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この指とまれ

執筆者: 河野 健士 人材育成

子供の遊びで、「この指とまれ」というものがある。「この指とまれ」は実に意味深長なものだと、最近になって強く感じる。リーダーシップの原点だと思うのである。
こんなことを考えるのは、様々な顧客企業の社員とお会いするからである。

現在、私は人材アセスメントのサービスに携わっている。人材アセスメントとは、様々な企業の人材の能力診断のご支援である。能力診断の手法として、業務を模した様々な演習に取り組んでいただく。
演習に取り組むときには、業務や組織の状況を、定量・定性的に提示するが、答えを求める指示は簡単なものしか提示しない。そのため、演習に取り組む人は自分で状況を理解し、思慮を巡らす必要がある。そして、パズルやテストと異なって唯一絶対の正解はない。
日ごろから業務や組織について考えている人は的確に答えられるが、あまり考えていない人は的確には答えられない。あるいは、業務や組織にとって重要な事柄を把握できない。

そんな人材アセスメントをしていて、大小を問わず、多くの日本企業に共通して欠けていると感じる点がある。それは「自分はこうしたい」という社員個人の意思である。
「業務と職場の問題を解決してください」と指示を提示すると、指示で明示していない業務や職場の様々な問題を読み取れない人が非常に多い。ましてや当事者として問題に取り組もうと考える人は例外的である。正直なところ、現実の職場でも、指示には従っても、指示されないことには待ちの姿勢なのだろうと想像せざるを得ない。

指示待ちの社員は、部下であるうちは何とかなるが、管理職になって職場を預かる立場になると意思に示せないのではないだろうか。経営職になればさらに複雑な問題を扱うから、なおさら意思表示をできない。
しかし、人を率いる立場なら、自分はこうしたい、だから参加してほしい、貢献してほしいという意思表示をすることが必須ではないだろうか。もちろん、この意思表示は、人の納得を得られる内容であることが前提である。

「この指とまれ」は、皆が喜ぶようなアイディアを出し、参加を求める行為である。大勢の人に参加してもらうためには、より多くの人が望むようなことを提案しなければいけない。そして実行しなければいけない。実行しなければ信頼を失う。
リーダーシップとはリーダーとフォロワーの相互作用だという議論があるが、「この指とまれ」はまさにリーダーシップの試金石だと言える。

人事の評価項目の中に、「この指とまれ」を言えるかどうかを、入れてみるのもよいかもしれない。
そうしたら指示待ちの人が減るのではないだろうか。

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プロフィール

河野 健士 (かわの たけし)

ディレクター

大手教育出版社グループで企画編集を務め、同時にワークフロー改編や組織変革にも関与した後、組織・人事コンサルタントに転身。中小企業から上場企業にいたる各種業界を対象に企業向け研修、アセスメント・センター、人材育成制度策定支援等に携わった後に現職。主として管理職・次世代幹部向け育成施策、アセスメント・センターに等に従事。

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