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「とりあえずパッチを当てて…」

執筆者: 南城 三四郎 人事管理

 ソフトウェアに何らかの不具合やセキュリティの脆弱性などが発見されると、開発元から、不具合を修正するためのプログラムが配布される。そのプログラムを適用することを、以前はよく「パッチを当てる」と呼んでいた。「パッチを当てる」という言葉は、穴(不具合)の空いたプログラムにツギハギ(パッチ)を当て、穴をふさいで修正するというのが本来の意味であるが、何か問題が発生したときに、「とりあえずパッチを当てて…」というように、やや短絡的、対処療法的な意味合いで使われることがある。

 例えば、新卒社員が思うように採用できないのは給与レベルが低いからだ、と言って、給与レベルを上げる。また、社員のワークライフバランスを維持するため、残業時間を制限する。というような対応が「とりあえずパッチを当てて…」である。
このような場当たり的な対応は一時的には問題を解決するかもしれないが、新入社員と既存社員との給与差がなくなって既存社員のモチベーション低下につながったり、残業時間は削減されたがサービス残業が横行したり、など新たな問題の原因となる恐れがある。ゆえに問題を構造的に捉える、ということがポイントとなる。

 新卒社員が採用できない、という問題の原因としては考えられるのは、何も給与レベルだけではない。採用手法に問題があるかもしれないし、求める人物像が不明確だったり、あるいは面接官の面接スキルが不足しているのかもしれない。また、社員のワークライフバランスの問題に関しても、単に残業時間を削減すれば良いのではなく、そもそも何の業務に時間が掛かっているのか、人員数や人員配置に問題はないか、あるいは業務を指示するマネージャーの指示スキルが不足していないかなど、様々な原因が考えられる。

 このように様々な要素が複雑に関わりあっている問題の解決は、まず、現在の状況を正しく把握することが重要だ。その上で、問題を構造的に捉えなければ、施策を見誤ることになり、本質的な解決にはいたらない。
パッチというのはあくまでも緊急の対策だ。「とりあえず…」で済ませてしまう対応はNGであると心得なければならない。

 余談ではあるが、先日「パッチを当てる」という言葉が若手社員に通じない、という驚きの体験をした。パッチはもともと、プログラムを更新するために、最新版との差異だけを抽出したデータのことを言っていた。当時はネットの回線も遅い時代であり、できるだけファイルサイズを小さくして配布する必要があったのだが、現在では、回線の速度も速くなり、大容量のデータでも高速に配信ができるようになったことから、パッチ形式ではなく、プログラムファイルをまるごと配信して差し替える、という形式に変わってきている。そのため、今では「修正プログラム」と言われることの方が多く、「パッチを当てる」と呼ぶのは比較的高い年齢層の方に多いのである。

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プロフィール

南城 三四郎 (なんじょう さんしろう)

コンサルティング部門 シニアマネージャー

大学卒業後、建設系専修学校にて、都市計画、情報処理関連学科の教員として、講義、学生指導を行う。その後、IT企業にてサーバー、ネットワークの保守・運用業務のほか、スマートフォンアプリ、Webサービスの企画、開発を担当するとともに、人材育成担当マネージャーとして社員教育に従事した後、現職。

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