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管理職の品質
執筆者:高柳 公一
S課長:『K君、 あの資料作成の件だけど、ちょっと急いでいるので、明日のお昼までに、いつものような要領で、やっておいてくれるか。』
K氏:『はい、わかりました。頑張って明日のお昼までにお持ちします。』
こんな会話、多くのオフィスで日常的に行われていると思います。そして、その翌日、
K氏:『S課長、昨日おっしゃっていた資料を作成したので、お持ちしました。』
S課長:『どれどれ、うーん、昨日言っていたのはこのことじゃないんだよ。いつも頼んでいるもう一つの資料のほうの件だったんだけど』
『・・・・・。ああ、そうだったんですね。わかりました、さっそく、やり直します。』
(勘弁してくれよ、昨日は残業までしてやったのに。もっとはっきり言ってくれればよかったのに・・・)
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具体的にどんな作業をするのか、指示をしなくても、長い間、一緒に仕事をしていると、あうんの呼吸で、お互いに意思疎通ができてしまうこともあるのでしょう。しかし、なんとなく通じているようなコミュニケーションであっても、具体的に正確に伝えない限り、誤った受け取り方をされてしまい、結局のところ、作業のやり直しが生ずるなど、業務効率の低下を招いてしまうことになります。実際にどんな企業でも、多かれ少なかれこうしたミスコミュニケーションから生ずる時間と手間の無駄はあるはずです。
上司の部下に対する業務の指示の仕方があいまいだったり不正確だったりすると、いくら優秀な部下であっても、上司の期待通りのアウトプットを出すことは難しいでしょう。さらには、不正確な指示のもとで作業を行い、結果としてやり直しを命じられることが度重なれば、部下のモチベーションもやがて低下して行くことにもなりかねません。実際、全社的にこのような管理職の業務指示の品質を高めることで、それなりのレベルで生産性が向上することが期待されます。
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我が国の場合、多くの企業において、営業成績がよい社員が営業課長に登用されるといった具合に、実務の成績が優秀である社員が管理職に登用されるケースが少なくありません。しかし、個人として非常に営業成績のよい社員がそのまま営業課長に登用されたとしても、必ずしもよい営業課長になれるとは限りません。管理職としての営業課長には、プレイヤーとしての自身の営業成果を上げることではなく、効率的に課に求められたアウトプットを出すため、課員を適切にマネジメントしていく能力が求められています。
毎年、新しい管理職が生まれていますが、こうした適切な業務指示を行う能力の重要性について十分な認識を持っている企業は意外に多くありません。経営環境が不安定で大きな回復が期待できない現状において、経営効率を高めるための手段として、管理職の業務指示力の向上は大変有効な施策のひとつだと思います。
(2010年07月22日 高柳 公一)
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