明資料を見てきたが、「人事制度の仕組みを説明する」ことに長けた資料はあっても、「その人事制度によって社員がどれだけ素晴らしいキャリア体験ができるかをイメージさせる」ことに重きを置いた資料を見たことがない。
「どのような言葉で、何を伝えたら、社員に自社の魅力を感じ取ってもらえるか?」ということについて、真剣に考えて、どれだけの言葉が出てくるだろうか。恐らく、文語体やビジネス文書のルールに縛られて、自由な発想が難しいはずだ。しかし、それでは社員の心を強く打つ言葉には絶対にならない。断言する。

 再度述べるが、経営から社員にむけたコミュニケーションは、マーケティング活動である。そしてその成功に導くためのボトルネックは、「いかに社員を魅了させるか」だ。
 
 ここで一つ、ボトルネックの突破口となる発想の切り口を、最後に伝えたい。
「あなたは愛する人に自分の想いを伝えるとき、どんな言葉で、何を伝えるか?」そう考えた時に出てくる言葉は、誠実さや温かさ、優しさ、勇気づけるような表現で溢れているはずだ。その心をもって考えれば、きっとチャーミングなメッセージが生まれてくるのではないだろうか。

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プロフィール

関根 愛 (せきね あい)

シニアアナリスト

大学卒業後、ウェブ広告代理店で営業職として、ウェブ広告の新規開拓営業に従事。不動産・人材サービス・教育サービス業界を中心に、メディア広告・リスティング広告・ウェブ制作の提案を行う。
その後、大学受験予備校の事務職として、労務管理業務に従事。採用後から退職までの、社員・パートタイマーの勤怠管理全般に携わった後、当社に入社。コンサルティング部門でアナリストとして、組織・人事コンサルティング業務に従事。

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