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舘内社長
執筆者:林 明文
再就職支援業は、会社都合で退職した社員を再就職させるサービスを提供する人材サービス業の一分野です。おそらくこの分野の日本での最も古い企業は日本DBMです。第一次雇用調整ブームの実に20年以上も前からこのサービスを日本で細々と提供してきました。米国大手のDBMとライセンス契約を結び主に外資系企業の人員削減のサポートを行ってきた会社です。当時の社長は舘内社長(故人)でした。私も業界の関係も含めてよく知っている方でしたが、実にユニークな人物でした。舘内社長がこの事業を日本で始めたのは、ご本人が当時勤務していた会社から解雇され、その時に米国でDBMのサービスを受けたことがきっかけと聞いています。現在もそうですが欧米ではこのサービスを”アウトプレースメント”と呼びます。もっと正確には”アウトプレースメントカウンセリング”です。キャリアカウンセリングが主たるサービスの内容と言うことになります。離職した元社員が再就職するまでの様々な指導や相談を行うということです。また施設の提供なども極めて重要視されています。米国の再就職支援会社では、クラス別に提供する施設のレベルが異なります。たとえばCEO、COO、CFOクラスの再就職支援の場合には、広い専用の個室に専用の秘書まで用意されます。
日本DBMもアウトプレースメントカウンセリングの会社として運営してきたということです。そもそもクライアントは外資系企業が多く、外資系企業の管理職は人材会社経由で再就職がしやすいということもあり、カウンセリング中心のサービスであったと想定します。
この人物のユニークさは、人柄的魅力と先見性だと思います。一見魁偉な容貌ですが、人なつこく人の内面に入り込むような話し方がうまい人物でした。私としては非常に話しやすく、変に気を遣わずストレートな話ができます。舘内社長とは日本の再就職支援に対する考え方が決定的に異なるスタンスであり、サービスのあり方や日本における業界活動などの議論では、双方ストレートな議論となりました。しかし議論は議論としてストレートに話すものの、お人柄なのでしょう人間関係的におかしくなることはありませんでした。
人物的な魅力と同時に先見性に驚かされます。私はウエイステーション(現在のライト)設立に至るまで、この業界の研究を徹底して行いました。そして日本における独自の再就職支援サービスを実際に創ってきた自負がありますが、はるか20年前にこのサービスを日本で法人として設立したこと、またこの業界が注目されるまでの長い期間、地道にこのサービスを提供し続けてきたことに驚かされます。日本ではこの業界が必要ないかもしれないというリスクを20年もの間負っていたということです。私は人事のコンサルティングを通じてこの再就職支援の必要性さらには欧米的サービスではなく日本的なサービスへの転換が必要と考え、この業界の勃興期から、ある程度の計算された先見のもと経営してきました。私の計算上ではこのビジネスは日本で一定の市場規模に延びると確信していました。しかし舘内社長のような計算されていない先見性、肌感覚の先見性とでもいうべきでしょうか、それとも自身の生き方や信念のようなものなのかわかりません、偶然なのかもしれませんが、とにかくこのビジネスの必要性が来るのをいつかはわからず確信していたことに驚くということです。
市場と言えない20年前から市場の勃興期のキーマンとして、日本の再就職支援の歴史に欠くことのできない貢献をした人物だと思います。様々な議論や競争や協力をさせていただきました。大変な酒豪で食事お酒も楽しませていただきました。ありがとうございました。
以上
(2010年07月28日 林 明文)
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