合理的・構造的アプローチで企業人事を進化させる
コンサルティングファーム

コラムを読んだら投票を! コラムの最後にフィードバック欄がございます。ぜひご協力ください。

高難易度の管理部門人事

執筆者: 林 明文 人事管理

 企業内で管理部門に所属している社員は、営業や製造といった直接部門に比較すると非常に低い比率です。業態や規模にもよりますので比率を正確に出すことは正確ではありませんが、5%から10%程度ではないでしょうか。たとえば人事部門などは社員100名に対して1名程度が適正な人数と言われていますので、社員の中では1%程度の比率ということになります。非常にマイナーな職種といえます。

 人事制度を設計するうえで、この管理部門人材のキャリア設計は非常に難易度が高いといえます。これは人数が少ないことと、管理部門のキャリアといっても、いくつかの専門的な分野に分化しており、様々な研修や経験を積まないと優秀な管理部門社員や管理職になれないからです。一般に管理部門では、経理、人事、総務、法務、情報システム、広報などが挙げられます。この中では経理や法務は専門的な知識や様々な経験がなければ実務を遂行することができません。情報システムも他の分野と比較して独立した分野であり、管理部門人材といってもまったく別の職種の人材といえるでしょう。

 この管理部門人材の調達育成の難しさは、その人数が大きな影響を与えています。たとえば1000名の企業で経理部が20名だとします。この20名は経理の経験がそれなりになければ決算や財務の仕事などを遂行できません。したがってちょっと経理が忙しいからといって他部門からローテーションで配属しても戦力になりません。また20名であれば毎年新人を配属することできませんので、2年ごとに1名か4年ごとに2名などの配属ペースとなるでしょう。この難しい分野の仕事を行うために1名や2名のために研修を行わなくてはならず、非常に非効率です。営業や生産部門のように多くの新人が毎年配属される部門では新人教育も十分な時間、コストをかけても、効率的にできますが、管理部門ではそうはいきません。

 1000名の企業ですらそうこうであるのに200名の企業ではもっと深刻な問題となります。200名の企業で経理部門が5名だとします、計画的に配属するならば8年に1名の配属ということになります。こうなるとよほど長期の視点で持って配属を考えなければうまく循環しません。しかも経理部の社員が一人退職すると営業や生産と比較して極めてダメージが大きいのです。これは経理だけでなく、他の部門すべてがこういった状況ですので、人事管理としては難易度が非常に高いのです。

 2000名以下、1000名以下の企業では、管理部門人材を新卒から配属して育成することが本当に妥当なのかということです。このような難しい管理、高いリスクを抱えるのであれば、できるだけ社員が行う業務を少なくして、アウトソーシングや派遣社員の活用を行うほうが合理的です。外に出せない意思決定業務やコアの業務については社員が行うのは仕方ないにしても、他の業務でアウトソーシングできない業務はほとんどないはずです。管理部門人材の調達と育成について再度考える必要がありそうです。

以上

コラムを読んだら投票を!

コラムをお読みいただきありがとうございます。 今後、さらに興味深いコラムの提供やセミナーテーマの参考とさせていただきますので、ご感想の選択をお願い致します。
※投票いただくと、これまでの感想をグラフで見ることができます。

このコラムの評価

投票いただくとこのコラムの評価が表示されます。

このコラムの平均評価

このコラムの平均評価

このコラムの平均評価

ご投票ありがとうございました。他のコラムも是非ご覧ください。

このコラムの感想

  • 大変つまらない:
  • つまらない:
  • ふつう:
  • 興味深い:
  • 大変興味深い:

プロフィール

林 明文 (はやし あきふみ)

会長

青山学院大学経済学部卒業。 トーマツコンサルティング株式会社に入社し、人事コンサルティング部門シニアマネージャーとして 数多くの組織、人事、リストラクチャリングのコンサルティングに従事。その後大手再就職支援会社の設立に参画し代表取締役社長を経て当社設立。代表取締役シニアパートナーを経て現職。明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科客員教授。

詳細はこちら

執筆者のコラム一覧はこちら

TOPICS