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これでだめなら・・・

執筆者: 小野寺 真人 人事管理

これは実際の会社の例である
この会社は、従業員3,000名規模で北は札幌から南は福岡まで複数の拠点がある会社だ。
当時、人事評価を刷新するということで、MBO(Management By Objectives)を取り入れたが、その運用に悩んでいた。MBOの導入時には、この制度は働く社員一人一人に力を存分に発揮してもらうための仕組みであり、単純に評価で賃金格差をつけるための仕組ではないと、何度も社員説明会を開いて、何とか理解を得たように見えた。

実際の運用に入ったところ、期初の目標設定のレベルがひどかった。目標に具体性はなく、何となくやっつけで思いついた目標が並び、それを上司も黙認するようなケースが多かった。その上、MBOシートの提出期限すら守られない。組合には、この人事評価の仕組みは個人別にノルマを課せられる“やらされ感”満載のもので、シラけてしまうという意見も届いた。

やはり制度の浸透には時間がかかるのだろうと、まずは期初の目標設定について研修を行った。これは一般社員だけでなく、管理職も入れて拠点別に何度も実施して、レベルの向上を図った。それでも一向にレベルの向上が見られなかった。社風的に馴染まないのか、それとも導入のステップを間違えていたのか、組合とも協議を重ね、これでだめならMBOをやめようかとも思ったそうだ。

最後に取った施策は、全従業員のMBOシートの開示だ。前出の通り、この会社は全国6拠点あり、それを社内イントラでつないでいるので、各拠点ごとにMBOフォルダを作り、そこに個人別のシートをPDFで掲載し、だれでも閲覧できるようにしたのだ。
そうすると、今まで何度も研修を実施してもレベル向上しなかった内容が一気に改善した。
目標は具体的になり、遅れ気味であった提出期限も守られるようになった。
半期が終了し、実績も加わり、それも開示した。シート内に評価者からのコメントを記入する箇所があるが、今までは一次評価者からはせいぜい2.3行だけで、二次評価者からは左に同じなどのコメントしかなかったものが、枠いっぱいにコメントされるようになったのだ。
自分以外の3,000人に閲覧されるという緊張感が奏功したと考えてよいだろう。

MBOの目的は、会社からと社員からの両面を持っている。この両面から目標管理の目的をきっちりと認識し、お互いの目的が達成されるように運用されなければならない。
会社としては、経営計画や短期目標を達成するために部門や個人が具体的にどの様な目標を立て、何をするのかを決めて、経営計画の達成をする仕組みになっていることを望む。
一方、社員としては業績目標やその役割を通じて自分自身が成長していくための仕組みであることが望まれる。業績目標達成のために何をすればよいのか、何を身につければよいのか、自身と向き合うとともに、上司からのアドバイスを受けながら、いかに成長していけるかがポイントになる。
様々な会社で話を聞くと、これがうまく機能していない会社が多いように見受けられる。
紹介した会社の例は、目標設定時から全社を巻き込んで機能させた、ある意味荒ワザかも知れないが、参考にしてはどうだろうか。
以上

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プロフィール

小野寺 真人 (おのでら まこと)

ディレクター

大学卒業後、大手アパレル会社にて人事、商品企画、新規ブランド事業開発に携わった後、ファッション雑誌系ECサイト運営会社の事業責任者として、人事、ブランド開発、新規ECサイト構築をリードする。当社に入社後はマーケティング部門に所属し、営業、Web施策の企画・開発、セールスプロモーションを主体とした業務に従事。

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