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モルトケの法則

執筆者: 小野寺 真人 人材育成

先日、知り合いの経営者と新規事業を立ち上げる時に、その組織をどう構築するのが良いか、という興味深い話になりました。その経営者は、まず新規事業担当者を自ら任命し、任命された担当者に部下を社内から選ばせるのですが、その際に必ずモルトケの法則を紹介して考えさせるとのことでした。

このモルトケは旧ドイツ帝国の英雄であり、鉄血宰相ビスマルクの下で参謀総長を勤め上げ、隣国のフランス、オーストリア、デンマークとの戦いにことごとく勝利を収め、ヨーロッパ諸国から恐れられた人物です。
そして、モルトケは部下登用の考え方についての法則を示した事で有名です。その法則とは、組織のトップとしてどのような部下を任命すべきかについての法則です。部下の「能力」と「意欲」という要素とその高低で、4つの分類をしてその優先順位により登用すべきと唱えたのです。
【1位】能力は高い、意欲の低い部下 →命令に従順であり、確実に業務を遂行する。
【2位】能力は低い、意欲の低い部下 →業務上扱いやすい。
【3位】能力は高い、意欲の高い部下 →上司と対立する可能性があり扱いにくい。
【4位】能力は低い、意欲の高い部下 →意欲だけが空回りしてしまう可能性あり。

この法則によると、社員の意欲は低い方が良いのかと見えます。普通の考え方では3位の、能力も意欲も高い人が1位ではないのかと思いますが、モルトケは上記の理由により、1番目のタイプの部下がもっとも組織に必要であるとしました。結果、モルトケはこの法則によってドイツ軍を組織し数々の勝利を勝ち取ったのです。
 
会社内でも良くある話しですが、最下位の【4位】能力は低いが意欲は高い部下とは、つまり、やる気だけが取り柄な人です。
一般的に、意欲やバイタリティ溢れる人は、高く評価されがちです。でも、こういうタイプがなぜダメかと言うと、意欲の高さが能力の低さをカムフラージュしてしまうからです。 しかも、周囲の人も、その人を頑張っていると評価をしてしまい、実力とは関係なしに何となく評価されがちなのです。 仕事ができない人でも努力をしていると評価したい気持ちに陥りがちです。だって「彼は頑張っているから」です。しかし、本来の成果をキチンと見極めずに、頑張っているからというだけで、評価し登用してしまう事に問題があるのです。 やる気があることは決して悪いものではないと思いますが、やる気と仕事に対する能力に相関はありません。
組織のトップがやる気やバイタリティに騙され、間違った登用をすれば組織は衰退してしまうということです。

現代は、モルトケの時代より組織・人事の状況や、人材のスキルの保有度、能力、行動の傾向、パーソナリティ、価値観やリーダーシップを把握できるツールが揃っています。
このツールを駆使して、また人事データや社員に対する意識調査の結果により、組織・人材の状況についての客観的な把握と多様な切り口による分析をすることによって、合理的な施策展開をしていくこと必要と考えます。
なぜなら、企業の経営計画の達成と成長は、経営に必要とされるスキルを保有する人材が必要なだけ配置され、かつ継続的に生み出す仕組みであること、そして人材が期待される行動や意識をもって活躍・成長し続けることによって実現できるからです。

                                                  
以上

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プロフィール

小野寺 真人 (おのでら まこと)

コンサルティング部門 ディレクター

大学卒業後、大手アパレル会社にて人事、商品企画、新規ブランド事業開発に携わった後、ファッション雑誌系ECサイト運営会社の事業責任者として、人事、ブランド開発、新規ECサイト構築をリードする。当社に入社後はマーケティング部門に所属し、営業、Web施策の企画・開発、セールスプロモーションを主体とした業務に従事。

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