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新しいワークスタイルへ
執筆者:林 明文
仕事柄、一日に数カ所の企業に訪問することが多く、そのためタクシーの利用が平均的なビジネスマンよりも非常に多いと思います。タクシーを利用する理由は2つあり、電車やバスなどの公共交通機関では行きづらい場所に訪問するのに効率的であることと、タクシー内でメールや電話の処理ができるということです。特に、移動中にタイムリーに電話や書類のチェックなどができることが、時間の効率的利用という観点では非常に効果的です。電車やバスでは電話はできませんし、メールや書類のチェックなども人目がありますので、セキュリティー的に問題があります。そのため、タクシーを多用するのです。
モバイル環境が整備されていない時代には、電話は会社の中か公衆電話でしかできませんでした。また、メールが無かったときは書類なども郵送が主でした。モバイル環境が整備されるにしたがい、どこにいても電話やメールができることになり、非常に便利になりました。同時に個人の仕事のスピードも速くなってきます。相手からの連絡に対して、できるだけ短い時間で返せる環境であるため、以前に比較してコミュニケーションスピードが格段に速くなりました。そのため、経営施策の企画から実行に至るまでも、以前は電話をかけまくり、会議の調整などをし、会議に書類を用意していましたが、最近では全員に一律にメールを送り、会議で使用する書類なども事前に送付することができます。必然的に、会議そのものの効率も向上し、企業の経営スピードは格段に速くなりました。
このようなモバイル環境の整備は、経営スピードを向上させることに大きく貢献するとともに、逆に、組織の構成員全員が経営スピード向上への意識を高めることも重要になります。例えば、急ぎの重要なメールを定時時間外に送付したとします。夜遅い時間にメールを送付するということは、即時の返答が期待できないことになります。即時の返信がほしいときには、送付後の遅い時間にメールをみることを強要していることになります。夜、メールをチェックしなかったら、次の日の朝に見ることになるでしょう。金曜の夜遅くに重要なメールを送る人もいますが、自分の都合で遅い時間にメールするのですから、速い返信がほしいときには、メールをしたことを電話するなり、何らかの方法で相手に伝えるべきでしょう。このようなメールが増えると、定時勤務時間外にメールが気になってしかたありません。夜遅く、土日もメールを見ざるを得なくなります。このように組織の関係者の中に時間的に自分のペースで業務を行う社員がいると、業務時間外に他の人に業務を強要していることと同じであることに、もっと気づかなくてはなりません。モバイル環境が整備され連絡が容易になることにより、協業する意識を一段高くしなければなりません。常識のない人は金曜の夜にメールを送ったと主張し、タイムリーに読まなかった相手が悪いような言い方などしますが、このような協業を意識しない行動は論外ということです。
モバイル環境が整備され、グローバル化が進み、社会が成熟していく中で、新しいワークスタイルを確立することが、企業人事として必要になってきました。この新しいワークスタイルの確立の背景には、協業する意識を徹底する観点も重要です。クライアントに対して新たな時代に対応する人事管理を提唱していくことは、新しいワークスタイルと新しい意識を提唱するということです。人事の個別機能論も重要ですが、これからの環境から新しい働き方、新しいビジネスマンとしての意識を正面から考えていかなくてはなりません。
ちなみに、非常識なメールなどはあくまでも一般論です。当社社内のことではないことを強調させていただきます。
(2011年11月30日 林 明文)
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